第7話 人間の住む街。
ドヴェル族の街を後にして、僕達はその先にあるミッドガル地方へと向かった。
街へ辿り着くと、そこは、ドヴェル族たちとは違った陽気な雰囲気で、旅人である僕らは快く歓迎される。
「スート様、人間が沢山いますね。 なんだから私、人混みに酔ってしまいそうです」
「大丈夫? それなら、少し休憩しようか」
「じゃあ何か食べる? 財宝を少し持ってきたからお金なら沢山あるわよ」
ファフが数枚の金貨をこの街で使える通過にして、僕達は少し休む事にした。
換金してから誰かに後をつけられている……。
心配はいらない、僕にはこのソードと、戦える仲間がいるのだから。
「いよぅ。 ガキにしちゃあ、随分と羽振りがよさそうじゃねえか」
「僕たちの後を着けてたのは、お前達だな」
「ほう、気付いてやがったか。 なあ、金を寄越せ」
「へへっカワイ子ちゃん二人も俺達の遊びに付き合ってもらうぜぇ?」
絡んで来たのは、ガラの悪い二人組。
冒険をしてきた僕にとっては大した事のない相手に見えた。
「ソート様のお手を煩わせるまでもないですね、ここは私が」
「おっ? 嬢ちゃんが相手してくれるのか?」
「へへっ透き通るような肌だなぁ。 楽しませてもらうぜぇ」
「なんだ? 手から氷が……」
「ぐあああっ!」
「私は氷河の精霊アイシス。 身を切り裂かれるような苦痛を私の魔法で味合わせてあげます!」
「そこまでだよ、アイシス」
僕はソードに力を込めてアイシスの氷を溶かした。
絡んできた二人は「覚えてろよー!」と捨て台詞を吐き、どこともなく走り去って行く。
「あのような下劣な輩……もう少し痛い目を見ても良かったですのに」
「無益な争い事は避けた方がいい。 この街で留まるつもりもないけど、敵はいないにこした事はないからね」
「流石ソート様! 聡明な判断です!」
「私が言うのもなんだけどさー。 人間の欲って、時には神にも届きうるの。
まあ、あの二人がどうこうじゃないけど、人間には気をつけなさいよね?」
全くその通りであると、僕は思った。
と言うのも、以前この街を訪れた時は人間に絡まれて散々な目にあっていたからだ。
「アイシスも少しは発散出来たみたいだし、それじゃあ次の街へ向かおうか」
「ちょっと待って!」
ファフが僕たちを制止する。
何が起こったのかと思えば、何故かこちらへと近づいて来る大きな影……。
それに、その人物の影に隠れて、美しい女性……思わず見とれてしまう程、魅力的な女性が真っ直ぐ僕らの方へと向かって来ていたのだった。




