1流レストラン
ギャルソンが去って、間もなくソムリエが二人のもとにやってきた、年のころは40代半ばの長身の男性である。
彼はワインリストを二人に見せて、ワインの説明を始めた。
「説明はもういいわ。お前のおすすめで!」
プリヒスはその冷たく妖艶な瞳でソムリエを見つめながら命じた。
彼もまた、二人をどっかの貴族か豪商だと勘違いしたようだ。
しばらくして、ソムリエの男はお勧めの赤ワインのボトルをもってきて、二人の前でボトルを開け、グラスについだ。
「なるほど、ワインとは南蛮の酒のことなのだな」
魔王はグラスのワインをゆっくりと堪能しながらつぶやいた。
「お気に召しまたか?」
プリヒスは魔王をじっと見つめ質問した。
「うむ、昨日飲んだビールもいいがこのワインというものもなかなかに美味じゃ!」
魔王はワインを気に入ったようだ。
しばらくすると、二人の前にオードブルが運ばれてきた。
先ほどのギャルソンが丁寧に本日の内容を説明した。
「うむ、よくわからんが旨そうだ!」
魔王は少し多めの前菜を一気に食べた。
「まあ、魔王様!豪快ですわ!」
プリヒスは魔王ににっこりとわらった。
「いまの料理は見た目は美しくあったが、旨いのかそうでないのか、よくわからん」
魔王の好みではなかったようだ。
続いて二人の前にスープが運ばれた。
ギャルソンはまた長々と説明を始めた
「これは、なかなかにうまいな!」
魔王はギャルソンの説明の途中でスープの皿を持ち一気に飲みほしてみせた。
「お代わりじゃ」
魔王はそういうとスープの皿をギャルソンに手渡した。
ギャルソンは最初困った顔をしていたが、プリヒスがさすような目でギャルソンをみていたため、そのまま皿を受け取り、再び魔王の前にスープを運んだ。
魔王は結局、スープを3杯お代わりした。先ほどのオードブルと違いスープは好みに合ったようだ。
続いてメインの肉料理が運ばれてきた。
ギャルソンの説明によると子羊の肉である。
「四つ足か! われの故郷ではあまり食さぬが、これも経験であるな」
魔王は少し躊躇したが、子羊の肉を大きめにナイフで切って口に運んだ。
「うむ、少し臭みがあるようだが、なかなか美味だのう!」
魔王は気に入ったようだ。
子羊の肉料理も魔王はお代わりした。
ギャルソンはもはや、当たり前のような表情で淡々とお代わりを魔王の前に運んできた。この辺りはさすがに1流レストランである。
最後に二人の前には豪華なデザートデイッシュが運ばれてきた。
「おお、これは初めて見るが、美しい」
魔王はその美しいデザートを壊すのがもったいないという表情をしていたが、1口手を付けると一気にかきこんだ。
「お代わりはいかがでしょうか?」
今度はギャルソンの方から魔王にお代わりの確認をしてきた。
この店のギャルソンはさすがであった。
「もらおうか!」
魔王はデザートも3杯お代わりをして、かなり満腹で満足したようである。
プリヒスはそれなりのチップをギャルソンに支払い、二人は店を後にした。
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