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海と水の楽園~ラリマーレ~ 2

 ウルはラリマーレ行きを命じられた直後から調査をしていた途中で、不可解な記事を目にしていた。

マンティアリ帝国より東の海を挟んだ大陸にある国、ドワーデン共和国での事件だ。

ドワーデンの首都キピットンで、人を殺害した犯人が消えるという記事。

それも11件も同様の事件が起きているが、いまだ犯人が逮捕されておらず、ドワーデンの警察も頭を抱えている事件。


ウルは被害者の共通点を探していたところ、いずれも魔跡関連の事業に勤めている人ばかりで、

中には外国籍の被害者もいるがその人も、自身の国で魔跡関連の会社に勤めていた。


目撃情報は数件あるが、犯人の特徴は皆まちまちで、最後は口をそろえて突然消えたと証言している。

殺害現場には被害者の遺体の他に、ガラスのような破片がたくさん散らばっていた現場もあったそうだが、そのガラスが何の意味を表しているのかは警察も分からない状況らしい。


キピットンでは魔跡関連の企業に勤めている人などが狙われていたが、

ラリマーレでは敵らしき人物は目撃はするものの、被害者は今のところ出ていない。

何の目的なのか未だ不明だがウルには一つ、ドワーデンとラリマーレで思いつくことがあった。


それが、”水”だ。

ドワーデンの土地は6割が砂漠地帯で大きな山脈などもなく、水の確保は地下深くまで地面を掘り下げて水脈を探し当てるか、海水をろ過して淡水に変え使用しているかで、水がとても貴重な国だ。


そんな水が貴重な国ならラリマーレの魔跡を欲しがるのではないかと思ったウルは、ドワーデン内の直近の水脈調査の履歴や、海水のろ過装置の稼働状況などを調べていた。

結果、ろ過装置の稼働量と生産台数がここ数年でかなり増加していること、逆に水脈の掘削自体は減少していることが分かった。

ドワーデンの国が生活水に何かしらの不安要素を抱えている可能性が高い。


それと消える敵がイコールである可能性はまだわからないが、何かしら関係はしていると思っている。

今回、ラリマーレ魔跡を強奪しようと考えているとすれば、それの下調べとも取れるが、何かが違う気がする。

そもそも、ラリマーレ魔跡は持ち運びできる代物ではない。塔のようにそびえ立ち、その大きさは直径15メートル、高さ60メートルもあり、地中はわかっている範囲で大陸の方まで横に伸びていて地中に埋まっている状態のため、地上に出ている部分はあくまでもごく一部でしかない。

たとえ地上に出ている部分を切り分けて別のところに持ってったところで、魔跡の恩恵は受けられない。移動させても恩恵を受けられる魔跡もあるが、ラリマーレ魔跡に関してはそれは不可能とされている。

ラリマーレ魔跡を奪うなら戦争を起こして領土を奪うしかないのだが…

そう考えると戦争を起こす準備?だとすると、ドワーデンの”国”が敵となるが、それにしては敵の規模が小さすぎる。


そこまで考え、ウルは一つの可能性にたどり着いた。

国ではない別の組織が、ラリマーレ島とは別の島の所有権を取ろうとしている可能性だ。

ラリマーレ諸島の北東にある島は3つ。ウェーマス島とスフィー島とポポレ島いずれかの島をどこかの組織が所有したがっていて、そのための現地調査なのではないかと考えた。

可能性のある島はおそらく一番人口が少なく、自然が多く残っているポポレ島。


ウルが考えていることはあくまで可能性の話だ。

だからラリマーレに到着したら早速現地調査をしたいと考えていた。





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