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家庭教師の1年間  作者: マック アダソン
第二章 英検の勉強
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③ 緊張の試験当日

英検三級の試験当日、私はいつもより早く目を覚ました。

 目覚まし時計が鳴る前だった。

 布団から起き上がると、真っ先に英検のことが頭に浮かんだ。前日の夜に準備した受験票を確認し、鞄の中も何度も見直した。忘れ物はないはずなのに、なぜか落ち着かなかった。

 試験会場は学校だった。

 毎日通っている場所のはずなのに、その日の校舎はどこか違って見えた。廊下を歩いていると、周囲の生徒たちも普段より口数が少ないように感じられる。参考書を開いている者もいれば、最後まで単語帳に目を落としている者もいる。

 私も単語帳を開いていたが、文字を追っているのか、それとも自分の不安を紛らわせようとしているのか分からなかった。

 やがて試験開始の時間が近づき、教室の空気は少しずつ張りつめていった。

 問題用紙が配られると胸の鼓動が急に大きくなった気がした。深呼吸をして問題用紙を開く。

 最初のうちは緊張で文章が頭に入ってこない。

 しかし問題を解き進めるうちに、不思議と少しずつ落ち着きを取り戻していった。

 家庭教師と何度も確認した単語や、繰り返し解いた文法問題が頭の中によみがえってくる。

 問題集に赤ペンで印を付けながら勉強した日々も思い出された。

 気がつけば目の前の問題に集中していた。

 試験終了の合図が鳴った時、ようやく肩の力が抜けた。

 できたという確信はない。

 それでも何も書けなかったわけではなく、今の自分にできることはやったという気持ちは残っていた。

 だが不安は消えなかった。

 試験が終わったからといって結果が出たわけではない。自己採点をするまで、本当に合格できるかどうかは分からないのである。

 帰り道の景色を眺めながらも、頭の中では問題の答えを何度も思い返していた。

 あの問題は合っていただろうか。

 あの単語の意味は間違えていなかっただろうか。

 考え始めると次々に不安が浮かんでくる。

 期待と不安のどちらが大きかったのか、今ではもう覚えていない。

 ただ、自宅へ着くまでの時間がいつもより長く感じられたことだけは、今でもはっきりと覚えている。


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