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疑われてしまいました。

 まず、反応を見せたのがジルだ。

ウルを見るなり、皆勢いよく立ち上がった。


そして、ジルはすかさず倒れたのだ。

はやり息の根を止めてしまったかとアルヴェールは額に手をやり、ため息をついた。



倒れたジルをすぐさまジャンが上半身を起こし、グァングァン揺さぶっている。


「ジル!!死ぬんじゃねぇ!!生きろぉ!!」



そのほかの隊員はしゃべった猫に驚きすぎて、立ち上がったままウルを見つめ微動だにしていない。



すかさずアルヴェールが気だるそうに

「皆、正気に戻ってくれ…話が進まない」



「あの…私からも、みなさん、どうかもう一度お座りになられては…?」

とウルが心配そうに話しかけた。



「いや…隊長…こ、こ、こ、これは…」

何とか言葉を発することのできたロランが次の言葉が出ずにまた固まり始めてしまった。




「アル…これは機械とかでは…」


「ない。猫の姿をした、ウルミラージェ・ルーナス本人だ。」



シモンもこれは現実ではないと、思考停止している脳でなんとか言葉を絞りだしたが、

すぐにアルヴェールに否定されてしまった。



「頭が付いていかないのはよくわかるが、とにかく、みんな座ってくれ。」

最後の方は少し強い口調でアルヴェールはみんなを諭した。


みんな、少しづつ正気に戻り、なんとか椅子に座り始める。

ジルに至ってはまだ気を失ったままなので、ジャンが床に寝かせた。




「大変驚かせてしまい、申し訳ありません。

これから私がこの第7部隊へ異動になった経緯をお話しします。」

ウルがみんなが座ったのを確認し話始めようとした。約1名寝たままだが。



「ちょっと待ってよアル。この人…じゃない猫がルーナス指揮官だという証拠はあるわけ?

アルは騙されているんじゃないの?」

フラがこの猫が本当にウルミラージェ・ルーナスなのか疑ってかかってきたのだ。



!?

まさか、疑われるとは思っていなかったウルは驚いた。同時にそれもそうだわ。と納得してしまう。

2日前にアルヴェール様が何も疑わず受け入れてくれたことの方がおかしかったんだ。

カミラ様から言われたことだったというのもあるが、何も疑っていないはずがないよね…


ウルはまだこの部隊から、アルヴェール様からも信用を獲得できていないことに気づいて落ち込み始めていた。



だが…



「彼女はウルミラージェ・ルーナス本人で間違いない。」





え…?



突然、ウルのすぐ後ろから力強い言葉が放たれた。

その声の方を向くと、アルヴェールがまっすぐフラを見つめている。



「どうしてわかるのさ?アルも以前に面識なかったよね?」

フラはまだ引き下がらない。



「ああ。2日前に初めて会ったばかりだ。だけど、話を聞けば本人だとわかる。

それに二コラは面識あるんだろ?学生の時の話でもすれば証拠にもなるだろ。」

フラを見つめたままアルヴェールが淡々と話す。



フラのすぐ横にいたニコルが

「あ、あの!ウルミラージェ!5年の時の担任の先生の名前は?」

意を決したように、二コラがウルに問いかけた。



「えっと…ピエール・ヴーエ先生!眼鏡で顔の四角い!!四角先生!!」

とっさに数年前の記憶をたどり勢いよく答えた。


二コラが正解!と少しはにかんでくれた。

ウルはそれがすごく嬉くて少し泣いてしまいそうになる。


そして、

「フラさん、俺はこの猫?違うこの人がウルミラージェ本人だって信じます!」

二コラが力強い言葉でフラを説得する。



フラは、もうあ”ぁぁ~と頭を掻きながら完全には納得していない様子でわかったよ!と一応は納得してくれた。


他の隊員も、隊長が本人だというならそれを信じます。と、みんな思うところはあると思うが納得はしてくれた。




そしてみんなが落ち着いたところで、2日前にアルヴェールに話した事の経緯をみんなに伝え、

みんな快く受け入れてくれたのだ。

ただし、ルーナス家が行っていた研究は本来ならば皇帝しか知らない研究なのだからと、アルヴェールに口外しないよう言われていたので、少し着色する形となった。

昔、読んだおまじないの本が本物の呪文書で、危機迫る状況でおまじないを言ってみたら猫になったと、

なんとも無理やりな感じが否めない形になってしまったが…



何はともあれ、ウルは第7部隊に受け入れてもらえたのだ。



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