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畑を耕す領主さま

とある辺境の畑。

そこに今回の物語の主人公。アブラハムがいた。

彼は死に物狂いで畑を耕し、種をまいていた。


「はぁ、なんで俺がこんなことを」


アブラハムがそう嘆くのは彼は彼の国の男爵とはいえ貴族であった。そして男爵の地位には似合わない資産を保有していた。だがそんなアブラハムは今畑を耕している。

その所以が辺境という言葉だ。


辺境、それは地方は地方でも最も大陸の端っこにある土地だ。

物流はなく商人は一人も来ない。国の中心である王都からは最も遠く、近い街でも片道一月。

そして辺境ならではの魔獣や野獣。そして極めつけには神獣、魔族すらもうろついている。

魔獣や野獣やらだけだったら商人も行き来するだろうが魔族やら神獣やらがうろつくから、なかなか来ない。


だから食料は輸入もできない。

だから自給自足をしなければならない。


「チクショー!家継いだら楽できると思うたのに

なんでや!」


アブラハムには兄やら姉がおり本来ならばそっちの方が継ぐ予定だったが王都の方に母と住んでいたアブラハムは領地のことを知らず口車に乗せられ、辺境領地を押し付けられた。


「領主さまー!」


村人がアブラハムの方に向かってくる。


「なんだ?俺は今、お前らのために畑を耕してやってんだろう?その邪魔をするということはそれ相応の話なんだろうな^^?」


「王国の兵からこれをお預かりしました」


「はぁ?」


「ひっ」


「そんなもん屋敷のポストに入れろってなんかいいったら理解できるんだ!!」


「はっはいぃ!}


「もういい。貴様はすぐに仕事に戻れ。いいな?じゃないとお前の世帯だけ税を増やす」


「ひぃぃぃ!わかりました!」


とりあえず預かった手紙をそこら辺に放り投げておく。


「さて。やりますか」


ふたたび彼は重い耕運機のハンドルを持ち畑を耕すのであった。


耕運機:魔力によって動く畑を耕す機械。よって貴族(魔力持ち)しか動かせない。

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