白織 夜叉
自己紹介話です。
よければ見ていってください。
王都へ向かう街道の途中。
白織夜叉は、
道端に座っていた。
「…………」
白い尻尾を、膝の上に乗せ。
暖かい光を楽しむ。
目的地までは、まだ半日ほどある。
急ぐ理由はない。
だから、休む。
「……あったかいなぁ〜」
目を細める。
そのまま五分。
十分快晴。
二十分経過。
さすがに同行していた冒険者が声をかけた。
「夜叉さん……そろそろ行きません?」
「んー……」
夜叉は空を見上げた。
「もうちょっとだけ〜…」
「さっきからそればっかりですよ」
「だって、今日ぽかぽかで、気持ちいいから〜…」
そんな調子で、彼女はまた目を閉じる。
「すぅ…」
静かに寝息が聞こえる。
のんびりしているが、この女。
冒険者ランクはAランクである。
白織夜叉。
二十一歳。
雪猫族。
雪山の麓にある村、精霊の麓の出身。
白い髪に、白い猫耳。
足元まで届く長い髪と、大きな尻尾。
そして、彼女の腰には一張の弓。
数々の危険な依頼を潜り抜けてきた、腕利きの弓使いだ。
……そのはずなんだが。
「夜叉さん、寝ないでくださいね?」
「んん…寝てないよぉ……」
「寝てますよ」
「……すぅ」
「寝てるじゃないですか!」
今日も彼女は、のんびりしている。
まあ。
旅なんて、急がなくてもいい。
景色を見て。
美味しいものを食べて。
疲れたら休む。
それでいい。
白織夜叉。
これは、そんな彼女の冒険の物語だ。
最初の彼女の自己紹介話です。




