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資格を学んで人生やり直し  作者: 仕事が生きがい~結婚諦めた~
第一章 資格を学ぶとは

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幕間 いつからか、名前で呼ばれる席にいた人

この物語は全てフィクションであり、実在する人物、事件とは一切関係ありません。

 後輩は、

 最初から気づいていたわけじゃない。


 ただ、

 困ったとき、

 自然に声をかけていた。


---


 「この資料なんですけど……」


 返事は、

 すぐには返ってこない。


 画面を見て、

 一度、

 全体を眺めてから、


 「前提、どこまで決まってる?」


 そう聞かれる。


---


 正直、

 少し緊張する。


 怒られるわけじゃない。

 否定されるわけでもない。


 でも、

 適当に流せなくなる。


---


 「そこが曖昧なら、

 ここは保留だね」


 「先に決める順番、

 逆かもしれない」


 言葉は静かだ。


 声も、

 大きくない。


---


 それなのに、

 会議が終わるころには、


 「あ、

 まずここを詰めないと

 ダメなんだ」


 そう、

 頭の中が整理されている。


---


 気づけば、

 周りも同じように

 聞いている。


 誰かが説明に詰まると、

 視線が一度、

 そこに集まる。


---


 後輩は思う。


 ——あれ、

 この人、

 前からこうだったっけ。


---


 資格の話を、

 聞いたことがある。


 試験を受けたらしい、

 という噂も。


 でも、

 合格したかどうかは、

 誰も知らない。


---


 それでも、

 仕事の流れは、

 もう変わっていた。


 「念のため」は減り、

 「どう考えます?」が増えた。


 それを投げられても、

 この人は逃げない。


---


 全部分からなくても、

 分からないまま、

 立ち止まらない。


 「ここは確認が要る」

 「この条件なら、

 こうなる」


 そう言って、

 線を引く。


---


 後輩は、

 ふと気づく。


 この人に聞くと、

 “正解”が返ってくるわけじゃない。


 **考える場所**が

 返ってくる。


---


 だから、

 頼ってしまう。


 教えてほしい、

 というより、


 一緒に整理してほしい、

 と思ってしまう。


---


 夕方。


 後輩は、

 資料を抱えたまま、

 立ち止まる。


 声をかけようとして、

 一瞬、迷う。


---


 それから、

 気づく。


 もう、

 役職でも、

 結果でもなく。


 **名前で呼ばれる席**に

 この人は、

 最初から座っていたのだと。


---


 試験の結果は、

 まだ出ていない。


 でも後輩にとっては、

 もう関係なかった。


 この人は、

 考える人だ。


 そして、

 立っていなくなる人じゃない。

お読み頂き、ありがとうございます。

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