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【アウレウス】と【ソテルウス】

 軍用飛行機は人員用と、大型の指揮車と専用機と呼ばれる一人乗り用の小型車などを運ぶ、貨物用の2機で移動を行う。



指揮車は、大きめのトラックのような形状で運転席にしか窓がなく、後部は金属の壁で覆われて、運転席から後部までは一体化になっており、行き来できるように設計されている。


後部には左右の壁に沿ってモニターと操作パネルが4台あり、そこに着席し、各自任務の遂行にあたる。

中央部には指揮官が立てるモニターと操作パネル付きの専用台が設置されている。

銃弾などの攻撃にはびくともしない代物だ。


通称【アウレウス】



専用機の方は現在MSET、いやマンティアリ帝国自体の要ともいえる機体だ。


一見タイヤの車輪が前後についており、バイクのような形をしているが、車輪は二対二で合計4本の太いタイヤが付いていて、2本のタイヤ同士がわずか2~3センチほど。バランスを崩しても転倒しにくい構造になっている。

舗装された道路はバイク型でタイヤの車輪で走行可能。時速450キロ以上のスピードが出せる。

バイク型といっても、人の足が表に出ているわけではなく、下半身がすっぽり機内に入っており、サイドカーのような形状に近い。フロントには防風、防弾のためのフロントガラスが付いている。


荒れた道や瓦礫があり、通れない場所などではタイヤの車輪ではなく、

飛び跳ねたりできるよう少し見栄えは悪いが、金属の四つの足が出てきて、跳躍も可能だ。こちらの足にも車輪が付いているがタイヤほどスピードは出ない。

運転席の後ろに使用者の特性によって小型弾頭型のミサイルや、機関銃が搭載されており、相手をかわしながら攻撃もできる代物。


マンティアリ帝国が何十年もの歳月をかけて開発した専用機。



通称【ソテルウス】



各々でカスタムをしている専用機ため、各自愛称を付けて呼ぶものも少なくない。


そんなアウレウスとソルテウス、部隊員などを乗せて、飛行機は約5000キロ離れたラリマーレに向けて離陸した。


機内では、精鋭人8人で防衛任務の最終確認を行っている。

軍用移動機のベンチ式の座席にシートベルトをし、4:3で向かい合っている。



「すでに第13・14部隊が防衛配置について見張っているが、どうもきな臭いな。」

シモンが顔をしかめる。


「申し送りでは、敵は確認できるものの、何もしてこないとの報告でしたね。

何かのタイミングを狙っているのでは?と推測しているとか。

敵の詳細はまだわかっていないみたいで…すぐに襲撃してこないのもここ最近では珍しいと思います。」

二コラがタブレットに目をやったままシモンと会話している。


ん~とシモンが唸る。


そんな中、ウルはアルヴェールの膝の上のバスケットの中から顔を出し、みんなの会話を聞いていた。

ふと顔を上に向けてみたが、当の膝の持ち主は腕を組み、目は閉じたまま動かない。

仮眠をとっているのか…


と、視線を感じたのか薄く目を開け、アルヴェールが「なんだ?」と呟いた。



見ているのがバレてしまった!



ウルはとっさに、何でもありません!と顔を反らし、ウル専用のタブレットに視線を移した。

もうっ!起きてるなら目を開けててほしい!

寝るといえば、2日前、初めてアルヴェールのベットで寝る際にひと悶着あった。

ベットのどの位置で寝るか問題だ。


ウルはアルヴェールの足元の方で寝れると主張したが、家主がそれを許さなかった。

猫は毛があるためこの時期、掛布団はいらない。

そうなると掛布団の上ならスペースもたくさんあるし、人様のベットなのだから、邪魔にならないよう足元で寝かせてもらえれば十分と考えた。

その主張はどうあがいても通らず結果、アルヴェールの枕の横に寝かされたのだ。


人の寝息がすぐ近くにある場面が当の昔過ぎて、緊張して寝られないと思っていたウルだが、

逆に人の寝息を聞いているとその一定の速度感が心地よく、すぐに寝ることができてしまった…

そういえば、ラリマーレの宿舎ではどうするんだろうか?

いやいや、今はそんなことより、着くまでに分析を急がないと!

ウルは頭を何度か左右に振った後、タブレットで分析を始めた。


そんなウルを上の方から見ているアルヴェールの顔はとても優しかったが、このことを誰も知る由もなかった。




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