親子
「ひ、ひっひーーーー化け物っ!」
一人離れたところにいた盗賊が逃げ出した。
「ちょ、ちょっとマオ! 追わないと」
ミーが魔王の服を掴んで揺さぶりながら、叫んだ!
「捨て置け!」
魔王は逃げた盗賊には見向きもせずに、襲われていた馬車に向かった。
「大丈夫か?」
馬車の中には、女が2名いた。御者はすでに殺されていた。
「は、はい! 助けてくださりありがとうございます!」
年上の女が魔王にお礼を言った。年のころは30代後半だろうか。
「そうか、じゃあ気を付けていけ」
魔王はそういうと馬車から離れた。馬車の女はあわてて馬車から飛び出し魔王に話した。
「すみません。助けていただいたついでといってはなんですが、私たちを町まで送り届けてはいただけませんか!」
女は必死だった。
「いいぞ、特に急ぐ旅ではないしな!」
魔王は気軽に了承した。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
ミーは突然魔王に掴みかかった。
「私の時とは、対応が違いすぎるわよ!」
「なんだ、お前が助けろといったんじゃないか! 助けなくてもいいのか?」
魔王はにやりと笑ってミーのおでこを人差し指で押した。
「そういうことじゃないでしょう、その態度の違いがおかしいって言ってるのよ!」
ミーはなおも魔王に食い下がった。
「町は近いのか?」
魔王はミーを無視して場所の女に話しかけた。
「ここから東に5時間ほど行ったところです。 あ、あの、そちらの方はよろしいのでしょうか」
馬車の女は、なおも魔王にしがみつき文句を言っているミーの事を気にした。
「ああ、こいつのことは気にするな!」
魔王たちが乗ってきた馬はミーが一人で乗り、魔王は馬車の手綱を引いた。
馬車の女は親子で会った。娘の方は15歳であった。二人は隣町からの帰り道に盗賊に襲われたと町までの道中で魔王に話した。
馬車はなかなか豪華な仕様だったが、年長の女に聞いたところ旦那はこの一帯で大きく商売をしている商人ということであった。
魔王は、この辺りの街や村、特産品のことなどを親子に聞きながらゆっくりと馬車を進めた。その間、ミーは相変わらず、自分との対応の違いにぶつくさ言っていた。
「おい、うるさいぞ! あんまり文句ばっかり言っていると、もう戦わないぞ!」
魔王はミーの反応を楽しんでいた。
「ちょ、ちょっと何てこというのよー」
ミーは馬の上でじたばたしている。
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