風呂友
風呂を満喫した魔王は、風呂友になった老人とともに隣接した酒屋に入った。
その酒場は銭湯と渡り廊下でつながっていた。銭湯と同じく和風の建物で、この周辺はまるで昭和の日本であった。
「さあ、風呂友よ! やはり風呂上りはこれに限るぞ」
老人は大きなジョッキに入った黄色の飲み物を2つ持ってきた。中には泡がジュワジュワ湧いている。
「これはな、ここの名物のビールという飲み物じゃ」
信長は老人にジョッキを手渡されるまま受け取った。
「乾杯!」
「ごくごくごく」
「ぷはーっ!」
老人は美味しそうにビールを飲んだ。
「おい、どうしたお前も飲まんか!」
魔王は老人と同じようにビールを飲んだ
「ごくごくごく」
「ぷはーっ」
「おお、なんだこの不思議な飲み物は! 体のほてりが一気にとけて、元気が出てくるぞ」
魔王はビールを一気に飲み干した。
「おお、おぬし、なかなかやる口だな! やはりビールは最初の1杯が1番おいしいからな!」
老人も魔王に続き、ビールを飲みほした。
「おーい、お代わりだ!」
「大ジョッキ2つ持ってこい!」
テーブルには大きなジョッキが2つまた置かれた。
店員はビールのお替りとともに、何かの肉とネギが串に刺さったものをもってきた。
「これはな、ネギマというのじゃ!」
「これを一口食べて、ビールをぐっと行くんじゃ」
「ぷはーっ! 幸せじゃ」
「1杯目とは、また違うぞ! おぬしもやってみんか!」
魔王は老人と同じようにネギマを一口食べてビールを飲んだ。
「プハーッ」
「ああっ!幸せだ!」
魔王は新たな楽しみを覚えた。
「お前と知り合えてよかったぞ! 風呂友とは良いものじゃな」
魔王は心からの友に初めてであった気がしていた。
「続いてはこれじゃ」
店員は徳利にはいった酒を持ってきた。
「ほれ」
老人はお猪口を魔王に渡して、酒をついだ!
「おお、この酒はオレも知ってるぞ」
魔王は懐かしい味が体に染み込んでくるようであった。
魔王と老人はお互いの立場など忘れ夜通し飲み明かした。
こうして、二人は本当の風呂友になったのだ。
魔王は忘れていた、銭湯の表で待つ女の事を・・・・
「魔王様・・・・」
プリヒスは銭湯に入ったきり、一向に出てこない魔王を朝までけなげに待っていた。
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