第6話 王女ファーフナーとの戦い!
「うふふ、さあ、猛毒のブレスを喰らいなさい! この洞窟の中じゃ回避なんて出来ないわよ!」
「僕にはこのソードがある! うおおおおおお!」
ソードに力をこめると、赤い炎が刀身に纏い、ファーフナーの猛毒のブレスを焼いていく!
「私のブレスを焼いて猛毒を無効にしている? その剣、ただの剣じゃなさそうね!」
「そうだ! もう君の好きにはさせないぞ!」
ソードを強く握りしめ、接近してファーフナーを叩く!
刃は通らなくても、打撃によるダメージは確実にファーフナーの力を蝕んでいた。
そして……ソードの熱によりファーフナーの竜の鱗が溶け始めていく。
「そんな……こんな事があって堪るか!」
ファーフナーの渾身の一撃が襲ってくる。
しかし、僕はがっしりとソードでそれを受け止めた!
熱で溶けた鱗が燃え上がり、ボロボロとファーフナーの体が崩れ落ちていく……。
やがてそれが燃え尽きると、邪竜の体の中から一人の少女の影が陽炎の如く揺らいでいるのが見えた。
「ファーフナー王女!」
声を掛けると、ヨロヨロと彼女が僕の前へとやって来て、膝を付いた。
「呪いが溶けた……私はあのままでもよかったのに!」
「あのままでもよかった? どうして?」
「私は宝が好き! だから宝を守れるあの体の方が良かったのよ!」
「何を言っているんだ……」
「私の宝を燃やし尽くした……あなたには!」
炎は財宝へと燃え広がり、金貨も宝剣も、宝石ですらも焼いて飲み込んでいく。
「王女、あなたはただ、騙されていただけだ! あんなものは、ただあなたの目をくらませるだけのガラクタに過ぎない!」
「ガラクタですって!?」
「そうだ! だって、あんな宝よりも……ファーフナー王女!
貴方の方がよっぽど、美しく尊い!」
「なっ……! 私が……美しい……?」
ドヴェル族では髭の生えた女性の方が美しいとされている。
しかし、ファーフナーにはその髭は一本も生えてはいなかった。
「王様は……あなたの事を、自慢の娘だと言っていた!
きっと、あなたの本当の美しさを王様は知っていたんだ!」
「本当の私の美しさ……」
「僕の名はスート。 ムンスペルス族のスートだ! ファーフナー王女、僕はこのソードに誓って、あなたが美しいと宣言する!」
「うふふ、なら……隣にいても嫌じゃないわよね?」
「えっ?」
「私は邪竜になってたのよ? 今更街の皆と仲良くなんて出来ないわよ!
だから、呪いを解いた責任取って、私を連れて行きなさい!」
彼女との問答をしているうちに、気を失っていたアイシスも目を覚ました。
すぐに状況を察してくれたアイシスは彼女に告げる。
「私が言えた事ではありませんが、スート様の旅はとても危険ですよ。
身を守る術はあるんですか?」
「邪竜の力を者にしたわ! それに……私には魔剣の力が宿っている!」
そう言って、彼女は腕を振るうと、邪竜の禍々しい魔力と共に、衝撃波が洞窟の壁を切り裂いた。
「分かりました。 ファーフナー王女……いいえ、ファフ! 私達と一緒に参りましょう! スート様の故郷、ムンスペルス族の里へ!」
こうした僕達の旅に、新たな仲間、ファフが加わった。




