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「それぞれの日常(前半)」

第十二話



朝。


ねこフードルーム。


窓から柔らかな光が差し込んでいる。


ベッドの上で、


ミルがゆっくり目を開けた。


ミル

「……朝です」


ミルはベッドの上でぐーっと伸びをする。


ミル

「んーーーー!」


尻尾がぴんと立つ。


ミル

「今日も!」


ミル

「ドキワク探しです!」


ミルはベッドから飛び降りる。


トンッ!


そのまま扉へ向かう。


ミル

「出発です!」


バタン!


勢いよく部屋を飛び出す。


その瞬間――


ふわっ


光。


次の瞬間。


廊下にいたのは


一匹の白猫だった。


ミル

「……」


ミル

「ニャ?(ありゃ?)」


ミルは一瞬固まる。


ミル

「ニャニャニャニャ!(フード忘れました!)」


ミルは慌てて部屋へ戻る。


タタタッ


ねこフードルームへ飛び込む。


ふわっ


光。


ミルは人間の姿に戻った。


ミル

「危なかったです!」


ミルはクローゼットを開ける。


ミル

「フードフード……」


引き出しを開ける。


ミル

「ありました!」


ミルは猫フードを被る。


ミル

「これで大丈夫です!」


ミルは再び扉を開ける。


ミル

「ドキワク探しです!」


ミルはパタパタと廊下を走る。


―――――


リビング。


ナナとルナが朝食を準備していた。


テーブルの上には


パンとサラダ


フライパンを握るナナとお皿を持ったルナが振り返る


ナナ

「ミル、おはよう」


ミル

「おはようございます!」


ルナ

「おはようミル。朝から元気ね」


ミル

「ドキワクです!」


ナナは少し笑う。


ナナ

「ちょうどいいところだった」


ナナ

「ノワ呼んできてくれる?」


ミル

「はい!」


ミル

「任せてください!」


胸を拳でドンッと叩くと、


ミルはくるっと振り返る。


ミル

「ドキワク任務です!」


ミルは玄関へ走り出した。


―――――


住宅街。


ミルは道を歩いている。


きょろきょろ。


上を見て


塀を見て


空を見て


ミル

「ノワー?」


ミル

「どこですかー?」


その時――


シュッ


空気を切る音。


ミルの耳がぴくっと動く。


ミル

「……?」


もう一度。


シュッ


ミル

「おや?」


ミル

「ドキワク音です!」


ミルは音の方へ走る。


空き地に出る。


そこには――


ノワ。


黄色い光のレイピアを振っている。


シュッ

シュッ


空気が綺麗に切れる。


ミルの目が輝く。


ミル

「ノワー!」


ノワは動きを止める。


振り向く。


ノワ

「……ミル?」


ミルは空き地に駆け込んでくる。


ミルの目がきらきらしている。


ミル

「ノワ!」


ミル

「なんですかそのドキワク武器は!」


ノワ

「声が大きい」


ミル

「光ってます!」


ノワ

「武器だから」


ミル

「かっこいいです!」


ミルはレイピアをじっと見る。


ミル

「ノワも,,,戦うんですか?」


ノワ

「えぇ」


ミル

「おお!」


ノワは少しだけ視線を逸らす。


ノワ

「ま、守るためよ」


ミル

「?」


ノワは少しだけミルを見て


ノワ

「……」


ノワ

「なんでも無いわ」


ミル

「ドキワクです!」


目をキラキラさせたミルは、


ノワの持つ武器に釘付けになっている。


ノワは小さくため息をつく。


ノワ

「……触る?」


ミル

「いいんですか!?」


ノワ

「少しだけよ」


ノワはレイピアを差し出す。


ミル

「失礼します…」


ミルはゆっくり手を伸ばす。


ミルの指が


レイピアに触れた。


その瞬間――


ふっと景色が揺れる。


ミルの視界に


ノワの顔が浮かぶ。


優しく


ほんの少しだけ


微笑んでいる。


その視線は


まっすぐ


ミルに向いていた。


――一瞬。


景色は消える。


ミル

「……?」


ミルはレイピアを見つめる。


ミル

「温かいです」


ノワ

「……」


ノワは少し驚いた顔をしていた。


ノワ

「そう」


ミル

「不思議です!」


ミル

「ノワの武器です!」


ミルはまだ


レイピアをじっと見ている。


ミル

「……」


ミル

「かっこいいです」


ノワ

「はい。もうおしまい」


ミル

「もう終わりですか?」


ミルは少し名残惜しそうに言う。


ノワ

「終わりよ」


ミル

「もうちょっと見たいです」


ノワ

「ダメ」


ミル

「少しだけです」


ノワ

「ダメ」


ミル

「ドキワク武器です!」


ノワ

「それはあなたの猫じゃらしでしょ」


ミルはしぶしぶ手を離す。


ミル

「残念です」


ノワはレイピアを軽く振る。


シュッ


光がすっと消える。


ノワ

「それより」


ノワ

「ナナが呼んでるんでしょ?」


ミル

「あ!」


ミル

「そうでした!」


ミル

「朝ご飯です!」


ミルは走り出す。


ミル

「急ぎますよ!ノワ!」


ミル

「ドキワク朝ご飯です!」


ノワ

「……」


ノワは走り去るミルの背中を見る。


ノワ(心)


「……」


「強くならないと」


―――――


家。


リビング。


テーブルの上には


パン

ハムエッグ

サラダ

もちろんミルクも用意されている。


ナナ

「おかえり」


ルナ

「ちょうど出来たところよ」


ナナ

「さぁ手を洗って来て!」


ミル&ノワ

「「はーい」」


――


廊下の奥からパタパタと足音がする。


ミル

「戻りました!」


ナナの方を向いてビシッと敬礼ポーズを取る。


ノワ

「戻ったわ」


ナナ

「おかえりなさい。さぁ座って」


ミル

「はい!」


ノワ

「まるでお母さんね」


ミルとノワは椅子に座る。


ミル

「いただきます!」


ミルはパンを手に取る。


そして――


がぶっ


そのまま丸かじり。


ノワ

「ちょっと」


ノワ

「せめて切りなさいよ」


ミル

「大丈夫です!」


ミル

「おいしいです!」


ナナ

「元気でいいわねぇ」


ルナ

「朝からすごい食欲」


ミルはパンを食べながら言う。


ミル

「ドキワクお腹です!」


ノワ

「意味が分からないし、口に物入れながら喋らないの!」


ミル

「ふゅみまふぇんもあ」


ノワ

「分からないわよ!」


ナナとルナの笑い、


少しの静かな時間。


ミルは顔を上げる。


目がきらきらしている。


ミル

「今日も!」


ミル

「ドキワクいっぱいです!」


ナナ

「ふふ」


ルナ

「元気ね」


ノワ

「はいはい」


朝の光が


窓から差し込んでいた。


第十二話(前半)完

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