居残り組はあんまり仲良くない
「あーあー…気になるなー。」
見送りから帰って、もう何度目かの恨めしげな呟き、
というか間延びした愚痴。を早紀のベッドに転がった山吹が言った。
今、3人の思念体は、早紀の部屋に集まっていた。
そうだね。と茜が頷く一方、浅葱は興味など全く示さずの完全無視。
それが不服な山吹はつっかかってみた。
「浅葱は心配じゃないわけー?」
「別に。」
間をとらず浅葱が言い返す。
「負けたりしたら、皆モチベーション下がる程度じゃ済まないんだよー?絶対。」
と食い下がるが、浅葱は眉一つ動かさない。
「別に奴等がどうなろうと俺には関係ない。
お前や茜、他の連中も、妙に馴れ合っているようだが、
本来俺達は相容れない存在だ。」
「昔は浅葱だって仲良くやってただろ。」
山吹の声が静かで真面目なものになる。
「なに、…そんなに『敬介』が気に入らないの?」
「わざわざ封印を解いてくれたクソガキに気に入る要素があるとでも?」
山吹がごく稀に出す、ひょうきんさの無いからかいの声に浅葱がようやく山吹を見た。
ハッキリとした怒気を含む声に茜は竦むが、山吹は怯まない。
「浅葱の大好きな姫様が神の力を無くしてまで果たした封印だったからねー。」
その言葉に浅葱がピクリと眉を吊り上げた。
「訂正しろ。大好きなどではない、敬愛しているだけだ。」
至極真面目な表情で、物凄く小さな事を訂正させようとする浅葱に山吹は噴き出して、純粋に笑った。
真面目クンは予想外の返事を返してくるから面白い。
浅葱は腹を立てたらしく、消えてしまった。
どこに行くかなんて、心が読める以上わかりきってるんだけどね。と舌を出す。
追い討ちしてやろうか。と少し考えていると、
「山吹…、」
と茜の咎める響きの声がかかり、息をついて
「別に喧嘩する気は無いよ。」
と言うと、また早紀のベッドに寝っ転がった。
「…別に敬介一人のせいじゃないんだしさ。」
「うん。皆、仲良くなれるといいね。」
あ、ごめん、そこまでは望んでない。と山吹は思った。
茜は過去が見れてしまうからか、とにかく優しい。
そこが好ましいとは思うのだけど、気分屋の山吹にはちょっと眩し過ぎる時がある。
(スプーンに限らず、何でも溶かす結構怖い力だけどね。)




