虹色エビ
魔王はミーを餌にしてポイズンスコーピオンを5体倒してリゾートホテルに戻ってきた。
「マオ殿、お帰りなさい! いかがでしたか?」
魔王は倒したポイズンスコーピオンの尻尾の一部を見せて、オーナーに報告した。
「ありがとうございます! まさか5体も倒していただけるとは!」
オーナーはとても感謝して、今夜は特別に虹色エビをご馳走してくれるという。
虹色エビはイセエビの3倍くらいの大きさで、1匹売れば半年は生活できるという希少な食材であった。その体表が太陽光を当てる7色に光ることから虹色エビと呼ばれていた。
「虹色エビ、私大好き!」
ミーは目をキラキラさせている。なんでも子供のころ一度だけ一口食べたことがあるのだという! それ以来いつか再び虹色エビを食べることを夢見ていたらしい。
「お前も、餌として活躍したから今回はいいんじゃないか!」
珍しく魔王はミーに優しかった。 さすがに餌にしたのが少し悪いという思いがあったようだ。
「やったー!」
ミーは飛び跳ねて喜んでいる。
一方、マヤは虹色エビの事を知らないらしく、きょとんとした顔をしている。
ホテルのコック長がプールサイドの大きな鉄板の上で虹色エビの調理を始めた。
7色に光っていた虹色エビだったが熱を通すと、瞬く間に真っ赤に変わってきた。からの中のみは白を基調として繭のようだった。
「どうぞ、お召し上がりください」
コック長はまず魔王に虹色エビをさしだした。
「こ、これは! 美味い!」
魔王はこれまで食べたすべての料理の中でダントツで美味しいと思った。
魔王はたちまちに目の前の虹色エビをたいらげた。
続いて、ミーの前にコック長は虹色エビを提供した。
「ンーーッ」
ミーは涙を流しながら、虹色エビを何回も咀嚼し味わっている。
最後はマヤだった。
「えっ!」
日頃おしとやかなマヤだが、一口食べたとたん虹色エビを直接手に取り一気に頬張った!
3人はお代わりの虹色エビも十二分に堪能した。
オーナーたちは3人の食べっぷりに驚愕してただ目を丸くして見ているだけだった。
「ご、ごほん! マオ様大変喜んでいただいたようで、私もうれしいです」
ずっと口を開けて固まったいたオーナーだったが、やっと話を始めた。
「お礼といっては、何ですが、いつでもこのリゾートホテルを無料でご利用ください!」
そういうとオーナーやスタッフたちは改めて魔王達に深々と頭を下げた。
「いえいえ、そんな大したことしていないですから・・・・」
ミーは恐縮して自らも何度も頭を下げた。
「そうだな、お前は餌やってただけだからな! あははは」
魔王はそんなミーを見て大笑いした。
「ちょっと、なによー」
ミーは頬を膨らまして魔王を睨んでいる。
そんな2人をみて、マヤは、微笑んでいた。
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