盗賊退治
ほとんど成り行きでエルフの国まで旅をすることになった魔王マオとミーであったが、魔王にとってはちょうどいい道案内役になった。なにせ、魔王はこの世界の国や大陸のこと等全く知らないからだ!
「女、この道をまっすぐでいいのか?」
魔王はミーに尋ねた。
「私は、女じゃなくてミーです! とにかくまずは海を目指しましょう!」
ミーは馬の上からまっすぐ指をさした。その指をさした方角に何やら馬車が盗賊風の男たちに襲われていた。
「お前の時もそうだが、この国は皆誰かに襲われておるのか!」
魔王はよく見る光景だと、のんびりしている。
「お前じゃなくてミーよ! そんなことより助けに行かないと!」
ミーは馬の腹を勝手に蹴り上げた。
「ヒヒヒーン」
2人を乗せた馬は腹を強くけられたことにより、盗賊と馬車のところに真っすぐに走り出した。
「おい、何勝手にやってるんだ!」
魔王はすぐに馬の手綱を引いて、馬をなだめたが、ちょうど盗賊たちの前だった。
「な、なんだお前たちは!」
盗賊たちは突然現れた魔王とミーを警戒して剣を構えた。
「はぁ・・・・またか!」
魔王は頭を軽く掻いて、宙を見るのだった。
ミーは、そんな魔王を尻目に馬をさっそうと降りて、盗賊に指をさして胸を張りながら、吠えた
「盗賊ども! 我らが来たからには、これ以上の狼藉は許さずぞ!」
盗賊はミーの発言に戸惑いはしたが、すぐにミーに向かって剣を振るってきた。
「生意気な! おまえよく見ると、なかなかいい女だな!へへへへ」
盗賊はミーをみて、馬車よりも興味を持ったようだ。なにせミーは美形ぞろいのエルフの中でも1、2を争う美人であった。おそらく盗賊たちが、これまで見たことがある女性の中でもダントツであったはずだ!
「きゃーっ! いやらしいわ! そんな目で私を見て彼氏がほっておくと思うの!」
ミーはわざとらしく怯えて見せて、魔王の方をチラ見した。
「ほお、お前が彼氏か! じゃあ、こいつさえいなくなれば、この女はおれたちのものということだな!」
盗賊たちは魔王を取り囲んだ!
「お前というやつは・・・・」
魔王はスルーして通り過ぎようと思っていたが、こうなれば相手するしかないようだ!
「おい、男ども! 今なら逃がしてやる! さっさと行け!」
魔王はめんどくさそうに盗賊たちを手で払った。
「貴様、ふざけるな!」
盗賊たちはお約束の反応を見せて、一斉に魔王を襲ってきた!
「フレイムストーム!」
魔王はプリヒスに教わった魔法を唱えてみた!魔王は魔王城で温泉堀の前に森に向かって何度か魔法を放って遊んでいた。
魔王を囲んで火炎の壁が30メートル立ち上り周りにいた盗賊たちが一斉に消し炭になった。
「ひ、ひえーっ」
目の前で火炎の壁が立ち上ってミーは硬直して死を覚悟した。
「ちょっと、私を殺す気!」
ミーは魔王の足を何度も蹴りつけた。
「はあ・・・・」
魔王は頭を抱えて、ため息をついた。
いつもお読みいただきありがとうございます。




