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温泉

 魔王とプリヒスは魔王城に帰ってきた。

「女よ、オレの街を作るぞ!」

 魔王はとてもうれしそうだった。


「魔王様、ちょうど、あの辺りは何もなくなりました!」

 プリヒスは先日、自らと魔王が吹き飛ばした森林跡を指さした。


「であるか」

「おれは、どんな奴でも自由に商売ができる、面白い街を作りたい! そうだな人間も魔物もそれ以外も自由に住める街かな」

 魔王は話をしながら、だんだんとワクワクしてくる自分を感じていた。


「魔王様、素晴らしいですわ!」

 プリヒスは魔王に酔垂れかかった。


「その街を世界すべてに広げる! この世界をオレのものにするのだ」

 魔王は街づくりの延長が世界征服だと考えている。

「手始めに温泉を作る! 爺が作ったような銭湯ではなく、地面から堀った温泉を!」

 魔王は両手を広げ叫んだ!


「魔王様、温泉とは何でございましょうか?」

 プリヒスは温泉を知らなかった。


「そうだな! 口で説明するよりもその体で感じろ! それが温泉だ」

 プリヒスは魔王の言ってることが分からなかったが、それでもなんだか満足した気分になった。


「女、地面を千メートルは掘らなければならない! できるか?」

 魔王はプリヒスに尋ねた。


「ちょうどよい者がおります」

 プリヒスは当てがあるようだ。

「少々お待ちください」

 そういうと、プリヒスは魔王城をあとにして、1時間ほどで帰ってきた。

「魔王様、準備が整いました」

 そういうと、プリヒスは魔王を伴って転移魔法で森林跡に移動した。

「彼らが、魔王様の指示の元、穴を掘ります」

 プリヒスが指をさした方向には10体のゴーレムがいた!

 1体が10メートルほどの大きさで、それぞれに巨大なスコップを手にしていた。


「ほお、こ奴らなら千メートルも行けそうだな」

 魔王はプリヒスをとハイタッチをした。

「おい、デカブツども、まずはここを中心に穴を掘れ!」

 魔王は自らもスコップをもって穴を掘りだした。


「ま、魔王様! 何をなさいます!」

 プリヒスはあわてて魔王を止めた。


「女、こういうものは自分も参加しないとつまらんものだ! 安土城を作った時も、こうして体を動かしたものだ!」

 魔王は嬉々として穴を掘りだした。


「安土城?ですか・・・・」

 プリヒスは魔王がやっている手前、自分自身もスコップを手にした。


「お、お前もやる気になったか!」

 魔王は嬉しそうだ。

 プリヒスは魔王が喜んでいる姿を見て自らもうれしくなってきた。


 こうしてゴーレム10体と、魔王、プリヒスによる温泉堀が始まった!


いつもお読みいただきありがとうございます。

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