第一章 第拾壱話「case6」
いただきまーす!
と言いたいところだがそんな気分も乗らず。
黒山勇と、吉沢学、本田茂は残った10人いや
何故か居ない岸谷龍牙を除いた9人とともに
食事を摂ろうとしていた。
トマトと鶏肉の炒め餡掛け合え、ミネストローネ、
フランスパンといったところだ。
料理を作ったのはその岸谷龍牙の幼馴染みだという
坂城麗花なのだが、味は…大丈夫………だよね?
「えっえと…いた……だきます。」
思いきって麗花さんにそう言い
スプーンでミネストローネをすくいゴクリと
口の中へと運んだ。
そして……
「えっ」
思わず黒山は声を張り上げた。
「美味しい……ですね…坂城さん!」
と石山成美がそう麗花さんに対して呟き
麗花さんはえへへと手で後ろ髪を
かくように照れている。
確かに。驚くほどに美味い。
野菜をじっくり煮込みそして野菜本来の
甘味がミネストローネというスープの味と香りを
引き立てている。
そしてもう1つのトマトと鶏肉の餡掛け合えに
箸を伸ばす。
鶏肉がトマトと甘い餡掛けに見事マッチして
美味しい。いや上手いことを言いたいのだが
本当に美味いとしか言いようが無かった。
他の面々も目を驚かせながら食べていった。
「坂城さん……これどんな感じで…」
「もう淳子さん。麗花で良いですよ♪
これはこの野菜を―……」
とまぁこんな感じで盛り上がり
静かだったご飯はいっそう盛り上がった。
・
しかし何時間経ってもいや
時計すらついていないから
時間は分からないが、
龍牙くんは一向に現れなかった。
そんなとき富岡くんが声を荒げて
図書室にいた人達を集めた。
「どうしたの?雄二さん。」
麗花さんはこんな過酷な中でも平気な顔を
しているが反対に雄二さんは真逆な顔で
上を見いと叫んだ。
「上?」
と麗花さんが上を見る。
本棚がずらりとあるなかで特に変わった様子は
………あれ?なんか一部光ってる?
「なんか光ってる…ようなぁ……」
と僕は思わず呟いた…のが失策だったようだ。
梯子を持ってきた、と茂くんが雄二さんに
渡し唯一光を見えた
(明らかに雄二さんは見えている。)
僕が梯子を使って見てくることにした。
大体ここから下の差は2m弱なのだが怖い。
上の光がある方に登って見ると
そこにはボタンのようなものがあり、
そしてそれに触れた瞬間、
光のある方側の扉のようなものが開いた。
中は空洞で暗い。
何か居そうな雰囲気を漂わすがそれは
明らかに部屋だった。
「へっ……部屋みたいなのがある!
茂くん!懐中電灯無い?」
「え!あ……ありますよ!
待っててくださいな!」
と、茂くんをこき使ったことにすまんと
心の中で謝りながら雄二さんにも、伝える。
「雄二さん!ここに部屋が!」
「部屋?!何のや!?」
「えーえと……それが―………」
そのときだった。
何か違和感を感じ部屋の中へと目を凝らす。
明らかに何かがいてこちらを見ているような
そんな気がした。
「勇さん!これ!」
と茂くんが投げてくれた懐中電灯を
キャッチして部屋の中へと足を踏み入れた。
部屋の中に電球があるみたいなので
それをカチリとつけた。
そこには信じられないものが。
「!!!!!!!!!!!」
自分でも信じられない程の悲鳴をあげた。
それを聞いた雄二さんや麗花さんが
梯子をつたって明かりのついた部屋に到着すると
同様な悲鳴をあげた。
そこには………
「なんで………?!!!」
『手紙ハ死体ノ中ニアル』
と血文字で壁一面に書かれた背景に
肉塊ではない金村正樹が手を
ロープで吊るされた状態がそこにはあった。
血の池がそこにはあった。
あのときぐちゃぐちゃになったはずの金村正樹は
その状態で静止していたのであった。




