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9-⑭ 難航からの光明



私たちはゆっくりとダンジョンコアへと近づいてみる。


「ここでこれを壊したらどうなると思う?」

「普通にここのダンジョンが閉じるよ♪」

「鏡合わせの残りのふたつの世界のダンジョンはどうなるんだ? 元の世界のダンジョンはコアを破壊したからもう閉じてるはずだよな」

「別世界のダンジョンが閉じてもほかのダンジョンには影響はないはずだぞ」

「あっちには人工装置は無いから問題なしだよ♪」

「で、一番の肝はここかツバメ世界のどちらかにある人工装置がどうなるかだよな」

「そうだな」


おそらくはツバメ世界の地脈にあるんだろうけど。

それを発見したドローンがトラップ転移された可能性がある以上は決めつけはできない。


「万が一、ここに人工装置があったらどうなる?」

「そのまま放置されちゃうんじゃないかなあ♪」


ダメだな。

それじゃ意味かない。


「ここは一旦放置だ。この世界に人工装置があったらマズい」


正規ルートに戻るか?

いやご丁寧に正規ルートにわかりやすく装置を置いてるとは思えない。

となると……地脈か。


「ナビィ、地脈の探し方からもう一度考え直そう。なにかヒントはないか?」


「うーーーん」


地脈なんて存在はそもそもこの事件で初めて聞いたものだ。

私たちにはなんの知識もない。

あるいは木花と咲那ならなにか知ってるのか?

というか、神界からのアクセスが全くないことも気になる。

いつもならすぐ神界に呼ばれるのに異世界に強制転移されてからなんの音沙汰もない。



と思ったらいきなり神界に呼ばれた。


「何してたんですか!」

「すまん、重要案件の対応をしておったんじゃ」

「チョコが切れたもんでな」「言うな」

「おい」

「まあコレで許せ」


と、そこに愛しの女神が転移させられてきた。

私に気づくとすぐに飛びついてくる。


「ショウ!/シシ!」

「木花!咲那!」


くるくる抱き合ってふたりをしっかり抱きしめた。

あーやっぱり女神はいいなー。


「心配したぞ。手紙で無事なのはわかったけど/いきなりいなくなったんだもん」

「ごめんごめん。いろいろ急展開でな」


しっかり女神を堪能してから神様たちに質問をする。


「ていうかさ、こうやってそれぞれの世界から呼べるなら最初からツバメ世界や異世界ともやりとり出来たたんじゃないか?」

「それは無理だ。もともと神界にいた女神や神獣、ナビィたちは別として、違う世界の者たちを神界で引き合わせることは出来んのだよ」


へえ。そういうものなのか。

なかなか難しいんだな。


「で、いまさらお呼びになったのは?」

「女神からチョコを手に入れたからもう大丈夫に……いや違う。人工装置のことじゃよ」


おい、いま本音でたぞ。


「気づいてないようだからな。花川式の地脈タイマーがあるだろ」

「あ、そうか! 地脈センサーが作れるのか!」

「そういうことじゃよ。異世界とツバメ世界は繋がっておるからコンタクトもできるじゃろ」


そういやスマホもらってたな。


「そうか、なんとかなりそうだ。ありがとう創造神さま、時空神さま!」


「御礼ならチョコをもっと置いていけばいいぞ」


「なんだよそれ……あ、だったら趣向をかえてチーズフォンデュなんてどうです?」


「な、なんじゃその魅惑のフレーズは!」

「す、すぐに頼む!」


私はチーズフォンデュセットをマジックボックスから取り出してセットする。

そしてチーズをトロトロに溶かしていく。


「あとはパンとかソーセージとか野菜や海鮮なんかを焼いたり茹でたりしてトロトロのチーズにディップしてどうぞ」


各種食材を段ボールに詰めて置いておく。


「「むほーーー!」」


おい、むほーって。

リアルむほーなんて初めて聞いたぞ。

威厳も何もあったもんじゃない。


「でかしたぞシシ」

「さあ世界を救え、行ってこい!」



そして私たちはまた異世界に戻された。


なんか最後は適当にあしらわれた感があるけど……まあ木花咲那と合流できたからいいや。


「なんだ!? えらい美人が出てきたな」

「あ、ガラ、紹介するよ。木花と咲那だ」

「シシの妻だ/ショウの嫁だよ」

「まだ結婚してないぞ」

「してるだろ/え、してないの?」 

「……意味がわからん」


私はガラに女神のこと、そしていま神界に呼ばれて花川タイマーの応用を示唆されたことを伝えた。


「なんと女神様とは……。ジャポンの国王、ガラと申します」


おー、簡単に理解してもらえた。

神の存在がリアルな世界ならではだな。

神にはガラでも礼儀正しくなるのか。


「木花です。よろしくお願いしますね/咲那だ。よろしくなガラ」


クマ吉を抱きながら女神も挨拶をする。


「ってわけでさ、地脈タイマーを作れるならセンサーも作れると思うんだ」

「なるほどな。何とかなりそうだ」

「ガラは地脈タイマーを持ってないのか?」

「おおよその残り時間について連絡をもらっただけだな。こっちにタイマーは無いぞ」

「そっか、じゃあ花川さんに頼んでみるよ」


私は花川さんにもらった異世界セットからスマホを取り出して花川さんにコールしてみた。


「はいはい、花川でありますよ」

「あ、花川さん、シシです」

「おー、シシさん! 電話が繋がったということはもしやこちらに?」

「ええ、こっちのダンジョンコアを壊したら異世界に飛ばされまして。いまガラと裏四国のダンジョンを攻略中なんですよ」

「おお、そうでありましたか。ようこそ異世界へでありますな。で、いまどのあたりでありますか?」

「ダンジョンコアまで辿り着きました」

「さすがでありますな!」

「でも人工装置はまだ見つけられてなくて。それで地脈センサーが欲しいんですけど」

「承知しましたぞ。えーと、ではこのあと共有化したマジックボックスに送っておきますぞ」

「ありがとうございます」

「こっちはなかなか手強いダンジョンでありましてな。まだ時間がかかりそうなのでありますよ」

「こちらの地脈になければすぐにそっちに向かいますね」

「頼もしいでありますよ。あ、いまマジックボックスに放り込みましたです」

「え、もう?」

「こんなのちょろいのでありますよ。では後ほどお会い出来るのを楽しみにしておりますです」

「ありがとうございます!」


通信を切ってマジックボックスを探すと花川印が刻印押された箱が出てきた。

開けるとそこには小さなアダプターと説明書があった。


「すごいな、あの時間にこのサイズで作れるのか」


アダプターをスマホに差し込むと画面にナビ画面が表示される。

指示に従えば地脈に辿り着けるらしい。


よし、これで一気に攻略できるぞ。

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