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5.忙しい合間の小休止

オティーリエはここのところ毎日、忙しい合間を縫って、夕食前の30分ていど、マージナリィの工房を訪れていた。

ちょっとした息抜き。


マージナリィからはすでに必要な情報は受け取っている。

ゼリルダは本当に7月末でホルトノムル侯爵領を出て行ったらしい。

マージナリィはその後もグライユル・ブランを見張っていて、さらに第二騎士団長を通じて各城門に通告も出しているけれど、それらしい人物が再度、城門をくぐったという報告はない。


それから、ゴリラ型ロボットに使用された魔法で強化された資材についても、輸入ルートがある程度絞れてきた。

いくつかの国から分散して、正規の販売ルートで板金扱いで領内に持ち込まれていた。

ただ、発送元は正規の商社で、その先が追い切れていない状況。

また、ゼリルダ、アベレアド、ロレンツィオについても調査中という状況だ。


「して、姫様は毎日、爺の所に来られて、何をされていらっしゃるのですかな?

 いえ、爺としては喜ばしい限りではあるのですが。」

「ご存じですよね?

 今、お城は大きなイベントが続くので、その準備にてんやわんやの大騒ぎなのです。

 ですので、このていどの息抜きは目を瞑って下さいませ。」


自分で淹れたお茶を飲みながら、オティーリエがお澄まし顔で言う。


「それはもちろん構いませんが。

 まあ、確かに今は城内にいては一時も気が休まらなさそうではありますな。」

「はい、そうなのです。

 ところで爺や、四足歩行ロボットの作成はどうなっていますか?」


唐突な話題転換だったけれど、マージナリィはその質問に、待ってましたとばかりに笑みを浮かべた。


「すでに設計は終えて、製作に取り掛かったところにございます。

 よろしければ、ご覧になりますか?」

「ぜひ、お願いいたします。」


食い気味に答えるオティーリエ。

胸の前で手を握り合わせて、その目はキラキラと輝いている。


「それでは、どうぞ、こちらにございます。」


マージナリィはお茶を一息に飲むと、オティーリエを工房の奥に案内した。

短いですが、爺やとの一時です。


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