プロローグ-一般高校生後藤駆馬の一日-
けっこうPVふえますよーに!
———唐突だが、俺は俺の名前がそこそこ嫌いだ。
俺の名前は後藤駆馬。ちょっとだけ厨二病だが、ただの高校生だ。一般家庭に生まれて、普通に育って、普通の高校に進学して、好きなように生きている。まあ、好きなように生きれてる時点で恵まれてるのかもしれないけどな。趣味はゲームで、学校から帰ったら寝るまでずーっとゲームをしているが、しっかりと学校で勉強しているので、テストの順位は上の下ぐらいだ。
俺の人生は、大体こんなものだ。
それじゃあ話を戻そう。もう一度言うが、俺は俺の名前がそこそこ嫌いだ。別に日常生活に支障は無いし、他人から馬鹿にされる程のキラキラネームじゃない。だが、俺はそこそこ嫌いだ。
俺の名前の由来は、両親共々が競馬好きなところかららしい。駆ける馬ってことだ。だがまあそれは良い。だって、趣味は否定するものじゃない。競馬で金を使い果たすって言うのなら別だが………幸い、両親はどちらも見る専門で、賭けることはない。
だが、読みがカルマってのが気に食わない。カルマ、業。つまり、因果応報。そこに繋がるのが気に食わない。
仏教思想で、現世での行いが、次の人生や未来の運命を形作る。だっけな?別に他人がそう思ってるのは構わない。でも、俺は信じない。
人生ってのは一度きり、未来の運命なんてない。だったら、今を好きに生きたい。これが俺の考えだ。まあ、やっぱり厨二病な感じはするが………しょうがない。だって厨二病なんだから。だからとにかく、俺は今を好きに生きるし、思いついた事はすぐやるようにしている。
未来のことなんて、考えてもしょうがないんだ。
そんな事を考えながら俺は貧乏ゆすりをする。………遅いな。
「おーいカルマーっ!待たせたな!」
その時、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。その方向を見ると、ラフな格好で、身長は百七十センチメートルぐらいの男がこっちに手を振っている。
「お前…その名前で呼ぶなって何度も………てか、遅れすぎだろ!」
俺は今日、こいつと遊ぶために、公園で待ち合わせをしていた。
因みに、集合時間は三時半だ。
今の時刻?
四時半だよクソ野郎。
「あっはは!ごめんごめん〜。いやー家でスマホ無くしちゃってさあ………見つけるのに時間かかったんだよねー」
ヘラヘラと笑ってはいるが、悪気はある………と思う。結構長年の付き合いだから、なんとなくそんな気がする。
こいつは白鳥海斗、俺の親友だ。小学校時代からずっと友達で、なんの因果か高校までも同じところに入学した。
チャラチャラヘラヘラしてる奴だが、いい奴であることは間違いない。
因みに、こいつには可愛い可愛い彼女がいる。
……俺?いねえよ。
「ほら。早く行くぞ」
「りょーかーい!」
今日はこいつとカラオケだ。何でも、彼女とカラオケに行く時のために練習しておきたいらしい。その提案者自身が遅れてくるのはおかしいと思うが………まあこいつが遅刻することなんてあるあるだから、そこまで気にしない。
………後三十分遅れてたら許さなかったけどな。
そして、店に着いた俺たちは運が良く、部屋が空いていたのできっちり三時間カラオケを楽しむことができた。
—————————
「あ゛ぁー喉痛い」
「歌いすぎなんだよ………」
結局、三時間中の二.五時間ぐらいは、こいつが全力で歌っていた。そりゃあ、喉も痛くなるだろう。
現在は、二人で家に帰る道中。
その時ふと、海斗が足を止めた。
「あ、自販機だ!オレンジジュース買ってこよ!」
「じゃあ、俺はコーラで」
俺はしれっと海斗に注文を伝えておく。
「お待たせー!」
すぐに、海斗はコーラを持ってきてくれた。
「何円だった?」
「220円」
「マジでどんどん高くなってるよな………あ」
あー………
「どうしたの?」
「金が、無かった………」
俺の財布には、43円しか入っていなかった。
どーしよ。
「いいよいいよ!明日の学校で返してくれたら良いからさ!」
「おぉ、お前にも優しいところがあったんだな………」
「貸し1ね。」
こういう所が、優しいんだよな………もしかすると、こいつの彼女はそこに惚れたのかもしれない。
その後も、俺たちはそんな事を言い合いながら帰り道を辿っていた。
だが、こいつとはここでお別れだ。
「じゃ、また明日な。」
「うん!今日はありがとね〜」
海斗と別れた俺は、引き続き帰り道を辿る。
「そういや、今日の晩飯なんだろうな………」
俺の家では、いつも母親が飯を作ってくれている。ただ一つ不満を言うとするなら、レパートリーが少なすぎる。昨日は麻婆豆腐で、一昨日も麻婆豆腐だった………流石に今日も麻婆豆腐って事はないよな………?
そんな事を考えながら、俺は信号を渡———
「おい君ぃ!危ないぞ———」
ん?
横を見ると、トラックが迫ってきていた。俺は咄嗟に回避を………いや、これはもう———無理だな。
死を悟った俺の脳内には、今までの人生が次々と思い浮かび、消えていく。あぁ、これが走馬灯ってやつか………まさか、こんなに早く体験することになるなんてな。
凝縮された一瞬の中で、トラックはどんどんと近づいてくる。
あぁ、こんな不注意で死ぬなんて………まだまだ、やりたいことは沢山あるのに………
………でも、人生は一度きりだ。そういうポリシーを持っているんだから、曲げることはできない。
短い人生だったけど………しょうがない。もう、諦めよう。
生存を諦め、死を受け入れようとしていた俺の脳内に、最新の記憶が浮かび上がった。
「あ———あいつに金……返せなかったな……………」
———意識が途絶えた。
異世界系って、だいたい一話で舞台が変わるよね。




