マヤ
「マオ様! お疲れさまでした」
魔王たちが街に入るとすぐに商人がやってきた。
ミーが盗賊やアジトの事を簡単に商人に説明した。囚われていた人は商人が責任をもって、もともと住んでいた町や村に帰すとの事だ。
「おい、コラ待て!」
先ほど、魔王にお礼を言ってきた20代半ばの女性が逃げようとして商人の使用人につかまっていた。
「どうしたんですか?」
ミーが商人に尋ねたところ、彼女はもともと商人のところに奴隷として流れてきていた者を盗賊が奪い取ったとの事だった。
「そうなんですか・・・・」
話を聞いたミーが落ち込んだ表情をしていた。
「もしよろしければ、今回の討伐のお礼の一つとしてマオ様にさしあげます」
商人が女を奴隷として引き渡すといってきた。
「であるか」
魔王は素直に女を受け取った。
「今日から、こちらのマオ様方お前のご主人様だ!」
商人は女の手を引いて魔王のもとに連れてきた。
「あなた様は先ほどの!」
女は引き渡される先が魔王だとわかると安堵の表情をした。
「女、今からお前は自由の身だ! どこへなりと好きなところに行くがよい!」
魔王は女を受け取るなり、解放した。それを見ていたミーは魔王を見て満面の笑顔を見せていた。
女は、魔王に促されても、何処にもいこうとしない・・・・
「どうした、なぜまだここにいる?」
魔王は女に尋ねた。
「お願いです。私をあなた様のもとに置いておいてはいただけませんか!」
女が言うには女は10人兄弟で食い扶持を減らすため親に売られたのだという、帰る家もないことから、魔王のところにこのままいたいとの事だった。
「好きにしろ!」
女の名前はマヤといった。
魔王は、女の他にも金貨や食料等、商人から盗賊討伐の報酬を受け取り、ミーとマヤとともに元盗賊のアジトに向かった。
アジトに着くとマヤが積極的に、荷物をおろして家の中を整えていった。
「お前は奴隷というわけではない! 無理に仕事をすることはない」
魔王はマヤの働きぶりを見て声をかけた。
「ありがとうございます。ご主人様! 私はこういうことしかできないので、お任せください!」
どうやらマヤは、自分が役に立つことがあることが嬉しいようだ。
「そうか、好きにしろ! ご主人様と呼ぶ必要はない、オレはお前のご主人様ではない!」
魔王はご主人様と呼ばれることが、なんだかくすぐったい気分だった。
「了解いたしました、マオ様!」
マヤはそういうと、せっせと部屋を片付けだした。
こうして魔王に新たな仲間が加わった。
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