商人の屋敷
数時間後、魔王たちは親子が住んでいる町に到着した。
「妻と娘を助けていただきありがとうございました。あなた方は命の恩人です。今宵は我が家でゆっくりくつろいでください」
魔王たちはたいそうな歓待を受け、20人は座れるだろう長いテーブルに親子とミーの5人で食事をとった。
「マオ様は、冒険者でいらっしゃいますか? マオ様の強さを見込んでぜひお願いしたいことがあります」
主人の言うには、この辺りでは最近大きな盗賊団が住み着いていて、往来するひとや商人の馬車が頻繁に襲われているのだという。
「オレは、特に冒険者というわけでないが、困っているのなら助けてやらんでもない!」
魔王はあっさりと承諾した。
ミーはさすがに文句を言うことはなかったが、自分の時と今日の一連の魔王の態度があ
まりに違ったため不満に思っていた。
魔王は馬車の中で女性を見たときに、前世の信長であったときに寵愛した吉乃という女性にあまりに似ていたために、驚いてつい頼みを聞いてしまったのだった。今も吉乃と奥方は別人だとわかってはいるが、何かほっておくことはできないと思い盗賊退治を了承してしまった。
魔王とミーは商人の家の2階の1室を与えられた、どうやら、二人は夫婦か恋人だと思われたようだ!
「なんで、あんたと同じ部屋なのよ!」
ミーが一人でぷんぷんしている。
「心配するな! お前のようなチンチクリンには興味がない!」
魔王はベッドに横になりながら天井をみてミーの相手をしている。
「なによー失礼な! 私を嫁にしたいって話はあちこちから来てるのよ!」
実際ミーは少し細身ながらエルフということもあり絶世の美女であった。
「なんだ、手を出してほしいのか? それなら我慢して1回くらいなら・・・・」
魔王はミーをからかって遊んでいた!
「レディーに向かって失礼な!」
ミーは夜遅くまで、魔王に絡んでいて、結局二人は朝方まで眠れなかった。
「ふあーあ!」
魔王とミーは朝の食事の席で2人して大きなあくびをしていた。
「昨夜は。お楽しみだったようで・・・・」
主人が眠そうな顔の魔王に話した。
「えっえっえええええ! そんなことしてませんよ!」
ミーが大声で否定した。
「あらあら恥ずかしからなくても、愛し合っていれば当然のことですわ!」
夫人はさわやかな笑顔でミーに語りかけた。その後もミーは何度も否定したが、余計にドツボにはまっていくのだった。
「そんなことより、マオ様! 昨日お願いさせていただきました盗賊の事ですが・・・・」
主人はいつまでもうるさいミーを無視して、魔王に話しかけた。
「心配するな! 今日これから行ってくるつもりだ!」
魔王は食事の後、適当に片づけるつもりだった。
「では、我らもさっそく準備いたします!」
主人は街の男どもをすでに10人以上かき集めていた。
「そんなものはいらん! オレ1人で大丈夫だ!」
魔王はそういうと立ち上がった。
「しかし、マオ様!」
主人は魔王に食い下がった。
「大丈夫よ、マオがそういうなら」
ミーは主人を制止し魔王と一緒に屋敷を出た。
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