第三章 第陸話「No.16 本田琴 / No.3 園原双次&No.11 雲野美優&No.9 篠原翔一」
※沢城琴を本田琴に変えていたことをここで
お詫び申し上げます。
以降は本田琴として活躍します。
時間がかなり空いてしまったので
また自分自身もどこまで進んでいるか
分からなくなってしまったので
あらすじを書きたいと思います。
ではどうぞ!
これまでのあらすじ(長いです)
実験室は“人と人との絆を確かめる”として
スイッチゲームを大規模に東西南北35人、
計140人を巻き込む実験を開始していた。
ミッション1では男のスイッチが効果無効、
女のスイッチのみ効果有りとなるその名も
【女尊男卑】を開始する。
岸谷龍牙はその渦中に主催者の監視役
としてスイッチゲームに参加していた。
折川彪に監視の連絡を講じていたが、
そこで田城結衣と遭遇。
ミッション2となる【誓約】を施し
その後会った来栖圭司に監視役であることがバレてしまう。
それを防ぐため岸谷はミッション3の内容と
なる優先権というのを発行した。
・
田城結衣と会いこのままでは
自分らが他の者に倒されてしまうのではないか?として、
本田琴は彼女と分かれ一人行動していた。
詳細に詳しくあのことについて書かれていなくて
本当に良かった…。
と半裸の身体を見回しながら思う。
群青色に染まる暗い夜の空。
林林に囲まれたこの地を踏み空を見上げる。
空は雲一つ無い。
だからこそ夜空が凄く綺麗なのだ。
でも…生きた心地がしないのはどうかなと思うが。
「私は…頭脳派だから呼ばれたのだけれど、
どうして翔一が巻き込まれるのかしら…。」
私、本田琴は故意的に参加したいわば
岸谷龍牙と同じ監視役としてここにいる。
彼の言う初めての人を巻き込んだ
…黒山勇が紛れたあの死のゲーム。
実は岸谷龍牙の彼女?幼なじみ?となる
佐々山美粋についての事件の関係者だったらしい。
簡単に言えばあの参加者全員が
佐々山美粋と接点を持っていた。
それも彼女がああなる前の日に会っていた。
だからこそ私も含めあのゲームは開始された。
…と龍牙は言っている。
じゃあなぜこの実験をする必要があるのか?
答えは簡単だった。
黒山勇がどうにかして佐々山美粋を
殺そうとしたとしよう。
それなのに彼は罪を訴えられる
こともなく平和に暮らしていた。
(それが判明したため実験という死のゲームを
考案して復讐しようとしたらしい。)
じゃあどうやって罪を訴えられず、平和に暮らせたか。
…協力者がいるのだ。
それをあぶり出すようにとそのため
今回の実験は参加資格を設けた。
“強い殺意を持つ者”
“消したいと思う誰かであること”
後者はその消したいと思った本人が
その第三者を強制的に参加させるというもの。
そうして参加資格を有した計140人を徹底的に調べた。
すると驚くことにその協力者?が出たという。
いずれはその協力者にも話を聞きたい所だが
結局のところ黒山勇を捕まえれば話は早いわけで。
『黒山勇が…捕まった?!』
実験開始前にその本人が警察に出頭したそう。
ドラッグをきめていたのか?何なのかは
分からないが記憶が混乱した状態で自白したそうだ。
それも不信に思ったために実験は続行することとなった。
『ミッションは最高でも5でストップする予定だ。
そして参加者の中にいるその協力者が
死んだ時点で実験は終了する。』
そう龍牙が言ったので私はすかさず疑問を投げ掛ける。
『死んでしまって終わり?どうして
捕まえて拷問するとか無いの?』
その問いに龍牙は。
『簡単な話だ。協力者は何かしらの力が
無ければ黒山勇を逃がす事は無かっただろう。
それだけ強い力を持っているなら最後尾まで生き残るはずだ。
人数が減ったところを捕らえる。
その前に死んだらそれだけの人生だったということ。
それにな恨みだけじゃ人は動かねぇ。
もう一つルールを付け足すさ。』
そうしてその話は終わった。
そうこう考えながら湖に出る。
試しに木を投げ入れるとポチャンとそのまま木は
その湖の中へ落ちていった。
暗いためか反射して中を見れない。
私は怪我を考慮してか木の下にそっと
置いてあった金属片を無表情で湖に落とす。
そのときだ。
金属片が湖の液体に触れると泡を
ぶくぶくと放出しながら消失したのだ。
(溶けた…?!)
溶けたのか?いやそんなはずは…。
そうこう思案しているとミッションの通達が届く。
ミッション2…【誓約】か。
私は彼を探し始めた。
・
篠原翔一は大きな丸太型の空間に目を覚ました。
目をすっと開けると奥に小さな女の子が
身体のあちこちが露わの状態で体育座りをしていた。
…ここは?
「うっ…うう…」
巨大な身体を前に起き上がると首の後ろに
何か銃のようなカチリという音共に突き立てられた。
…?琴は?龍牙は?
「跪けクズ野郎。
お嬢様に粗末な物を見せるな庶民がっ。」
後ろの少しハスキーで声で
何人か殺してるか分かる声で男が呟いた。
「ここは…手を挙げるのが正解か?」
俺はその返答を出しながら右横の電子パネルを操作する。
龍牙の言っていたものはこれだろう。
これを元にゲームをするのかと思うと声すら出ないねぇ。
「おい動くな。
その不潔な頭を赤く汚されたいか?」
「悪りぃな、俺はそんな脅しは効かないんでな。
…スイッチゲーム…?」
「殺されたいかっ?!」
ガチリとトリガーを引くような音。
これは本物の拳銃か。
ここでとうとう俺は両手を挙げた。
「今さら許すとでも?
殺されたくないならもっと早くやるべきだったな…」
俺は両目を閉じその来るべき瞬間を待とうとしていた。
だがその声は自分の目の前の幼女によって止められる。
「双次!」
そうじ?
すると後ろの男はふっと
我に返ったかのような声を出すと
「すっ、すみません!!お嬢様…」
ふぅ。万事解決か…。
「この人にはまだ何もされていません。
もしするようならその時点で発砲を許可します。」
なんてこったい。
幼女のこの子に何かした時点で殺されるのか。
まぁそんな性癖は俺には無いのでね。
そこはどこぞかのロリコンに任せるとしよう。
どうせ後ろの側近のそうじ?という男に撃たれるだろうが。
「…話して良いか?」
俺は恐る恐る後ろを向く。
するとそこには美顔の男の子の姿が。
でも目を見ればわかる。
訂正しよう。
男の子、ではない。男だ。
何人か殺してる目をこちらに向けてきた。
「なんだ?」
気迫に迫った声で呟く。
何かお嬢様に変なことをしたら
その脳天ぶちかましてやるぞ。
と言い足そうな目と身振りでそう呟いたのだ。
「ここに書いてあるのはルールなのか?」
「ああ。腰を見ればわかると思うが?」
そう身体を見ると半裸状態のまま腰にベルトと
ホルダーがついていた。
そのホルダーには黒い折りたたみ式携帯電話、
スイッチのようなもの。
そして手首に違和感があったので見ると両手首、
両足首、そして首にリングのようなものが嵌められていた。
「これは?」
「爆弾だ。そのスイッチを押すと起爆する。」
その続きの会話の答えとして俺は応えた。
…但し相手に向ければどるくらいかの範囲で
相手が爆発して自分は爆発しない。
予想で呟いたがすべて本当のようだ。
なら合点がつく。
と…言いたいのだが。
「何で俺は琴と一緒じゃねぇんだ?」
とため息をつきながら頭を掻く。
「次は私からの質問に答えて貰う。」
するとその男は呟いた。
うっ?と変な声が出たが気にしない気にしない。
「貴様は誰だ?」
「んあ?…色々と野暮があって
この実験に参加した者だよ。……あっ?
名前?ああ!篠原翔一だ。」
漢字も伝えながら呟くと
怪しいものではないな、としてその男と
裏の幼女も名前を言ってきた。
男の名前は園原双次、幼女の名前は雲野美優と言うそう。
後者の美優があるお嬢様で前者の双次が
そのお嬢様に仕える執事と聞いた。
自己紹介を踏まえつつその丸太型の空間に
双次を入れるとある意味ちょうど良い空間になった。
外は危ないとして俺がほぼ強制的に入れたのだ。
2人とも一応敵意は無さそうだ、として
くれたがどうなのだろうか。
…そこが疑問点だ。
「双次くん?」
「双次で良いです。」
オーケーオーケー、と言うと俺はそれを口に零した。
「お二人さんは俺のこと信用したわけ?」
「利用価値があると思ったから生かしているまでです。
またお嬢様から止められているので。」
利用価値ねぇ…と呟くと
今度は美優ちゃんが話しかける。
「先程、琴と言いましたが…どなたなのでしょうか?
それと何故一緒ではないのかということに
疑問を感じているのですが。」
ギクリ。
あまり人に悟られる事の無いように
行動しろと龍牙のに言われていたことが
今まさに的中する。
「あー…琴は俺の同棲相手であり
付き合ってる彼女だ。
後者の問いはすべては話せない。」
すると双次くんが激昂し何故話せないのか、
ということを目がキレたまま立ち上がる。
それを美優が止める。
「…あまり大声ダサナイホウガ良いぜ?
誰が聞いてるか分からないしな。」
篠原の言葉にぐっと唇をかみしめる。
すると取り乱してすみませぬ、として座り直す。
「すべては話せないが要点を言えば
…これを行っている実験室っていう
やつらの実験はこれが2度目。
1度目は俺の言った…彼女が巻き込まれた。
でもう巻き込まれるのは嫌ので」
「ついてきた、と。」
とその続きを双次くんがつづける。
それを聞き終わると美優ちゃんは一瞬暗い顔をした後呟く。
「それならここにずっと留まる訳には…」
「ああ、だから俺はこれから行くよ。」
そう立ち上がり丸太型の空間の扉に手をかける。
双次くんはスイッチを俺にむけたままだ。
「狙わねぇよ、生かしてくれたんだしな。」
としてその場を後にした。
・
「…お嬢様…ご無事でしたか?」
不審な男がスイッチを向けられながら
出て行った後、双次は呟いた。
「彼の言う通りですわね。
…はぁ。もう行ったかな?」
「気配はありません。」
すると気が抜けたように美優はへたり込む。
それをすかさず双次は支えるようにおさえる。
「敬語って疲れるんだよね
…敬語と言うよりはお嬢様言葉?」
「そんな感じでしょうか?
まぁどちらも可愛らしい姿でいらっしゃいますし、
どちらでも構いませんよ私は。」
そう笑う。
そうしているとピリリと携帯が鳴る。
ミッション2【誓約】が開始された。
というもの。
お互いが認めるものでパートナーとして誓うと言うもの。
「……ねぇ双次」
「はい。」
美優は自分よりも少し背の高い双次を
抱き締め唇と唇とを重ね合わせる。
「あのときのこと覚えてる?
私を檻から出してくれたのはあなた。
あなたは檻を壊してくれた、
だからあなたの檻も壊したの。」
「ええ、覚えていますとも。」
「だからこそ私は」
そう言って双次はその気を向けられた
方向にスイッチを押す。
「美優を守ると決めたのです。」
丸太型の空間より外側にいる何者かの爆発が起きる。
それを丸太型の空間から出て確認する。
すると後ろにもその“殺す”という気配を察知し
いち早く行動を開始する。
「押してみろ」
そう冷酷に相手に呟く。
そうしてその挑発に相手はそのまま押して―自爆した。
「効果範囲は確認済みだ。
殺るならばもう少し近づいた方が良い。
だが少しでも近付けば命はない。」
そう詰め掛かる相手に対して挑発しながら見る。
“たまたま”見つけた銃を手に持ち
スイッチを持った手を撃ち抜き負傷させたところの、
相手のよろめいた腹を右膝でめり込ませる。
そこで自分の状況を知った相手は地に伏せながら
必死に今自身の最後の手段であるスイッチに手を伸ばす。
「誰が触らせるとでも?」
その伸ばした右手を左足で踏みつぶす。
その目は空をうるさく飛ぶ蚊をただ叩き殺すように。
双次の目はただただ冷酷に満ちていた。
「私の“シアワセ”を
奪おうとするならばその存在は無くしたほうがいい。」
そして拳銃を左手に持ち、必死に涙を浮かべ
懺悔をぼつぼつと呟くそれの頭を目掛けて撃ち殺した。
パァンと乾いた音と異臭を背に自分の名前を
呼ばれたために振り向く。
「どうしましたか?お嬢様。」
そう満面の笑顔で銃をしまいながら言った。
これからも実験室をよろしくお願いします!
(時間がかなり空きすぎて申しわけありません!)




