朝食
魔王は巨大なダイニングテーブルで朝食を待っていた。
「つい腹が減ったといってしまったが・・・・」
魔王は後悔していた。自ら魔王と名乗っていた信長であったが、本物の魔王になったのは初めてである。魔王の食事とは何が出てくるのだろうと・・・・トカゲや蛇を食べるのだろうか、もしや人間?魔王のドキドキはとまらない!
その時、プリヒスがなにやらスープのようなものをもってきた。
「な、何だこの汁は?」
魔王の声は上ずっていた。
「あら魔王様、いつも朝はポタージュスープでございますが・・・・」
プリヒスは不思議な顔をしている。
「であるか・・・・」
魔王は心の中でポタージュスープを想像した。このドロッとした見た目、おそらく何かを死体をどろどろになるまで煮詰めたものだろう。魔王とはこのような面妖なものを食するというのか・・・・
いかんいかん、魔王としてここは堂々と、この面妖なものを食さんと!
何、一口たべて、今日はもうお腹いっぱいだとか、何とかいってごまかそう!
魔王は、ドキドキしながらポタージュスープを一口すすってみた。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおお!」
美味い、旨いではないか! 魔王は初めて飲んだポタージュスープに夢中になった!
「ごくっ ごくっ ごく」
魔王は一気に飲み干してしまった。
「ま、魔王様! 今日はおなかがすいて見えたようですね・・・・」
プリヒスは目を丸々している。
「そ、そうだな! 今日はいつもより少しな!」
「も、もう少し、もらえるか・・・・」
魔王は恥ずかしそうにお代わりを要求した。
「え、あ、はい! ただいま」
プリヒスはお代わりのポタージュスープを持ってきた。
魔王はすぐにまた飲み干し、結局5杯のポタージュスープを平らげた。
「明日からは、もう少し大きな器でご用意しますね!」
プリヒスは顔を引きつらせながら、伝えた。
「であるか」
魔王は満足しているようである。
「それでは、先ほど話したように本日は街を見学に行くとするか!」
「それでは、お願いします」
プリヒスは魔王に寄り添った。
「な、何をしておる!」
魔王は突然の行動に驚いた。
「え? いつものように魔王様の転移魔法で行かれるのでは?」
プリヒスは魔王の態度に驚いていた。
「な、なんだ転移魔法とは?」
魔王はつい聞いてしまった。
「は、はあ・・・・これまで行ったことのある地に瞬時に移動する魔法の事ですが・・・・」
プリヒスは当たり前のことを何故わざわざ聞くのか疑問だった。
「おお、そうだったな・・・・今日はお前のおすすめの町が見たいと思ってな! 当然その魔法は使えるのだろう?」
魔王は苦し紛れに言い訳してみた。
「なるほどー、そういうことなのですね! 了解いたしました。本日は私が魔王様をお連れしますわ」
プリヒスは嬉しそうだった。




