表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
亡国の姫は生活魔法で快適に暮らしたい  作者: 甘くないオクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
7/11

洗濯自動化魔法

「はあー、お腹いっぱい」


 私はお腹をさすった。それを見たイルが、お皿を片付けながら言う。


「満足したら着替えてくださいよ、ディア様。制服汚れてますから」


 言われて、私は着ている制服を見下ろした。


「うわ、本当だ。最悪」


 白い制服のところどころに泥が跳ねている。気づかなかった。


 立ち上がって全身をよく見ると、お尻の部分の汚れがすごい。王子と魔法陣を使う使わないで争ったとき、尻もちをついたからだ。


 あ、これ、もしかして自分で洗わないといけないやつ?


 ちらっとイルを見る。


 (イル、洗ってくれないかな〜)

 

「ねえ、イ——」


「ちゃんと自分で洗えよ、ディア」


 私の斜め前に座っていたハルが私の言葉に被せて言う。


「まだ何も言ってないでしょ」


「イルに洗ってもらおうとしてただろ。魂胆が見え見えだ」


 その通りだけれども。

 私は頬を膨らませた。


「そんな顔したって、俺は騙されないぞ。なんのためにお前に侍女をつけないで暮らさせてると思ってる。一人で身の回りのことができるようにするためだぞ」


「だってさー、洗濯面倒なんだもん」


「お前はなんでも面倒くさがりすぎだ」


「まあまあ。ディア様も今日は疲れてるし、制服くらい俺が洗いますよ」


 イルがハルをなだめる。

 けれど、ハルは首を振った。


「だめだ。イルはディアを甘やかしすぎだ。ディア、イルは従者じゃなくて護衛だからな」


 ぐう。そう言えば王都で暮らし始めるときにそんなことも言っていたな。


 仕方ない、自分でやるか。


「洗濯魔法作ろうかな」


「嫌な予感しかないんですけど」


 イルがぞっとした顔で言う。


「洗濯魔法? 面白そうだな」


「面倒なのが増えた」


 ハルが身を乗り出してきて、それを見たイルが呆れた様子で言った。




 私は手早く制服から着替えて洗濯場に移動する。


 洗濯場にはすでにハルがタライを出して待っていた。


「で?どんな魔法にするつもりなんだ」


「うーん、渦の水流を作って、洗濯物をこの中でぐるぐるかき混ぜる感じにしよう思ってる。水流と、布同士の擦れで汚れを落とすの」


「へえ。じゃあ、水生成だけじゃ足りないな。循環の紋様もいれるか」


「そうそう、それ」


 さすがハルだ。

 昔、一緒に魔法を作っていただけのことはあって、理解が速い。


 言いながら私は魔法陣を描く。


「循環って、水流拘束とかで使うやつですよね」


 いつの間にか洗濯場に来ていたイルが上から覗き込んでいた。


「そうだよ。洗濯物かき混ぜるのにぴったりじゃん」


「拘束魔法を洗濯に使うなんて……」


 イルが驚きなのか呆れなのかよくわからない反応をする。


「ほら、イルも魔法陣描くの手伝えよ」


 反対側から描いていたハルが言う。

 イルは仕方なしにハルと私の間にしゃがみ込んで描き始めた。


 描き進めていると、ふとハルが顔を上げる。


「これ、回転速度どれくらいにするんだ?」


「2秒で一周くらい?」


「速すぎないか?服が破れると困るだろう」


「じゃあ5秒」


「了解」


「ちょ、ちょっと待って!二人で話進めないでくださいよ。回転速度ってどうやって指定するんですか」


「そりゃ、ここの紋様をこうやって変えるんだよ」


「はあ?こんなとこ変えたことないですけど」


 ハルが教えると、ぶつぶつ文句を言いながらもイルはきちんと描いてくれる。


「よし、こんなもんか。じゃあ試しに回してみるか?」


「うん。イル、服貸してよ」

 

 私はハルの言葉に頷いてイルの方を見ると、イルはぶんぶん首を振る。


「なんで俺の服なんですか。タオルでやってくださいよ」


「お前の服、丈夫だろ」


 ハルが加勢する。


「やっぱり面倒なのが増えてる……!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ