カジとの出会い
かくして、3人で夕陽鑑賞ツアーに申し込んだ3人は、出向する船の列に並んだ!
列に並ぶもお立ちは皆タキシードやドレスを着こみ、気合が入った服装をしている。
魔王達もこのオアシスの高級ブティックで購入したタキシードやドレスで固めていた。
「馬子にも衣裳だな!」
魔王はミーを見て感想を言った。確かにもともと長身美形のミーである。背中が空いたドレスでハイヒールを履くとアカデミー賞に出席するハリウッド女優のようである。
「綺麗・・・・!」
遅れてやってきたマヤを見てミーが思わず漏らしてしまった。
エキゾチックビューティーというのはまさにマヤのことであった。褐色の肌にアップでまとめたヘアースタイルに周りの男たちでなく女性までもマヤの美しさに見惚れていた。
「2人とも、いつもと違って、なかなか良いな!」
魔王は2名の美しさに心から満足していた。しかし魔王自身も2名をエスコートするのにふさわしい佇まいであった。
ミーとマヤは、そんな魔王をみて、頬を赤くしていた。
そんな3人に声を掛けてくる長身タキシードの50代の男性がいた。
「おまえ、もしかしてミーじゃないか!」
ミーのおじであり、このオアシスを取り仕切る族長のカジであった。
「おじさん!」
ミーは突然のカジ登場にあたふたしている。
「お前、こんなところに遊びに来てるなら、わしのところにも顔出せよ!」
カジからしてみれば、姪がいきなり地元でドレスを着て人気のツアーに参加しているのであった。
「ち、違うわよ! これはたまたまで・・・・」
ミーの言葉に説得力はなかった。
「ああ、別にいいから・・・・今日は楽しめ! 明日顔出せよ」
あたふたしているミーを見てカジは皆まで言うなという感じでミーの言葉を止めた。
乗船が開始され、魔王たちが船の中に入ると、案内係がチケットを見て3人を席に案内してくれた。
3人は窓際のテーブル席に腰かけた。
「何か飲み物はいかがですか?」
若い女性の案内係が声を掛けてきた。
「おすすめはこちらです」
魔王たちは女性のお勧めする飲み物を注文した。
しばらくすると、船はゆっくりと出発した。湖ということもあり波も少なく快適な航海であった。
やがて、先ほどの女性がオアシス名物の果実酒を持ってきた。オレンジ色の飲み物はこの地でとれるミガンから作られるお酒である。
「乾杯!」
3人は湖を眺めながら乾杯した。
船内にはピアノやバイオリンの生演奏が流れている。
「わぁ、綺麗!」
やがて、湖を真っ赤に染める夕日が魔王たちの目に飛び込んできた。
「この湖の夕陽を見るために遠くからやってくるものもおるんじゃよ」
いつの間にか、ミーのおじカジが魔王たちのテーブルにやってきていた。
「確かに素晴らしい!」
魔王は安土城からみる琵琶湖の夕陽を思い出していた。
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