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仲間と初顔合わせです!

 2日後の朝


アルヴェールは首都パラバトルにある帝国魔跡特殊部隊、通称MSETの本部の廊下を颯爽と歩いていた。

だが、すれ違う人々がアルヴェールに挨拶をするが、皆ぎこちない。


それもそうだ。

端正な顔立ちとは裏腹に右手に持っている物が、

いかにも貴族令嬢がピクニックのときに持つようなかわいい布カバーが被さったバスケットだからだ。



当のアルヴェールは何事もないような顔で挨拶をクールに交わす。


しばらくして、ある小会議室の前で止まり、持っているバスケットに話しかける。


「準備はいいか?」


バスケットの中からは緊張気味の声で、

「は、はい。結構です。」

と、聞こえた。




アルヴェールがドアを開ると、すでに6人の部隊員は揃っていた。



「お疲れ~ぇ?」

と、最初に声に出したのは、部隊員のシモン・ヴァランタン。

この第7部隊の副隊長だ。

それを皮切りに残りの5人がそれぞれアルヴェールに挨拶をし始めたが、

皆語尾にはてなマークが付いていた。


ウルはバスケットの隙間から室内にいる人員を確認しようとするが、

バスケットはまだアルヴェールが手に持ったままだし、隙間が思ったよりも細くて見えない。


アルヴェールが室内のホワイトボードの前にある教卓の上にバスケットをトンと静かに置くと、

会議室にいる6人は、それぞれざわざわと反応し始めた。


「アル。これからピクニックに行くのか…?」

シモンが冗談交じりに苦笑いをしてる。



「……」



「隊長!それかわいいっすね!今日のランチだったりして!」

同じ部隊員のロラン・アルミーダが元気よく問いかけた。


ロランの言葉も無視し、アルヴェールが話しはじめる。


「今回、ユベールの異動に伴い、新しい指揮官が決まったことは通達したな。」


「それなんだけど、俺らユベールの異動した経緯知らないんですけど~教えてくれないんすか?

突然だったし、もう少し詳しい通達があってもいいじゃないんすか?」

ロランが軽めの口調でクレームを言ってきた。



その経緯をこれから説明するから、きちんと聞いてくれ。と

アルヴェールはロランを宥めながら話を進める。


アルヴェールは一息置き、

「今回ユベールの異動は第7部隊と第6部隊の指揮官の入れ替えが必要になった為だ。

急な人事異動になり、みんなには通達が遅れたことを詫びる。」



「その入れ替えが必要になった理由は教えてくれるんだよね?」

隊員のフラ・ロッツォが、当たり前の権利だろと言わんばかりの口調で問いただす。


「ああ。もちろん。ただみんなには心の準備をしてほしい。

特にジル。お前は心臓を止めるなよ。」

アルヴェールは部隊員のジル・リナルドに忠告をした。


「どうゆうことだよ?そんなに度肝抜くようなことなのか?」

と、シモンがアルヴェールに言っている横で、すでにジルがガタガタと震え始めている。


震えるジルの背中をいかにも体育会系の男、ジャンが笑ってジルの背中をバシバシ叩きながら

「おいっ!ジル!何かあったら俺がやっつけてやるから安心しろっ!!わっはっはっは」

と、小学生のガキ大将みたいな訳の分からない言葉で元気づけている。


ジルはもっぱら体を動かすのが苦手で、性格も内気。なおかつ怖がり。

機械操作やPCは大得意だが、いかんせんコミュニケーション能力が皆無。

体育会系のジャンとは正反対なのだ。




「アルヴェール隊長。第6部隊の指揮官は、たしかウルミラージェでしたよね?」

隊員の二コラ・ナティエが手を挙げた。


「第6部隊の指揮官を知っているのか?」


「ええ。同じ士官学校で同級生でしたから知ってます。

彼女は第6の隊長、隊長のお姉様にえらく気に入られてますよね?その彼女がなぜ…?」


「えっ!?女の子なの?マジで!?二コラ、その子どんな子!?」

男所帯の第7部隊に初めての女部隊員でテンションが上がるロラン。


「ウルミラージェは成績も優秀でスポーツも万能。容姿も、きれいなシルバーとライトブルーの合わさったような髪の色でみんなから人気でした。」


バスケットの中にまさか本人がいるとは思わず、二コラがウルを褒めたたえている中、当のウルも褒められてなんとも言えない恥ずかしい気持ちになる。



アルヴェールが咳ばらいをし、隊員達を静かにさせると、

「実は今日、ウルミラージェ・ルーナス指揮官に来てもらっている。

事情があって、ニコルの言う人物像とは今は…多少…異なるが、今日から第7部隊の仲間だ。

みんな快く迎え入れてあげてほしい。」



アルヴェールのいまいち煮え切らない言葉に、みんなの頭にははてなマークが付いている。

怪我でもしたのか?太ったとか?

各自、隣の席の隊員と想像を膨らませている。




アルヴェールも少し緊張気味にバスケットの上にかかっていた可愛らしい布を取り、蓋を開ける。



「指揮官。挨拶を。」

と、バスケットに話しかけた。



バスケットの蓋が開き、その中からするっと軍服を着た猫が出てきて、教卓の上に座った。

まるで正座をして三つ指をついているかのようなきれいな姿勢で。



「第7部隊の皆様、初めましてウルミラージェ・ルーナスです。

この部隊の指揮官を務めさせていただきます。

どうぞこれからよろしくお願いします。」



「………」

「………」

「………」

「………」

「………」

「………」



「「「「「「えええええええぇぇぇぇぇ!?!?!?!?」」」」」」



バタンッ!!


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