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ニュータイプじゃないんだ、ガンダムの。

「もし菊池がすべての元凶だとしても、それに安易におどらされた連中も絶対に許せませんね。有罪ですよ。」

「有罪とかなんとかはわかんないけど、たしかに連中にも責任の一部はあるだろうなあ。でもしょーがないだろ、だからってどうなるもんでもないんだし。」


 しょーがなくなんかあるか!! それに何がいったい「どうなるもんでもない」んだよ!? 意味不明のこと言うな!! いやいいんだ、石坂さんに罪はない。しかし悲しいな、石坂さんもしょせんアナーキストではなくってモラリストなんだな。ニュータイプじゃないんだ、ガンダムの。


「あまりオロカに過ぎることはそれだけで罪だとは思いませんか? 実際自分らは加害者なのに逆に被害者だと思いこんでること自体、ひょっとしたら首謀者より悪いかもしれない。実際フタを開けてみたら俺だけが被害者じゃないですか。」

「まあ、たしかにお前さんには同情するけど。」

「俺はひょっとして、これを最後に、連中にヒドいことをしてもいいっていう権利をもしかして、持ってるんじゃないでしょうか?」

「持ってない持ってない。おいちょっと、何か変なコト考えてないだろうな?」

「なんにも。考えるのヤメたから。」

「なんか誤解を一気に解く考えがあるんじゃないの? 隠さないで教えてくれたら俺も協力してもいいから。」


 ほら、石坂さんにしたって謀略をめぐらす悪ガシコイ吾妻ってイメージがあるんじゃん。それをあのヌケ作どもの誤解解くなんて全然無理なんじゃねぇの?


「いや、だからヒドいことすんですよ。」

「だからヒドいことってなんだよ!?」

「別にまだ何も考えてないですよ。でも我々は肉食獣なんだから、生まれながらに草食獣であるところの愚劣な一般大衆をホフる権利を最初から持ってるんですよ。」

「持ってないって。」

「いいすか、肉食獣は草食獣の個体数の管理という使命のもとに連中をホフる権限を大自然から与えられてるんですよ。そうしないと草食獣が増えすぎて自然界のバランスが崩れちゃうでしょ? それと同じように社会がバランスを崩さないためには無能な大衆の数を管理しなきゃなんないんですよ。そうしないと連中が社会の上部の決定機構に入りこんできて社会のコントロールがダメになって社会がパーになりますから。だからですね、我々が時々連中にヒドいことをしてやってですね、社会的に抹殺したり人知れず始末してやってですね、個体数を管理してやらないとダメなんですよ。」

「なんだそれ? マジで考えてんの? そんなこと。」


 いや、いま思いついただけだけど。


「だから肉食獣が獲物を狙うときは獲物にバレちゃいけないですから、誰にも教えちゃいけないんですよ。」

「って俺に教えてるじゃないか!」

「でも教えちゃいけないんですよ。」

「だから俺がもう知ってるって!」


 マヌケな会話だなあ。


「ホントに何するつもりかしれないけど、どうせやるんだったら俺に教えないでやってほしかったよな、もうすぐ卒業だってのに。」


 うーんゴメンね、石坂さん。


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