蛸
魔王とプリヒスが糸を垂らしてすでに2時間が経過していた。
「釣れないな・・・・」
魔王は独り言のように呟いた。
「釣れませんね・・・・」
プリヒスも力なく答えた・
さらに2時間が経過した・・・・
魔王はいらいらしながらも、ここでやめれば負けたような気がして、じっと魚がかかるのを待っていた!
「おっ、初めて魔王の竿に反応があった」
魔王は歓喜し、竿をあげた!
「どばっ」
魔王の竿にかかったのはタコだった!
「タコですか・・・・魚ではありませんね・・・・」
プリヒスが言うには、この世界ではタコを食べる習慣はないようだ。
ただ、その不思議な形を鑑賞する趣味がある変わり者がいるらしく、タコを透明なツボに入れて眺めるのだそうだ。
「魔王様、これでは刺身というものは難しそうですね」
プリヒスは残念そうに話した。
魔王とプリヒスは世話になった風呂友にタコをプレゼントすることにした。
「おい爺はいるか?」
魔王はいきなり王宮にきて国王を爺呼ばわりして呼び出した!
「なんじゃ貴様は!」
魔王とプリヒスは騎士に囲まれた。
「まてまて、そいつはよいのじゃ!」
国王が突然現れた風呂友を発見して、声をかけてきた。
「どうしたのじゃ突然?」
「おお、爺!」
「ちょっと、釣りに行って面白いものが釣れたのでな・・・・」
魔王はバケツに入れたタコを見せた!
「おお、タコではないか!」
国王は魔王が思っているよりも歓喜した。
「お前もタコを鑑賞するのか?」
魔王は国王の表情を見てタコが好きだと思った。
「鑑賞? なんじゃそれは? もったいない、もちろん食べるに決まっておるだろう」
「そんなところで何ボサーッとしておるんじゃ、はようこっちにこんか!」
魔王とプリヒスは国王に誘われるままに、後についていった。
「おう、いい蛸が入ったから、持ってきたぞ!」
王宮から10分ほど歩いた場所の小さな店に国王はいきなり入った。どうやらかなり常連のようだ。
今からお前たちにうまいもん食わしてやる!
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