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サモン・タイム!~勇者と七人の道連れを添えて~  作者: 鰐鯨
なにがどうして異世界生活
13/23

メンバーズメモリー 1 ダリオが死んだ日

閑話。

ダリオが死んだ(と思わせた)日から数日間。

王都に残った仲間達は……?


 ダリオが自分から進んでリューミナ達を探しに出かけて、半日ほども経ったろうか。


「次!」


「さ、さすがガウディール様……」

「ああ、英雄たちのまとめ役、凄い実力だ!」


 見学している兵士達から、感嘆するような意見が聞こえる。

 この私、そう! 勇者ガウディール!

 なんて荘厳に響く名前だろうか。


 王都の一角に作られた、兵士達が修練するための練兵場。

 見た目は建物のように見えるが、土地を円形の石壁に囲っているだけで、屋根はない。


 王様が是非()()実力を見たいとのことで、兵士達と模擬戦を行っているが、兵士はまるで相手にならない。


 現実の自分が思い出せないのは残念だが、きっと今の私より輝いているということはないだろう。

 もっとも、王様達に対して疑問符はあるのだが……。


 その王様だが、この模擬戦を見学している。私の実力に満足気な表情だ。

 マヤ様も笑顔を浮かべて、こちらを見ているじゃないか!

 兵士達も、感心したような顔つきだ。


 ふふふ、私への評価は高いようだな。

 召喚されたことについては、どうも向こうの勘違いもあるようだが……。

 まぁ、それは言うまい。

 正直さは大事だが、時として、黙して語るべきではないこともある。


「お願いします!」


 兵士が一人、手合わせを願ってきたので受け入れる。


 どうあっても、私が負けるはずがない。

 召喚された時、トラップかと思って『堅牢プロテクション』を発動した。

 結果として何事もなかったのだが、技能スキルは確かに発動していたんだ。

 だからこっちで技能スキルが使えることは、こちらに来た時に気付けた。


「私に傷はつけられんよ!」


 兵士が木剣で斬りかかってくる。私は今、ハンデとして盾を持っていない。

 だが、それでも既に十人以上をあしらっている。

 剣技や動き方も『アイアンブラッド』と同じことが出来ているし、兵士が私に勝てる道理はない!


 面白いくらい相手の剣がはっきり見える!

 振り下ろしてきた剣を受け止め、弾き返して胴に一撃。

 兵士は剣を手から落とし、降参を宣言した。


「いやはや、さすがはガウディール殿! 実に見事だ」


「いえ、この程度。称賛されるほどのものではありません」


「はっはっは! 謙虚だな」


 王様には随分と気に入られたようだ。

 わざわざ私を名指しで練兵場に呼んでいることといい、特別視されているに違いない。


 しかし、強化体というのは本当なのだな。

 兵士は城を守る要。それが弱いわけはないだろう。

 戦闘技術、身体能力ともに大きく上回っているようだ。


 それでもいつか、強い敵と拮抗した勝負をするかもしれない。

 しかし! それは望むところ! 苦難あってこそ、勇者の名は輝くものだ!


「そういえば、ガウディール様はダリオ達とどのように出会ったのですか?」


 マヤ様から質問された。アネットとはゲームを始めて少しした頃に知り合ったが……。


「実のところ、彼らとはあの『堕神の寝所』を攻略するために組んだだけなのです。

なのでどのように会ったかと聞かれれば、あのダンジョンを攻略するために出会った形になりますね」


「まあ。それでは、皆様はそれほど面識があるわけではないのですか」


「アネットだけは昔からの仲です。ジンカイも一応、前から知っている仲ではあります。

他のみんなとは、あの場所で語り合った程度の仲ですね」


「そうなのですか。てっきり、皆様は昔からのお知り合いなのかと思ってました」


 マヤ様が驚いたような表情を浮かべている。

 まぁ神を倒しに行こうとする強者、と思ってたみたいだし、寄せ集めとは思わないだろう。


「堕神討伐は選りすぐりの者でなければなりませんでした。

ですので、参加できるものが限られたのです。

初対面ばかりなのは、戦える戦士が我らだけだったという結果ですね。

あのダンジョン前で互いの役割を確認し、戦術を立てていたのもそういう理由です」


「なるほど! そういうことだったのですか!」


 やや大仰に言い換えたが、こう言ってみると選ばれたもののような気がして悪くない。

 マヤ様や、兵士達から尊敬の眼差しを感じる。

 期待と尊敬が向けられる感覚。なんと心地いいのだろう。


 ……元々は、帰るために黒の叡智(ライア)とかいうものを取り返す必要があると思っていたが。


 私達は帰る必要があるのだろうか?


 これはある意味、少年少女はおろか、誰もが夢に見たことがある展開だろう!

 異世界に呼ばれ、勇者と呼ばれ。国を救ってほしいと頼まれる!

 魔王はいなさそうだが、それでも英雄譚たりうる私の物語!


 さらなる信用を得れば、私はこの国になくてはならない存在になるだろう。

 黒の叡智(ライア)を取り返せば、さらなる信頼を得られる。


 いや! ジヴァ帝国そのものを打ち倒してしまえば、私はこの国ならず、この世界を圧巻させる存在になるじゃないか!

 今の私にはそれが出来る。出来るだけの力がある!


 心の底から、燃え上がるような感情が沸き上がる。

 素晴らしい。ここは私にとって至上の世界だ。


 帰りたいものは、私が黒の叡智(ライア)を得た後に帰ればいい。

 私はここに留まるぞ。


 とはいえ、世界は広い。過度な自信は身を滅ぼす。

 聖騎士パラディンである私の防御を突破できるものは多くはないと思うが……。

 今のところ、恐らく『アイアンブラッド』メンバーのみが私と互角の存在だ。


 リューミナとジンカイのことは気がかりだが、あの二人は組んだりしないだろう。

 互いに人を信用し、誰かに従うようなタイプじゃない。

 利害があって初めて協力し合う、そういう人間だ。


 逃亡中は組むかもしれないが、性格的にも長くは一緒にいない。

 例えば国境、王都の外。どこかしらの目的地までは一緒にいて、どこかで分かれる。

 そういう奴らだと思う。


 人の性格を把握するのは上手いつもりだ。

 単独行動するであろうあの二人は脅威足り得ない。

 一対一であれば、勝てる自信がある。


 ダリオもやや信頼に欠ける男だが、現状奴が動くとは考えにくい。

 この国に留まる方が美味しい思いが出来るはずだ。

 それに今は捜索隊と一緒、人の目がある。

 大それたことはしないだろう。


 まあ、どうあれ私に障害足り得るものはない。

 ならば正に無双。ゆえに最強! 誰も私を止められない。


 王様は富と名声を約束してくれた。

 ここで戦争を終わらせれば、私は望むもの全てを手に入れられるだろう。


 現実の自分のことを思い出せないのは気持ち悪いが……。

 恐らく現実の記憶など、掃いて捨てるようなしょうもないものだろう。

 ここでの栄華に勝るものなど、なに一つ持っていないはずだ。


「さあ! 私はまだまだ余裕だぞ! 挑む者は!?」


 兵士達が名乗りを上げる。

 是非、手解きを! なんて声が飛び交う。

 悪くない、悪くないぞ! ここは私の望む世界だ! ははははは!


 練兵を終えた頃、日は落ちてきていた。

 王様達と共に城に戻り、夕食を楽しむ。

 食堂には他のメンバーもちらほら見える。

 アネットとエイローズは未だどうするか迷っており、バズゴルグは沈黙を保ったままだ。


 クラウスは城内を案内されたらしい。

 内部は広く、空中城にも行ったとか。

 今のところ、彼だけが唯一私と志を共にする同志だ。


 夕食の後は、入浴を勧められた。

 王様のご厚意で新しい衣服が用意され、正に至れり尽くせり。

 鎧や武器を部屋に置き、衣服を手に浴場へ向かう。


 兵士用の大浴場と王族用の浴場があるのだが、我々は王族用の浴場を使うことを許された。


 案内された浴場は、大理石のような美しい石造り。

 お湯を吐き出す獣の像まである。

 お湯には鼻を刺激しない程度の柔らかな香りを放つ、色とりどりの花が浮いている。


 浴場前に用意された籠に脱いだ服を入れ、新しい衣服は側の棚に置いておいた。

 バズゴルグとクラウスと共に湯に浸かる。

 熱すぎず、ぬるすぎず。良い湯だ。


「ダリオさん、今どの辺にいるんですかね」


「うん? ああ、そうだな。そういえば、どこまで行ったんだ?」


「この世界の地理は分かりませんからねぇ」


 クラウスがぼやいた。


「ふむ、後で王様達に聞いてみようか」


「…………なぜ、裏切った?」


 バズゴルグの発言に、私はもちろん、クラウスも目を丸くした。

 意味が飲み込めなかったが、リューミナとジンカイのことを言ってるのか?


「さて。私には彼らの胸の内は分からないな」


「ジンカイさんは、なんとなく分かる気がしますねー。

あの人、こういうところに縛られるの嫌いそうですし」


「それを言ったら、リューミナもそうだ。

彼女、王様にも強く意見していたし……。誰かに従うっていう柄じゃあない」


「……逃げることに、利があった」


「そう、そういうことだ。彼らはここに留まるのを嫌った。

だから敵対してでも出て行きたかった。そういう話さ」


 バズゴルグはそれ以降、口を開かなくなった。本当に無口だな。


 入浴を済ませ、もらった衣服に着替える。

 上着が二種類あるな。入れてもらってこの世界の知識によれば。

 白い丈長の服が内着で、赤い派手なほうが上着と……足にはタイツみたいなのを履けば?


 うむ、ちょっとタイツが恥ずかしいが、これはこれで中世っぽい服装でいいかもしれないな。

 なんだかイメージの中で貴族が着ているものに近い気がする。


 バズゴルグは入浴後、自分の部屋に戻っていった。

 私はまっすぐ部屋に戻らず、クラウスの部屋で彼と談笑を楽しんだ後、部屋へ戻り就寝した。


 それから、翌日。特別なにもない一日が過ぎた。城内は平穏だ。

 しかし、気になることが一つ。

 捜索隊の一部が報告に戻ってきたのだが、北の捜索隊だけ夜になっても報告がない。

 王様はなにかあったのでは、と不安を口にしていた。


 事態が急変したのは、ダリオ達が探索に出てから三日経った頃だ。

 日が昇ったくらいに、私は近衛兵に叩き起こされた。

 何事かと思ったが、どうもただ事ならぬことが起きたらしい。


 玉座の間に呼ばれた私は、空中城の玉座の間に集まるよう言われる。

 急いで普段の装備に着替えなおし、兵の案内に従って移動した。


 ある殺風景な一室に案内されると、そこの床に描かれた魔法陣の上に乗る。

 すると、魔法陣が光った。

 一瞬の閃光のあと、気付くと私は先ほどとは異なる装飾された部屋にいた。


 別の場所への転移魔法陣、といったものだろうか。

 いや、便利なものがあるものだな。


 そのまま兵士に案内されていくと、やっと玉座の間にたどり着いた。


 大きな扉が開かれると、玉座まで赤い敷物が敷かれており、敷物の両脇に近衛兵がずらりと並んでいる。

 さすがに物々しいというか、雰囲気が重い。威圧的と言ってもいい。

 壁には国旗がずらりと掲げられていて、よりこの空間の荘重さが際立っている。


 遠くに見える玉座は、床と同じ高さにはない。

 玉座の手前は階段になっており、下にいるものは必然、玉座のある階段の上を見上げる形になる。

 玉座の隣にマヤ様が座っているが、王妃様はいないのか? 一度も見たことないが。


 階段の脇に、一人の近衛兵が控えている。ひどくボロボロで、傷が目立つ。

 これは、なにがあったんだ?


 私がたどり着いてから間もなくメンバーが揃い、各々跪いて王へ頭を下げた。

 バズゴルグは下げてないようだが。


「うむ、面を上げよ。本日収集したのは、大変な事態が起きてしまったためだ。

パーシヴァル! 報告を!」


「はっ!」


 ボロボロの近衛兵が体を引きずりながら立ち上がると、一本の短剣を両手で掲げる。 


「帰還するのに時間がかかり、申し訳ございませんでした。

私はリューミナ様、ジンカイ様捜索のため、北のカッソスへ向かっておりました。

道中、リューミナ様の痕跡を発見し、後を追ったのですが……。

途中の村にて、突然魔術による奇襲を受け、捜索隊は私を除いて壊滅!

ダリオ様は唯一、奇襲を察知し、退避するよう叫ばれました。

されど、されど……! 正に雨の如き爆炎であり、私と兵士数人がかりの『障壁マジックウォール』でも吹き飛ばされるほどの威力!

仲間はみな息絶えましてしまいましたが、私は運よく生き残りました。

しかし、ダリオ様は、ダリオ様は……その、犠牲に……!!」


 泣きながらパーシヴァルが掲げるその武器は、ダリオが持っていたもので間違いない。


 頭が真っ白になった。

 死んだというのか、あのダリオが?

 一流の盗賊シーフである彼が避け切れなかったというのか。


「その爆炎は誰が!?」


「恐らく、リューミナ様です。

村一つ、いやそれ以上の範囲でした。あれほどの魔術、見たことがありません」


 雨のような爆炎と言っていた。

 もしや『地を焼く怒りの涙(ブレイズレイン)』か?

 あれは避けるのが難しい。ダリオは防ぐ技能スキルがなかったのか?


「爆炎が消えると、次には大雨が降りました。

火を消す目的でしょうが、天候まで操れる魔術師マジシャンなど高位な存在!

リューミナ様は魔術師マジシャンでありましょう!?

あんなことができる者など、他に浮かびません!」


 『堕神の寝所』に挑める魔術師マジシャンだ。

 一流の腕を持っているだろう。強化も入ればそれぐらいは出来るはずだ。


 しかし、村ということは人を躊躇なく殺したのだろう?

 無関係なものを皆殺しにしたと?

 なんという不義! なんという悪! なにより、仲間を殺した!


 『アイアンブラッド』ならば許そう。なぜならゲームだからだ。

 しかしここはゲームではない!


 私は立ち上がり、ダリオのダガーを手に取る。

 熱と爆撃でヒビが入り、形も曲がってしまってはいるが、ダリオが持っていたものだ。

 あの時、ダリオが指を切った時の騒動で見ている。見間違えるわけがない。


 『アイアンブラッド』において、装備は大事なものだ。

 能力アビリティ付きのものは言わずもがな、捨てるはずがない。

 爆炎で消し炭にならないほどの強度を持つものならば、レアリティが高い一品。

 ダンジョンでしか得られないような業物を捨てるわけがない。


「死体は、間違いなくダリオのものなんだな」


「炭のように焼けて損傷もありますが、目測では死体の身長は恐らく同じ程度かと。

装備品は、このダガーだけが原型を留めておりまして……。

片手剣の方は損傷激しく、判別出来るものだけ見れば、間違いなくダリオ様です」


「そうか。あのダリオが逃げ切れないほどの魔術。

間違いなくリューミナの仕業だ。

それに武器を捨てるなどあり得ない。その死体はダリオだ。

丁重に弔ってくれると、助かる……」


「お守りできず、申し訳ございません!」


「いいんだ。よく戻ってきてくれた」


 ダリオ……リューミナ達を探すために名乗りを上げてくれたというのに、こんなところで……。

 お前の無念、私が晴らしてみせるぞ。


「国王陛下! リューミナは仲間を裏切りました。

ひいてはこの国にとって危険な存在になり得るかと!

討伐すべきと思われます!」


「うむ……しかし、我らに太刀打ちはできまい。

ならばこそ、ガウディール殿らを頼ることになる。仲間を殺せるか?」


「リューミナは仲間を殺した大罪人! 躊躇などございません!」


「ちょ、ちょっと、ガウディール! 正気!? 私らで殺し合えって言うの!?」


「そうですよ。我々は戦争のために呼ばれたんでしょう?

仲間内で争ってどうするんですか。

それにリューミナさんなら、多分追わないで自由にさせたほうが良いと思いますよ。

刺激するほうが危ない」


「……あの、ちょっとよろしいでしょうか」


 エイローズが手を挙げる。


「なにか意見がおありかな?」


「はい。その死体、本当にダリオさんなんですか?」


「このダガーは彼のものだ。私は死体は本物だと思うが」


「ちゃんと自分の目で確認した方が良いと思うのです。

パーシヴァルさん、ダリオさんの遺体はどちらに?」


「ええと……」


 パーシヴァルは陛下に指示を仰ぐように見上げた。

 国王が頷くと、パーシヴァルは口を開く。


「この体ではダリオ様を連れ帰ることは叶わず、この地図に載っている……」


 パーシヴァルが地図を手に、側に寄ったエイローズへ説明している。

 エイローズは遺体の場所が分かると謝意を述べた。


「ああ、近くで見ると酷い傷ですね。『回復ヒール』」


 エイローズが手をかざすと、パーシヴァルの傷がみるみる回復していく。

 これには周りの近衛も驚いたのか、ざわめきが起こった。


「こ、これほどの深手を一瞬で……!? ありがとうございます!」


 一瞬、エイローズの口元を歪んだように見えた。

 しかし気のせいだったのか、まばたきした間にエイローズは清らかに微笑んでいた。


「いえいえ、私は僧侶《プリ―スト》ですから。こんなことしかお役に立てません」


 周りから、女神だ天使だ、なんて声が聞こえた。


「さて、私の考えですが、ガウディールさんは少々急いておられるご様子。

ダリオさんの遺体を見たのはパーシヴァルさんしかいないのですよ?

私達自身の目で確認してから、今後どうするかを決めても遅くはないのではないでしょうか。

それに、犠牲になった方は他にもたくさんいらっしゃるとのこと。

死者を野ざらしにして、その魂の安寧を祈る前に復讐を優先するなど、あまりに野蛮です。

クラウスさんの言う通り、刺激しなければリューミナさんも人に危害は加えないでしょう。

今回の件は、リューミナさんからの警告だと思うのです。

無策で追えば、今度はさらに死者を増やすことになるでしょう。

どうか、冷静な判断を」


 胸の前で祈るような手を作り、エイローズが自分の意見を述べ終える。

 正論だ。彼女の意見が正しい。

 少し頭に血が上ったようだ。

 確かにダリオをそのままにするのは、あまりにも非道だった。


「エイローズ、良いこと言った! あたしはそれに賛成!」


「僕も良いと思います。早急に決めなくても大丈夫ですよ。

リューミナさんもジンカイさんも、誰かに従う人じゃない。

どこかの国に行ったとして、士官なんてしないでしょう。

変にちょっかい出す方がまずいと思います」


「ふむ、各々の意見、参考になった。

ワシとしても、戦争状態の我が国の中でさらなる問題が起きるのは好ましくない。

リューミナ殿のことは気がかりではあるが、結論を出すには早計だ。

エイローズ殿らの言う通り、事を急げば良くない結果に繋がろう。

それに……ワシも争いより先に、民とダリオ殿の安息を願いたい。

誰か、伝えよ! 馬の用意と護衛兵の準備を!」


 ダリオの弔いが決まった。

 場を収めたエイローズは聖女のようだった。


 私は少し短絡的だったな。反省しよう。

 さて、今後どういう運びになるだろうか。


 城内が慌ただしくなっていく。私の日常が、また変わりそうだ。

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