表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
資格を学んで人生やり直し  作者: 仕事が生きがい~結婚諦めた~
第三章 資格を取った後

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/57

第四十五話 線がなくなったあとも

この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。

半年後。


男は、以前と同じ席に座っていた。

机も、景色も、驚くほど変わっていない。


肩書きが増えたわけでもない。

大きな異動があったわけでもない。

ただ――相談の言葉だけが、少し変わった。


「判断、どう引き継ぎましょうか」

「この線、次は誰に任せます?」


**自分で判断するための質問**が増えた。


男は即答しない。

以前より、さらに。


「君は、どう引きたい?」

「その線を引くなら、どこまで守る?」


線を引く席は、

もう一人分では足りなくなっていた。


---


ある日、山田が声をかけてきた。


「この案件、

 一回、自分で判断してみたいです」


男は、少しだけ驚いた顔をしてから、頷いた。


「いい。

 戻したくなったら、戻ってこい」


それだけで十分だった。


線は、渡された。


---


夕方。

フロアは静かで、誰も走っていない。


男はふと、窓に映る自分を見て思う。


線を引く仕事は、

いつか必ず終わる。


だが――

**線を引ける人を残した仕事は、終わらない。**


資格は、もう話題にすら上らない。

だが、それでいい。


資格は、

証明するものではなく、**滲むもの**だからだ。


男は立ち上がり、

電気を一つだけ消して、出口へ向かう。


最後に残った線は、

もう自分のものじゃない。


それでも、

この場所が壊れないと知っている。


それで、十分だった。

お読み頂き、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ