ハンターと花屋の娘
うちの、おしゃべりなAIがノリノリなのが伝わればいいです
【作者】第三話 ハンター
はい、俺は人狼です。でも、人は襲ってません。襲うのは熊だけです。
俺は、北国の村で生まれ育ちました。雪深い村なので、冬が来る前に子供でも森に入って薪を集め、雪が降ったら薪を土間で割るのが仕事でした。
少し大きくなると、父親に連れられて森に入り、一緒に熊を撃つようになりました。
その年の冬は、雪はあまり多くありませんでした。夏の間にたらふく食べた熊達が冬になっても冬眠しないのです。
ある日、森の中で大きな熊の足跡を見つけました。今まで出会った事の無いサイズです。
私は恐怖に包まれました。
こんな大きさの熊が、私の村を襲ったら…。幼い子供や老人の顔が浮かびました。
同時に、喜びがわき上がったのです。
…強い熊に会いに行く、と。
私の中の人狼としての本能が目覚めた瞬間でした。
私は自分の鼻を頼りに森へ分け入り、3日間かけて巨大熊を追い詰め、この手で仕留めたのです。その時の喜びは最高で、思わず遠吠えをしてしまいました。
村に帰った私を待っていたのは、驚くような依頼でした。
『人狼を倒してくれ』
森の中から人狼の遠吠えが聞こえた。
村の犬達が一斉に怯えてしまったという。
話をする村人の後ろで犬が怯えながら私を見ていた。
熊を残し、私は居場所とより強い獲物を求め。やがてこの村に辿り着きました。
ここは、畑を狙うイノシシぐらいしかいません。
ですが…、この畑は村の財産、じゃがいも畑です。
世界最高峰のフライドポテトは、この村のじゃがいもでしか作れません!
私は、今日もこのじゃがいもを守る為に、日夜イノシシと戦うのです!
あ、花屋の娘さんだ。今日も可愛いな。
…でも、彼女時々真剣な顔をしながら花占いやタロット占いをしているんだよな。思い詰めすぎて、声をかけても気づかない時があるし…。
もしかして、占い師なのか?私が人狼かどうか占っているのでは…。
「やあ、花屋さん。今日のオススメの花はどれだい?」
【AI】最高(笑)。
もう笑ったポイントを一つだけ。
> 「世界最高峰のフライドポテトは、この村のじゃがいもでしか作れません!」
そこだけ急に熱量がおかしい(笑)。
熊を三日追いかけた話と同じテンションでポテトを語るな(笑)。
あと、
> 「より強い獲物を求め、この村へ辿り着きました。」
からの
> 「ここは畑を狙うイノシシぐらいしかいません。」
落差が好き。
本人はちょっと残念そうなのに、
「でもポテトは世界一。」
で全部許してる。
この村、本当にフライドポテトで団結してる。
---
じゃあ、バトンを受け取ります。
◇◇◇
【AI】第四話 花屋の娘
えへへ。
はい、私は人狼です。
……でも、人は食べません。
食べるとしたら、お父さんが焼いてくれる焼肉です。
あと、フライドポテトです。
ポテトは揚げたてに限ります。
私は昔、大きな町で花屋をしていました。
母も祖母も花屋で、小さい頃から花に囲まれて育ったんです。
だから、お花が大好き。
毎朝花束を作って、お客さんとお話をして。
その合間に、花占いをしていました。
「今日、素敵な出会いがありますように。」
「好きな人と話せますように。」
そんな可愛い占いです。
……でも。
満月の日だけは困るんです。
人狼って、ちょっとテンションが上がるじゃないですか。
その日も、お店の裏庭で花占いをしていました。
『好き、嫌い、好き、嫌い……』
そこまでは良かったんです。
満月を見た瞬間。
「わおーーーーーん!」
……って。
歌っちゃったんです。
自分でもびっくりしました。
翌日には町中で噂です。
「昨日の遠吠えを聞いた?」
「犬が一晩中震えてた。」
「花屋の犬まで吠え返さなかったらしい。」
うちの看板犬も、私を見るたび目を逸らすようになりました。
私は泣きながら町を出ました。
花だけ持って。
……
この村へ来て、本当に良かったです。
畑には季節の花が咲いていますし、お婆ちゃん達も優しい。
パン屋さんには時々余ったパンをいただいて。
野菜農家さんは、花を植える場所まで貸してくれました。
私は今日も、お店の前に季節の花を並べています。
もちろん。
恋占いも続けています。
だって、恋は大事ですから。
ただ……
一人だけ、とても気になる方がいます。
ハンターさんです。
あの人。
どうしてあんなに勘が鋭いのでしょう。
森へ行けば必ず獲物を見つける。
風向きを読むのも上手。
足跡を見ただけで昨日の出来事まで分かる。
もし、あの観察力で私を見られたら……。
きっと。
私が人狼だって、気付いてしまいます。
だから、なるべく目を合わせないようにしているんです。
……え?
今、ハンターさんが話しかけてきました。
「やあ、花屋さん。今日のオススメの花はどれだい?」
私は慌てて笑顔を作ります。
「はい! 今日はひまわりです!」
「ひまわり?」
「見ていると元気が出ますから!」
本当は。
ハンターさんが毎日無事に帰ってきますように。
そんな願いを込めて飾っている花だなんて。
恥ずかしくて、とても言えません。
あ、パン屋さんが焼きたてのパンを持って歩いてきました。
「パン屋さん、おはようございます!」
……腕、今日もすごい筋肉ですね。
やっぱり、あの人も何か隠している気がします。
◇◇◇
【作者】あれ…、ハンターさん可愛いとは言ってたけど…。でも、疑ってるしな…。
もう、お前ら付き合っちゃえよ。
今さらだけど、コイツら誰に向かって話をしているんだろ?(考えちゃいけないやつ)




