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風呂2

「なんじゃお主、石鹸を知らぬのか?」

 おじいさんは優しく魔王に石鹸の使い方を教えてくれた。

「そのタオルに、この石鹸をこすりつけゴシゴシしてみろ」


「おおっ、泡がどんどん出てくるぞ!」

 魔王は感動しながら石鹸で一杯になったタオルで全身をゴシゴシ洗い始めた。


「うむ、次はシャンプーだな! 石鹸を知らないのだから、シャンプーも知らんのだろう」

 おじいさんは魔王の頭にシャンプーをつけて、泡を立てて、ゴシゴシ洗い始めた!


「こ、こら何をする!」

 魔王は突然のおじいさんの行動に慌てふためいた。


「ええい、暴れるでないわ! どうじゃ、気持ちよいだろう! 後は自分でゴシゴシやってみろ!」

 おじいさんは、かなり面倒見がよいようだ。


「なるほど、これは気持ちいいな」

 魔王はいつまでもゴシゴシ頭を洗っている。


「バシャーッ」

「いつまで洗っておるのだ! もういいじゃろう!」

 おじいさんは魔王の頭にお湯を豪快にかけた。


「よし、これで準備は完了じゃな! 湯船に入るぞ!」

 おじいさんと魔王は2人並んで湯船につかった。


「オー極楽極楽!」

 おじいさんはタオルを頭にのせて、呟いた。

「ほれ、お前さんも言ってみろ!」


「オーゴクラクゴクラク」

 魔王はなんだか、体の疲れが取れていくのを感じた。


「ほれ、いいもんじゃろ」

 2人の後ろの壁には富士山そっくりの巨大な絵が描かれていた!


「この山は?」

 魔王がおじいさんに尋ねた。


「なんじゃ、お前さん。マウントフージを知らないのか?」

「伝説の物語に出てくる有名な山じゃ」

 おじいさんは顔を真っ赤にしながら答えてくれた。


「そろそろでるか! 風呂上りはアレを飲まんとな!」

 おじいさんは魔王の手を引いてともに湯船を出た。


「プハーッ!」

 おじいさんは謎の液体をおいしそうに飲んだ。


「お前さんは飲まないのか?」

 おじいさんは不思議そうに尋ねた。


「もうお金がなくて・・・・」

 魔王はしょんぼりしていた。


「なんじゃ早く言わんか」

 おじいさんは番台のおばさんに銅貨1枚を渡し、瓶に入った飲み物を魔王に手渡した。

「ほれ、今日はおごりじゃ! その飲み物を飲むときはまず腰に手を当てるんじゃ! そして一気に飲み干す! ほれやってみろ!」

 おじいさんは身振り手振りで、丁寧に教えてくれた。


「こ、こうか! ごくごくごく! う、旨い!」

 魔王は初めて飲んだ珈琲牛乳に感動した。

「こんなうまいものは、初めてだ!」


「そうじゃろう、そうじゃろう」

 おじいさんは魔王の表情にとても満足したようだ。

「わしらは、これで風呂友じゃな! ワハハハハ」

 こうして二人は風呂友になった。


お読みいただきありがとうございます。

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