表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これは魔法の書です。  作者: わおん
1155/2508

1155

達人の技など、


実際の試合では、


使えない。



だから、老人が、


プロレスラーを倒す様な出来事は、


現実には、起こらない。



しかし、それを承知の上で、


僕は、何かを求めていた。



現在、謎の施設で、


僕は、巨漢のターちゃんを相手に、


軽く触れて敵を殺す。



そんな技を練習している。



先程、僕は、新聞男から、


その技を食らって、


死ぬ様なダメージを受けたのだ。



もし、僕に、驚異の回復力が無ければ、


本当に、死んで居ただろう。



つまり、不思議な技は、


実在するのだ。



では、その正体は?


気功?



しかし、そんなモノで、


何とか成るなら、


自称・武術気功家は?



なぜ、それをYoutubeで自慢しない?



弟子相手にしか、通用しない技、


レンガ相手に、通用しても、


試合では使えない寸剄すんけい



寸剄とは、拳を相手に、


密着させた状態で、


ボクサーのストレートの様な、


強力な突きを放つ技である。



しかし、パフォーマンスで、


それが出来ても、


試合で、それが使える人は居ない。



もし、ボクサーのストレートが、


相手の心臓の位置に命中したら、


相手は、死ぬ危険性がある。



それがストレートなのだ。



つまり、寸剄で、


その様な力が出せるなら、


脇腹や、心臓の位置に、


一撃を入れる事で、


相手は、その瞬間に、


ダウンしているハズなのだ。



ところが、そんな試合は、


存在しない。



では、今、僕は、


何を練習しているのか?



このままでは、


得るモノが無い。



僕は、その様に判断した。



僕に必要なのは、


戦力である。



長年、練習すれば、


到達出来る。



そんな夢の様な、


根性論では無いのだ。



そこで、僕は、


ターちゃんに、お願いした。



「今後は、僕が受けますから、


お願いします・・・」



その願いに、困惑するターちゃん。



そんな事をすれば、


死ぬ程のダメージを受けるのだ。



こんなニコニコした人に、


そんな残酷な事を、


させても良いのか?



僕は、言ってから、


後悔していた。



しかし、僕の許可も無く、


恐竜相手に、僕に攻撃したのは、


この人たちである。



一体、何が目的なのか?



それは、不明だが、


この人たちは、


僕が死なない事を、


確信しているのだ。



だから、恐竜に襲わせ、


新聞棒で、僕を吹っ飛ばし、


寸剄で、僕を殺したのだ。



実際には、死んでいない。



しかし、


そんなのは、結果論である。



本当に死なない保証があるのか?



僕の心の後遺症は、


どうする、つもりなのか?



そんな事を考えた場合、


コイツらは、クズである。



顔が、やさしそう・・・



そんな理由で、


善人と決めるのは、危険である。



しかし、これは、チャンスなのだ。



お爺ちゃん体操では、


得られなかった殺人手段。



僕は、それが欲しいのだ。



すると、新聞男が、


ターちゃんに許可を出した。



ターちゃんの右手と、


僕の右手が密着する。



ターちゃんは、


相変わらず、


僕の身長に合わせた中腰である。



しかし、次の瞬間、


僕は、その光景を、


スローモーションで見ていた。



僕の右腕が、短く成って行く。



僕の腕は、棒の様な状態のまま、


後方に押されているのだ。



しかし、身体は、動いていない。



つまり、僕の腕の骨は、


背中側の皮膚をつらぬいて・・・



その様な状況が、


克明こくめいに理解出来た。



つまり、僕は、


腕が背中を、突き破ったのに、


その場から、吹っ飛ぶ事も、


のけ反る事も無かった。



これは、技術的な能力なのか?



その後、僕は、


激痛に苦しみ、


その場に、倒れ込んだ。



そして、回復によって、


腕の骨が、元の位置に移動する。



そんな、気持ちの悪い感覚を、


味わっていた。



恐竜に、襲われていた時は、


次の攻撃に対応する為、


気持ちの悪い感覚など、


無視出来た。



しかし、現在は、


その様な状況では無い。



その為、自分の回復を、


生々しく感じてしまう。



しかし、楽しい・・・



おそらく、ターちゃんの能力の、


影響である。



すると、新聞男が、


「正直、何も解らなかっただろ?」


と、僕に問いかけた。



それは、事実であった。



だから、僕は、素直に答えた。


「全く、解りませんでした。


どんな原理で、この現象が起きるのか?


ヒントも得られませんでした。


すいません・・・」



思わず、謝ってしまう。



一体、僕の何が悪い?



冷静に考えれば、


僕は、何も悪く無いが、


罪悪感で、押し潰されそうだった。



後で思えば、


僕は、ターちゃんに、


ひどい事をさせたのだ。



しかし、


これによって、僕は合格していた。



新聞男が、自己紹介を始めた。



「俺の名前は、土屋笑吉、


簡単に言えば、お前の先輩だ」



その先輩が、何を意味するのか?



その理由を聞く前に、


ターちゃんが、


「ボクは、月野太一です、力持ちです、


ターちゃんです」



まるで、子供の学芸会の様な、


話し方であったが、


不快では無かった。



その後、僕は、嘘の様な話を、


聞く事に成る。



その昔、と言っても、


30年以内の出来事。



この世界に、魔法使いが誕生した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ