海と水の楽園~ラリマーレ~ 3
ウルは早速、2人の隊長にポポレ島を現地調査を打診した。
「ポポレの現地調査はいいが、北東の島の中でも一番南側にある島だぞ?
怪しい船が向かった方向はそれよりも北にあるウェーマスとスフィの間の海峡だ。一番可能性が低いのではないか?それに北東3島はすでに部隊を派遣し、それなり調査して何も出てこなかったんだが…」
イサークはなぜポポレ?といった表情だ。
「調査済なのは知っています。ですが、私自身でもう一度調査させていただきたいのです。」
ウルはどうしても確認したいことがある。
隣に立っているアルヴェールがすぐに船の手配をお願いします。とイサークに頼んでくれた。
その後、イサークも何も出てこないと思うが、と言いつつすぐに手配するから港へ向かえと承諾してくれたので私たちはすぐに港の方へ向かい始めた。
港までは15分ほど。申し送りは終わり通信は切られ、各自準備に取り掛かる。
ウルが専用端末を操作していると、
「なぜポポレが怪しいと思っているのか説明してくれ。」
と横にいたアルヴェールが質問を投げかけてきた。
答えたいのは山々だが、今はあくまでウル自身の可能性の範囲を超えていない。
ウルの考えは自分自身でも根拠がなさ過ぎて、まだアルヴェールに言えるところまでいっていないのだ。
「アルヴェール様、ポポレに到着して一つやっていただきたいことがあります。
そこで証明できましたら、きちんと説明させていただきます。それまでもう少し待っていただけませんか?」
ウルがまだ説明できない段階だとアルヴェールに訴える。
アルヴェールは顔こそ不服そうだが、渋々承諾してくれた。
が、呼び方は注意されてしまった。
そんなに拘るとことなのだろうか?
隊員は港に着くとすぐに船へアウレウスとソテルウスごと乗り込んだ。
船は軍用高速船の為、ラリマーレ島から30分程度で到着できてしまう。
その間に、アルヴェールは自動運転で付いてこさせていた自身のソテルウスに乗り換え、必需品の準備に取りかかっている。
ウルもその間に、ポポレ島の地図の確認やジルとの打ち合わせに勤しんでいた。
あっという間にポポレ島へ到着した一同は早速ウルの指示で、森林地帯へと進む。
ポポレ島は一番高い山でも標高は低いものの、島の中枢は山あり谷ありの地形。そこに深い森林が広がっている為、まっすぐな道がほとんどないいわゆるジャングル地帯だ。
「ウル、そろそろアウレウスでは進めないところまで来てるよ。」
フラがでこぼこ道を難しそうな顔で運転しつつ言った。
「わかりました。ではアウレウスは適当な場所で止めてください。
戦闘員はそのまま地図に記されている方向へ前進願います。」
通信デバイスで、4人に告げる。
かなりの悪路だったため、ウルは指揮官の操作台に立っていられず、今はニコラに抱きかかえられている。
了解と4人が返事をした。
アウレウスが止められるちょうどいいスペースがあった為、フラがそこにアウレウスを停めてくれたので、ウルはニコラに操作台へ降ろしてもらい一息ついた。
戦闘員が地図の印地点まで、ソテルウスでそのまま進み続け、約30分がたったころ、
止まってください。とウルが指示を出した。
止まった4人の内、アルヴェールがすぐに銃のようなものを取り出し、銃のお尻の部分のジャックとソテルウスにコードを繋いで構える姿勢をとる。
「こっちは準備完了」
「ウル、こちらも準備完了です。」
ジルがモニターに顔を向けたままウルに言う。
「アル、現在操縦先が、北北東22.5度ですので、北に合わせられますか?」
ウルがモニターの方位を確認しながら伝える。
「了解…これでどうだ?」
「完璧です。それではそこから右方向へゆっくりお願いします。戦闘員他3名は警戒を怠らないようお願いします。」
了解とシモン、ロラン、ジャンの3人はソテルウスから降り、アルヴェールを囲うように銃を構えて警戒姿勢になった。
アルヴェールは構えている銃からレーザ光だけを放った。
多くの木々が生い茂り、草花もそこら中に生えているジャングル地帯は視界も悪く、日中にも関わらず、少し薄暗い。
その中でアルヴェールは銃から放たれたレーザー光を北の方角からゆっくり東の方向へ動かす。
ジルとウルのモニターには、何やら数字のようなものが映し出されているが、表示は0だったり、アルヴェールがレーザー光を動かした先に木があるとエラー表示になったりと表示が幾度となく変わる。
そして、レーザー光が北東あたりまで向いたところで、モニターの表示が変わった。
「アル、そこで止めてください!」
ウルが表示を見た瞬間に叫んだ。
「了解」
「ジルさん、どうでしょうか?」
ウルはモニターに出されている数字を見てジルに問いかけた。
「これは間違えないです。約1.5度傾いてます。距離は……… おおよそ270メートル先です!」
ジルはキーボードで何かを打ち込みながらモニターに映し出された計算式の答えをすぐさま叫んだ。
「戦闘員、細心の注意をはらって確認をお願いします。」
そう言うと、了解と告げたアルヴェールを筆頭に戦闘員4人で銃を構え前進していく。
ガサ…ガサガサ…
草木をかき分けながら270メートル地点へたどり着くと、アルヴェールがすっと手を前に出した。
「…っ!!確かにあるぞ。」
アルヴェールは驚いた表情で通信デバイスに聞こえる程度の声を発した。




