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舞踏会の招待状が来たんだが。

アブラハムは畑仕事が終わり執務室で王国から来た手紙を確認していた。


「舞踏会。ねぇ?」


アブラハムはあまり舞踏会は好きではなくなった。

男爵になりこの辺境を押し付けられ一生ここに縛られる未来が見えるからだ。

だからこそ舞踏会に出る意味はない。

アブラハムは独立を人生においての最終目標にしていた。だからわざわざ舞踏会に行き嫁探しと言うよりも畑仕事やら牧畜の世話をしていた方が建設的だ。


「おい。其処の村人。これを王国に届けたまえ」


「わかりました」


返答の手紙には陳情と小切手が入っている。この小切手の額は100金貨の価値がある。アブラハムからしたらはした金だがただでさえ財政難で困っている国から見たら結構な額だ。


これさえ渡せば王家は黙る。

そう思っていたんだがなぁ。


「陛下、ケント男爵から陳情が届きました」


「ふむ。して内容は?」


「読ませていただきます。『我、思うに今回の舞踏会は建設的に非ず。よって我は不参加を申す。失礼ながら不参加するため小切手に書いてある資金で不参加を認めるようお願い仕る』と書かれております」


「ふむ。朕は舞踏会の参加を原則、義務としておる。よって今回の不参加を朕は認めない。参加を催促する手紙を再度送るように」


「ははぁ」


こうして再度手紙が送られた。


「クソがッ」


アブラハムは手紙を床に投げつける。


「そこ。いますぐ服飾のペンタゴンを連れてこい。あと靴屋と帽子 眼鏡、運送屋も連れてこい」


「わかりました」


アブラハムは村にある服飾屋と靴屋、帽子屋、眼鏡屋、運送屋を連れてくるように命じた。


「領主さま。今回はどういった御用でしょうか?」


服飾屋のペンタゴンが代表して今回の内容を聞く。


「今年行われる舞踏会に参加することになった。貴様らには各々服、靴帽子、眼鏡を作ってもらう。運送屋は王都に行くまでの輸送に関することだ。

服は上下白のスーツ、シャツは黒、靴は革靴、帽子は黒のフェルトハット、眼鏡はサングラスだ。」


「わかりました。早速取り掛かります」


普段はこの後雑談をするのだが機嫌が悪いことに気づいた服飾屋は早めに切り上げた。


「領主さま、持って参りました」


「うむ、では見せて見よ」


「はい。ではまずスーツですがこちらがご要望通り白であしらったスーツでございます。このスーツは機能性はあまりありませんが耐久度を重視しており鋭利なナイフでも貫通しません」


「おぉ、そうかそうか」


アブラハムは感心そうに言う。


「そして黒のシャツ。これは着心地良さを重視した布を使っております。では次に靴の方に行きましょう」


ペンタゴンが靴屋に目配せする。


「はい。革靴と言うことでケント領でとれる最高級の革を使っております」


「では次に、帽子屋」


「はい、ご要望通り、黒のフェルトハットでございます。このフェルトハットは夏場頭が蒸れないよう通気性をよくしてあります」


「次に眼鏡屋」


「はい、これはケント領の極東にある鉱山でとれた金をサングラスの縁につかっていり極めて豪華に仕上げています」


「ふむ、みなありがとう。これで舞踏会に挑めそうだ」


「いえいえ。私たちは領主さまのため、領のためにしていることですので」


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