少年、絡まれる。
僕とメフィは顔を見合わせていた。
「……一体どういうこと、メフィ?」
「知らないさ。私は所詮、自分の知っていることしか知らない。ただ、まあ、昨晩のことが関係しているのは間違いなさそうだな」
「とりあえずこの場を離れた方がよさそうだね?」
「それには同意だ。私もお前も、目立ちすぎると面倒なことになるからな」
僕らは『リュウビ』と名乗る集団に背を向け、そっとその場から離れようとした。
したのだけれど。
「そこの二人! どこへ行くつもりだ!」
……見つかっちゃった。
すぐに僕らは、覆面をつけた男たちに囲まれてしまった。
「え、えーと、ちょっとトイレに」
僕が言うと、男の一人がこちらに銃を突き付けて、
「妙な動きはするな。お前たちには人質になってもらう」
トラックの前に武装した男が五人。
そして、僕らの周りに三人ってところか。
こっちに来た人たちは、拳銃というか、両手で抱えるような大型の銃を持っている。
「僕にトイレを我慢させていいんですか? 僕みたいな男が漏らしても汚いだけですよ」
「そうだ、ニルが漏らしても目に毒なだけだ。どうせなら私が漏らしてやろう」
メフィが男と僕の間に割って入る。
メフィの台詞に、覆面の下の顔が一瞬呆気に取られたのが分かった。
刹那、僕は剣を抜いていた。
「――――!」
僕らを取り囲んでいた男たちの銃を切り裂くと同時に、僕は炎上するトラックの方へ走った。
そして、トラックの前に銃を構えて並ぶ覆面の集団が僕に気付く前に、彼らの武装を切り刻んだ。
「お前、おとなしくしろ!」
ようやく僕の接近に気付いたリーダー格の男がこちらに銃を向ける。
しかし、彼がそうした瞬間、銃は真っ二つになって地面に落ちていた。
「正当防衛だよ。悪く思わないで欲しいな」
「お、お前、一体……」
「通りすがりの―――住所不特定無職(男性・年齢不詳)だ」
格好良く僕が名乗った瞬間、僕は背後から何か柔らかいものに押し倒されていた。
その瞬間銃声がして、目の前にいた覆面の男の体が血をまき散らして四散した。
「危ないところだったな、ニル」
「め、メフィ……?」
「見ろ、ルクト軍の治安警察だ」
顔を上げると、男の死体の向こう側に、特殊な防護服に身を包んだ集団が整然と並び、こちらに銃を向けているのが見えた。
気づけばバリケードのようなものさえ用意してあって、やじ馬たちはそのバリケードの向こうに追いやられていた。
そして、僕らと覆面の男たちは防護服の集団と対峙しているような形になっていた。




