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私も尋問ですか!?

 第7・13・14部隊の精鋭人がMSETの支部へ到着すると、すぐさま会議室へと案内をされた。

そこには支部長のジョルジュ・ボニントンを初め、モニターには第1~10部隊をまとめている上官のパオロ・ドラポルト大佐と、第11~20部隊をまとめているサミュエル・コンスタブル大佐が画面に映し出されていた。


それぞれが席に着き、報告会議は始まった。


「殲滅早々に申し訳ないね。早速だが、本日行った殲滅内容と、現状で分かっている敵の詳細の報告を頼む。」

白髪の老人の支部長ジョルジュが会議を仕切り会議が始まった。


「前日までの報告は省き、本日行われた作戦を報告いたします。」

イサークがアルヴェール達がラリマーレへ到着してからのことを報告していく。

事前に行っていた現地調査を追加で第7部隊が行いたいとなり、そこから怒涛の敵殲滅までを報告した。


すると、サミュエル大佐が報告に名前があがったルーナス指揮官はどの人物かと尋ねてきた。

もちろん第1~10を取りまとめている上官のパオロ・ドラポルトはウルが猫になってしまっていることを知っているが、他の上官にはそのことは伏せている。


ウルの事情を知っている者は一斉にアルヴェールを見た。というより、アルヴェールの机の上のバスケットを見た。

ウルは顔も出せない為、アルヴェールが何と答えるのか固唾を飲んで待つ。



「…ルーナス指揮官は体調を崩し、別室で休ませております。その代わり、私が質問などは回答できますのでなんなりとおっしゃってください。」

アルヴェールは毅然とした態度で嘘を吐いた。


その様子に他の隊員達は必死に笑いを堪える。

ウルも平然と嘘をついたアルヴェールの声に目を見開いて、あんぐりだ。



「わかった。ところで君の机の上の物は夕食か何かか?」

サミュエルはアルヴェールの机の上に乗せているバスケットの違和感に質問せざる得ない様子で聞いた。


「大事なものが入っていますので、ご容赦ください。」

またも毅然とした態度でアルヴェールが答える。


皆、アルヴェールの態度にまたもや笑いを堪えるしかない。


するとイサークが咳ばらいをし、話題を変えてくれた。

「今回捕らえた敵が何者なのかも含め、尋問をしたいのですが、第7部隊主導のもと、我々第14部隊に任せてもらえないでしょうか。」

イサークはどうやら尋問する気満々な顔で上官2人と支部長に許可をもらおうとするが、


「えぇ~?尋問は13でやらせてよ~イサーク君。」

横やりを入れていたのはジェロだ。

イサークは思わず舌打ちをする。


「だって、イサーク君が尋問すると相手が吐く前に死んじゃうんだもん~。今回は第7がいたから捕らえられたのだし、尋問で殺すのは失礼すぎるよ~?イサーク君にできないでしょ。」

ジェロはイサークがすぐに頭に血が上ってしまい尋問を失敗させているのをよく見ている為、イサークだと無理だと言い放った。


「そんなことはないっ!!今回は生かして吐かせてみせるっ!!だいたいあんたの尋問はねちっこくて嫌いなんだよっ!!」

イサークは勢いよく立ち上がり、ジェロに反論した。


確かにジェロの尋問はねちっこそうだ。イサークにも苦手なこともあるんだなとウルはバスケットの中で思いふけていた。


二人の言い合いは終わらず、悪口合戦になり始めていたが、そこへ支部長が提案をしてきた。

「今回の功労者は第7部隊だから、アルヴェール君 どちらに尋問を任せたいかのぅ?」


アルヴェールはどっちでもいいというような態度で、じゃんけんで決めてください。と言い放つ。

ジェロとイサークは立ち上がりじゃんけんをした結果、ジェロが勝ったので尋問は第13部隊が主とすることとなった。


第7部隊が朝から移動を含め働いていたこともあり、今日は早々に会議を切り上げ、詳しい報告などは後日改めることとなった。



アルヴェールは早々と移動を始める。

昼食は飛行機の中で済ませていたが、もう日も暮れ、辺りは真っ暗だ。

夕飯は宿舎の食堂でとるのだろうか?とウルが考えていると、

バスケットを持ったアルヴェールは自身の泊まる部屋のドアを開けた。


「出ていいぞ。」

テーブルに置いたバスケットの蓋を開けてくれたので、ウルはあたりを見回すと、

宿舎とは思えない広さの部屋に驚いた。

どうやら、どこかの家の玄関ロビーのようだ。


「え…っと、ここは?」

いつもウルが寝泊まりしていた宿舎とは別格すぎて、宿舎ではないことは容易にわかった。

が、ここどこですか?


「宿舎近くの部屋だ。マルセイユもショウカも呼び寄せている。」

アルヴェールの言葉に驚いていると、ドアノックの音が聞こえ、別の部屋からマルセイユとショウカが入ってきた。


「お二方とも、本日の任務おつかれ様でございました。お食事の用意はできておりますがすぐに召し上がりになりますか?」


マルセイユの言葉にウルが驚いて返せないでいると、すぐにアルヴェールが返してくれた。


「ああ。ダイニングへ案内してくれ。」

そういうと、アルヴェールがウルをひょいと抱きかかえ、マルセイユの後を付いていく。


ダイニングには6人掛けのテーブルがあり、一席には人間用の食事ができるようフォークとナイフが整えられており、その向かいにウル用のお皿が準備されていた。

アルヴェールはテーブルの上にウルをそっと置き、自身のテーブルへと着く。


あっけにとられていると、アルヴェールがどうした?と声をかけてきた。

「あ、あの!もしかしてお家を用意してくださったのって私のためだったりしますか?」

ウルは恐る恐る聞いてみた。


「勘違いしないでくれ。俺は時々宿舎とは別の家を借りるんだ。」

アルヴェールは平然と答えてくれたが、それが嘘なのはウルにはわかった。

ラリマーレへ来る飛行機の中でシモンがアルヴェールとの宿舎での他愛もないことを話してくれていた。

そんな話がいくつもあって、普段は宿舎でみんなと寝泊まりをしていることはウルには容易にわかってしまう。


平然と食事を始めるアルヴェールに向かってウルは感謝を伝える。


「お気遣いいただき、ありがとうございます。」


「だから、君のためではない。普段も時々家を借りてるんだ。さっさと食事を始めろ。」

嘘なのがバレているが黙っていろと言わんばかりのアルヴェールの態度にウルは申し訳なさもあるが、それ以上になんだか嬉しい気持ちになった。


アルヴェールと共にショウカが用意してくれた食事を食べていると、突然。


「ところで、今日何度スキルを使った?」

と、アルヴェールが凄みを利かせた音程でウルに問いただす。


まずい…!!スキル使ったのバレてた…



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