さあ、出発です!
「そういや、ウルミラージェ。君の名前は少し長いだろ?
さっきフラとも話したんだが、略称のウルって呼んでいいか?」
どうやら、シモンとフラが待機中に話し合っていたらしい。
「はい!是非そうしてください!
皆さんのことも、シモンさん、フラさん、ロランさん、ジルさん、ニコラさん、ジャンさんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」
「あぁ。俺たちは構わないぜ。で、アルのことはなんて呼んでんだ?俺たちは各々、アルとか隊長とかだけど。」
「あ、えーと、アルヴェール様と…」
シモンがアルヴェールを見ると、無言だが頬に不服と書いてあるのがなぜだか見えた。
「あぁ~なんだ? ウルも、アル呼びでいいじゃねえか?なぁアル?」
シモンはアルの気持ちを汲んで、そう提案したところ、
アルは表情すら変えずとも、尻尾まで生えてそれをブンブン振っている様まで見え始めてしまった。
あいつわかりやすいな(笑)
「では…アル隊長でいいでしょうか?」
アルの顔色を伺いながら、ウルは発言した。
先ほどの圧もあったため、恐る恐るだ。
「……隊長はいらない。」
「ぃやぁ…しかし…」
圧が怖い!!
んん~でもっ…んんん~~
はぁ…
「……承知しました……」
またまたウルの惨敗だ…
「ねえウル、俺は同級生だし、さん付けは不要だよ。」
二コラが敬称はいらないと言ってきた。が、
「二コラさんは同級生でも年上ですし、やはり敬称を使った方が…」
「え?二コラとウルは同い年じゃないの?」
と、ロランは驚いた顔をしている。
「はい。私は士官学校を飛び級で3年間で卒業しているので。」
本来5年生の士官学校をウルはわずか3年で卒業しているのだ。
「ウルが士官校に入学してきたのが3年生からだったから、それはみんな当時は驚いたよ。」
二コラが当時話題だったと隊員に話す。
「え?じゃあウルは今24歳?」
ロランが独自で計算をしてウルに聞いた。
「いえ、私は現在23で今年24になります。高等学校も1年飛び級だったので、士官学校に入ったのが18になる歳からで…」
「すっごいじゃんウル!!めっちゃ頭いいんだね!」
ロランが興奮気味にすごく褒めてくれる。
「ロランさん。そんなにハードルを上げないでください!」
褒めてくれたロランの気持ちが嬉しいが、頭がいいのと仕事ができるのはイコールではないことはわかっている。
そんなやり取りをしているうちに、飛行機の最終確認が終わったようで、
隊員たちの耳の後ろに張り付けている通信デバイスから搭乗準備の号令が下された。
シール型で骨伝導タイプの通信デバイスの為、全身毛だらけのウルには貼り付けられず、ウルだけ第6部隊のときに作ってもらったピアス型のデバイスを耳の根本近くに装着している。
カミラの提案で黄色い星の形をした可愛いデザインだ。
デバイスに可愛いが必要なのか当初は疑問に思ったが、今は気に入っている。
「さあ、お前ら搭乗だ。行くぞ。
ウル、蓋を閉めるから頭を下げろ」
立ち上がったアルヴェールがみんなに号令をかける。
「アル隊長、ありがとうございます。」
と、ウルを運んでもらうのでお礼を言うと、アルは違う。と一言静かに放った。
ウルは慌てて「アル」と言い直して謝罪し、言われたとおりに頭をバスケットの中に収めた。
そんなに拘ることなの?とウルはバスケットの中で一人悶々としていた。




