第一章 第拾弐話「case7」
死んだはずの肉の塊になったはずの金村正樹が
手をロープに吊るされ血の池を作っていた。
勿論のこと異臭もするしこれは死体だ。
麗花さんは金村くんの手を確かめると
脈打ちはしていない、死んでるとそう言った。
雄二さんは意を決した顔で
金村くんのポケットをまさぐった。
壁一面には
『手紙ハ死体ノ中ニアル。』
と書いてあるし雄二くんの狙いもそうだろう。
そして雄二くんはポケットから綺麗な白い封筒を
とりだすとそれをポケットに入れ帰ろうとする。
麗花さんと俺はそれを止め疑いを持つ。
「なっ、なんや?」
「手紙を頂戴。
もしくは私と勇くんと同行して一度あっちに
大ホールに戻る。どれが良いかしら?
というよりは一緒に来てもらうわ。」
と麗花さんは雄二さんの手を引っ張ると
僕も一緒についていった。
皆の前で手紙を開けると中には
ちゃんと読める字で書いてあった。
名前だけ走り書きで金村正樹と書いてあるが。
・
「実験室」というグループは
生放送のチャンネルで
[ネットで見れるリアルタイム殺人動画作成グループ]
だった。メンバーは4人。
元々は自分達の面白動画を公開していた
グループチャンネルで大人気で好評をよんでいた。
だがある事件を境にそれが豹変しそのような
風になってしまった。
<メンバー>
リーダー 岸谷龍牙
主演 佐々山美粋
編集担当 坂城麗花
撮影担当 折川彪
・
読み終わった際には何もかもが理解出来ていた。
誰が参加者なのかも本当の黒幕なのかと
全てを知った。
麗花さんは走り出していた。
それを追うように他の人達も走りだそうとした。
そのときだ。
空間が歪んだ。ぐるりと一回転した。
眠い、とてつもなく眠い。
これは………?
そのときには何もかもが終わった気がした。
「今頃効かないでよ。睡眠薬」
頭が異常に重かった中僕はなんとか
その場所へと足を運んだ。
裁判場には貧血を起こしたみたいにぐったりとした
麗花さんがいた。
「れい………か…さん…」
「………ごめんね。」
と呟いた頃には麗花さん、
までもが息を引き取っていた。
皆が裁判場に揃うと僕はありのままのことを
話すと雄二さんがゆっくりと着ていたコートを
麗花さんに被せた。
「………。」
そのときモニターが動き赤い文字が炸裂した。
<罰:参加者規約罰則
対象:岸谷龍牙、坂城麗花>
岸谷龍牙が裁判場に連れてこられ
機関銃が龍牙を睨む。
そして乱射したそのとき、
裁判場に坂城麗花が入ってきた。
龍牙はそれに驚き麗花を庇いながら
100発1000発の弾丸を喰らい、
身が穴だらけになりそれが突如開いた床の穴に
落ちていく。
麗花は泣きながら言った。
『ごめんね…みんな。』
龍牙同様の弾を喰らいバタリと倒れた。
銃声は止んでいた。
・
驚きと最悪な状況に足がすくんだ。
参加者が2人死に、
これで強制参加者のみとなった。
いやそんな自分助かりじゃ駄目なんだ。
でも…と僕はその場にへたりこんだ。
『参加者は見事に死んだ訳だからそろそろ
本題に入ろうか。』
悲しみの中に響くピエロの声。
鮮明に響くその声はぎらぎらと
この場にいるものたちの心を削った。
イラつかせた。何が本題だ。
何がゲームだ。もううんざりだ。
『辛気くさい顔するなよ。
ルールの変更だ。
君達、強制参加者の中に1人だけ
参加者が参加するはめになった人物がいる。
自首してくれたらその人物以外解放しよう。
ただし、いつまでも出ない場合は
最後の1人になるまで殺しあってもらおう。
ではセカンドステージの
殺し愛するゲームの開始だよ。』
殺し愛のゲームは終盤を迎えることになる。
次回から第1章終盤へと突入します。




