↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
白織夜叉の冒険譚  作者: 蹴 鞠
第1章
PR
6/56

4話 女冒険者の休日


王都。


今日は依頼のない休日だった。


いつもなら宿でのんびりしている夜叉だったが――。


「夜叉さん」


「ん〜?」


ギルドを出たところで、夜叉は声をかけられた。


最近共に依頼をこなしている、冒険者パーティー。


その魔法使い。


リゼット


「少し買い物に付き合ってもらえませんか?」


「お買い物?」


「はい。魔法薬の材料と、いくつか日用品を買いたくて」


「いいよぉ」


夜叉はあっさり頷いた。


「私も何か見たいものあるし〜」


「では、行きましょうか」


「うん〜」


二人並んで歩き始める。


◇


最初に向かったのは、魔道具店。


リゼットが真剣な顔で棚を見ている横で、夜叉は店内をきょろきょろ。


「……」


「夜叉さん?」


「これ、かわいいぃ」


夜叉が手に取ったのは、小さな雪の結晶を模した髪飾りだった。


白銀色の飾りが、店内の光を受けてきらきらしている。


「似合いそうですね」


「そうかなぁ?」


「はい」


「じゃあ買おうかなぁ」


「即決なんですね」


「気に入ったからぁ」


夜叉は嬉しそうに髪飾りを眺める。


リゼットはそんな夜叉を見て、少し笑った。


「夜叉さんって、意外とこういうもの好きなんですね」


「うん。綺麗なの好きだよぉ」


「なんとなく分かります」


「リゼットも好き?」


「嫌いではないですよ」


「じゃあ、これも似合いそう」


夜叉が別の髪飾りを差し出す。


「え?」


「リゼットにぃ」


「私に?」


「うん」


リゼットは少し驚いた。


「……では、試してみましょうか」


「うん〜」


店の鏡の前。


リゼットが髪飾りをつける。


「どう?」


「似合ってるよぉ」


「本当に?」


「うん。綺麗〜」


夜叉が素直に褒める。


リゼットは少し照れた。


「……ありがとうございます」


◇


買い物を続ける。


今度は衣料品店。


「夜叉さん、これなんてどうですか?」


「ん〜?」


リゼットが淡い色のストールを持ってくる。


「かわいいねぇ」


「夜叉さんの髪にも合うと思います」


「じゃあ試してみるぅ」


夜叉が鏡の前へ。


リゼットがストールを巻いてやる。


「……どうでしょう?」


「うん?」


夜叉が鏡を見る。


「いいねぇ」


「でしょう?」


「リゼット、選ぶの上手だねぇ」


「魔法の道具を選ぶのと似ていますから」


「そうなのぉ?」


「はい」


「じゃあ今度から一緒に選んでもらおうかなぁ」


「もちろんです」


二人は顔を見合わせて笑った。


◇


昼。


二人は小さな食堂に入った。


「何食べようかなぁ」


「夜叉さんは甘いものじゃないですか?」


「……ばれたぁ?」


「もう何度も一緒に食事していますから」


「えへへ」


夜叉はメニューを眺める。


「これぇ」


「やっぱり」


「リゼットは?」


「私は普通に食事を」


「じゃあ半分こしようよぉ」


「いいんですか?」


「うん。美味しいものは一緒に食べた方がいいからぁ」


料理が届く。


二人で少しずつ食べる。


「美味しいですね」


「ねぇ〜」


「夜叉さん」


「ん?」


「こうして二人で買い物するの、楽しいですね」


夜叉は少し考えた。


「うん」


そして、柔らかく笑う。


「私も楽しいよぉ」


リゼットも笑った。


◇


帰り道。


買い物袋を持って歩く二人。


「……あ」


夜叉が足を止めた。


「どうしました?」


「お菓子売ってるぅ」


「まだ食べるんですか?」


「うん〜」


「……仕方ありませんね」


リゼットが店を見る。


「買いに行きましょうか」


「やったぁ」


二人で店へ入っていく。


その姿を、通りの向こうから偶然見つけたいつもの二人。


レオンと昔から共に。


冒険者をしているカイル。


「……」


「……」


カイルはレオンを少しからかう様に見る。


「レオン?」


「言うな」


「リゼット、お前より夜叉さんと仲良くなってるぞ」


「言うなって」


そんな二人の声など知らず。


夜叉とリゼットは、買ったお菓子を片手に楽しそうに歩いていた。


「リゼット」


「はい?」


「また二人でお買い物しようねぇ」


「……ええ。ぜひ」


その日から。


夜叉とリゼットの間には――。


冒険者仲間と言うではない、少し特別な友情が生まれた。


読んでくれてありがとう〜


今回は、お友達になるお話

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。