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野営の夜

ケント男爵であるアブラハムは村人に借りている家で帳簿と睨めっこをしていた。


大日本帝国に約10万金貨を贈与したことでアブラハムが総裁を務めているケント銀行の決算を修正する羽目になった。


「チッ書類仕事が終わらねぇ。10万じゃなく1万にしとくべきだった」


10万の拠出は類を見ないため非常に難しい。

特に来年度の公共事業や防衛費の予算や他国企業の出資などにも資産を使っているため結構数字が狂ってしまった。


「ご領主さま。そろそろお休みになってはいかがですか?」


廊下にいた女が気を遣ってか、休むように言ってきた。


「ふむ、その通りだ。布団を用意してくれ」


アブラハムが寝るため布団を用意させるように言う。

だがその女は布団を用意する行動を見せずにいた。


「どうした?早く用意しろ」


「あの、ご領主さま。お願いがございます」


「お願いだと?この村には金を入れた。他に何が欲しいというんだ?」


「あの…その…」


「早く申せ、俺は疲れている」


「子種を…」


「…」


アブラハムも子種が欲しいと思っていなかったため押し黙った。


「ご領主さま。どうかこの村に子種をおとしてくださいませ」


その夜、何が起こったか。言わずともわかるだろう。


朝になると村の外では寝袋をたたみ武器などの整備や服に軽量鉄板の状態を確認していた。

それが終わり次第各隊で朝礼が行われていた。


「おはようございます」


「「「「おはようございます」」」」


「今日はこの村を出て新たにヘリゴ駐屯地に向かいます。ヘリゴ駐屯地では一泊し食料を補給してまた、王都に向かいます」


「「「「了解であります」」」」


「では安全、安心」


「「「「安全安心」」」」


「前方確認、後方確認」


「「「「前方確認後方確認」」」」


「我が軍、君主は」


「「「「アブラハム様」」」」


「我が軍、守るは」


「「「「アブラハム様」」」」


「では解散」


「「「「了解であります」」」」


このように朝礼が行われる。

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