29.不思議な電車と小さなお客さん
私は会社の先輩と駅のホームで電車を待っている
すると、青紫色とパールホワイトのツートンカラーが美しい、デザイン性の高い電車が到着する
上部にはギザギザの模様が施されており、その部分は立体的に盛り上がっている
それがまた、その電車をかっこよく演出していた
前と後ろのドアは、外側にせり出すようにスライドして開く
私がどちらから乗り込もうか躊躇してると...
「こっち」
先輩が後ろのドアに乗り込みながら声をかけてくれる
「あっはい」
私は慌てて後ろのドアに滑り込む
電車に乗り込むとそこは
左右に2席づつの列になっていて
先輩はドアを入ってすぐの反対側の窓際に座っていた
その隣へと思ったが既にかわいい先客が座っていた
仕方なく他の席を探そうと車内を見渡すが、残念ながら満席だった
ドア横の座席の後ろの隙間が台のようになっていたので、私はそこに腰掛けた
気付くと前後の席の背もたれが倒れてきていて、私はそれに挟まれるような形になっていた
それでも少しでも腰掛けられて良かったと思いながら
座ってる人の頭上越しの車窓の景色を楽しんでいた
しばらくすると、服の裾を引っ張られる
「ん?」
と思ってそちらを見ると
小学校1年生くらいの男の子が私の服を引っ張っていた
(先輩の横に座っていた子だ)
「どうしたの?」
私が聞くと
「そこ座ってみたい」
子犬のような目で見られ
「ふふっ、いいよ」
私は立ち上がり、その子を座らせてあげた
「ありがとう」
キラキラした笑顔でお礼を言われ
私も笑顔になる
そんなところで目が覚める
かっこいい電車と小学生との微笑ましいやりとり
とてもほっこりした気持ちになりました




