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デュアルリバース 転生. (Dual Rebirth)   作者: 善悪 亮 (Ryo Zenaku)
「春日血統の影」ブロック5
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「嫉妬と鋼の炎」第99話 ブロック5


講師が中庭の端、練習用具が壁際に積み上げられている一角へと顔を向けた。


講師:「シド、頼む。ヴァンスの若様に木剣を届けてちょうだい」


隅の方から、あのピンク色の尖った髪の少年が、いつもの手際の良さですぐに頷いた。


シド:「はい、先生」


彼は練習用武器が山盛りにされた赤みがかった重い金属バケツに近づき、柄の一つを選び取った。訓練地をしっかりとした足取りで歩き、ジュリアンの前でピタリと立ち止まると、敬意を込めてその道具を差し出した。


シド:「どうぞ、ジュリアン様」


ジュリアンは彼の目を一瞥すらもしなかった。蔑みと冷徹な動作で、感謝の言葉を一切口にすることなく、手から木剣をもぎ取るように奪い去った。継承者たちの冷遇に慣れ切っていたシドは、動揺することなくただ引き下がり、中庭の隅にある見張りの持ち場へと戻っていった。


ジュリアンは、地面に赤と白の縞模様で描かれた円の中央へと一歩を踏み出した。木剣を軽やかに手に持ち、切っ先を怠そうに石の床に向けたままぶら下げていた。一瞬のうちに、真紅の閃光が武器を走り抜けた。熱量に満ちた、濃く貪欲な鮮黄色の炎が柄から噴き出し、圧倒的な熱の螺旋となって木剣を飲み込んだ。


ためらいを微塵も見せず、ヴァンス家の継承者は猫のような素早さで胴体をひねり、空中に向けて渾身の下段斬りを放った。純粋な炎の三日月が切っ先から剥がれ落ち、凄まじい速度で空間を切り裂き、地面に描かれた的に向かって一直線に飛翔した。


純然たる力の誇示を目の当たりにし、生徒たちは息を呑んだ。しかしそのコンマ数秒後、全員の表情が恐怖で凍り付いた。


炎の飛翔体は本来の軌道から外れていた。的の中心に向かっていなかったのである。炎の尾は異様な軌道を描いてねじ曲がり、一直線に、容赦なく、シドが立っている隅の空間へと切り込んでいった。


「危ないっ!」


二列目にいた生徒が腕を精一杯伸ばしながら絶叫した。


「そこから避けろ、バカ!」


別の生徒が絶望に満ちた声で怒鳴りつけた。


警告の言葉は間に合わなかった。炎は耳をつんざく轟音を立ててシドに襲いかかった。だが、少年はパニックに陥って立ちすくむことも、逃げ出すこともせず、スラム街でのサバイバルと過酷な肉体労働で培った驚異的な反射神経が体に染みついていることを証明した。


本能的かつ流れるような動きで、シドは隣にあったバケツに手を伸ばし、躊躇することなく別の木剣を引き抜いた。彼の薄茶色の瞳が、襲いかかる炎の奔流の先端を正確に捉えた。炎の速度をほぼ人間離れした精度で計算し、まさに炎が顔の数センチ先を舐めるそのミリ秒の瞬間を見計らい、彼は自分の武器で残酷なまでに鋭く力強い上段斬りを放った。


――クラックッ!


衝撃波に叩きつけられた打撃は、炎の攻撃を完璧に左右対称の二つへと両断した。炎は両脇へと拡散し、アカデミーの石壁に無害に衝突する前に、濃い煙の渦となって消え去っていった。


中庭全体が完全な静寂に包まれた。誰も息をしていなかった。


「どうやって……ただの木剣であんな真似が……?」


観覧席から一人の少女が、大きく目を見開きながら小声で呟いた。


「あれは狂気の沙汰だ……炎の魔法すら使えないのに、貴族の直撃魔法を弾き返したぞ!」


目の前で起きた出来事が信じられず、別の生徒が驚愕の声を上げた。


円の中央で、ジュリアン・ヴァンスは完全に微動だにしなかった。その顔立ちは大理石のように冷たく無表情のままだったが、その黄金の瞳の奥底では、暗く殺意に満ちた屈辱の火花がギラギラと燃え盛っていた。


誰にも知られていなかったが、今の攻撃は初心者の凡ミスなどではなかった。完全に計算されたものだった。ジュリアンは自分の魔法の射程距離をミリ単位で把握していた。彼の本当の意図は、その平民を直撃し、両足を粉砕するか、しばらくの間まともに動けないほどの重傷を負わせることにあった。もしアカデミーから排除することに成功すれば、あの男をサユリの視界から永遠に遠ざけ、彼女を見つめることさえ許された不愉快な虫を根絶やしにできる。


だが、その愚かな計画が失敗に終わり、平民の身体能力によって無傷で切り抜けられたことを目の当たりにしたジュリアンは、即座に状況に適応した。演技をしなければならなかった。講師やその他の上流階級の面前で、表向きの体を保たなければならなかった。


魔力の瞬きで剣の炎を消し去り、ジュリアンは演技じみた困惑の表情を作り上げ、シドが立っている方向へと顔を向けた。


ジュリアン・ヴァンス:「本当にすまなかった……流量の出力を計算し損ねるなんて意図したわけじゃない」


ジュリアンは十分な懸念を含んだ、完璧にコントロールされたトーンを保ちながらその場から声を張り上げ、誰も彼の無実を疑わないように取り繕った。


ジュリアン・ヴァンス:「怪我はないか?」


その真面目で計算された面持ちには、微塵の罪悪感すらも表れておらず、周囲の人々はあっさりとそれをヴァンス家の若様による単なる技術的ミスとして受け取り始めた。


シドは肩に付いた煤を払い落とし、息を整えながら、いつもの謙虚さを交えて事態を軽く見せるように照れくさそうな笑みを浮かべた。


シド:「ははは……気にしないでください、ジュリアン様、何ともありません。大事には至らなかったので」


シドはバケツに剣を戻しながら、安心の息を吐き出した。


講師は眉間に深く皺を寄せながら厳格に割って入り、この一件に幕引きを図った。


講師:「魔力の制御にもっと気を配りなさい、ヴァンス。実戦においてそのようなミスは、仲間の命を奪うことになりかねませんよ」


ジュリアンは従順を装って頭を下げ、その内臓を焼き尽くすほどの怒りを必死に押し隠した。


ジュリアン・ヴァンス:「はい、先生。次回からは十分に留意します」


講師:「よろしい。誰も気を緩めるな。全員持ち場に戻りなさい、隊列の訓練を続行する!」


厳格な拍手とともにセッションが再開された。


生徒たちはそれぞれの日常のルーティンへと戻っていった。シドは、午後の炎の練習の熱によってすでに表面が完全に炭化し黒焦げになっていた古い武器の代わりに、バケツから新しい木剣を回収して配る作業を黙々とこなしていた。授業は一見すると、公爵領の軍事的な規律と単調さに支配された日常へと戻ったように見えた。


だが、二人の姉妹が再び中庭に戻ることは二度となかった。


そこから離れた場所、アカデミーの医務室の静かで安全な庇護のもとで、シオリとサユリは白い簡易ベッドの縁に並んで腰掛けていた。


訓練場から逃げ出した後、サユリは必要な限りの時間、姉の側に寄り添い続けると強く主張していた。他の生徒たちの前で炎を呼び出せないという屈辱から彼女を守るだけが理由ではなかった。その胸の奥底では、深い負債感と無条件の愛情の脈動が鳴り響いていた。シオリは常に彼女のためにそこにいてくれ、自身の痛みを沈黙の中に耐え忍び、最悪の瞬間に彼女を抱きしめ、春日家の世界が彼女を引き裂こうとするたびにその欠片を拾い集めてくれていたのだ。


今、ほんの一瞬だけ、その立場が逆転していた。シオリは自分は健康体であり、何の治療も必要ないと繰り返し主張したものの、サユリは彼女のそばを離れることを断固として拒絶し、保護するように温かく両腕で彼女を包み込んでいた。その即席の聖域の中で、他の者たちの冷ややかな視線から遠く離れて。


夕暮れがアカデミーの敷地をゆっくりと浸食していく。時間が経過するにつれて、生徒たちのざわめきは次第に消え失せ、キャンパスは完全に無人となっていた。サユリやシオリを含め、誰もがそれぞれの寮や屋敷へと引き揚げていた。しかし、たった一人の生徒だけが、いまだにメインビルディングに残されていた。


シドは中庭の敷地とそれに続く廊下に残され、午後の破壊的な炎の実習が残していった炭化した木片を拾い集め、散らかった瓦礫を根気強く掃き掃除していた。自分の労働と肉体労働以外で生計を立てる方法を知らない者の持つ献身性をもって、彼は黙々と働き続けていた。


その頃、建物の内部では、静かな気配が暗い回廊を彷徨っていた。ジュリアン・ヴァンスは、確実で間延びした足取りで歩を進めていた。高い窓の外で太陽がまさに沈みゆく中、彼が通り過ぎるたびに、その黄金の瞳にはオレンジ色の光の残響が反射していた。廊下の静寂は墓場のように重く、彼の衣服のこすれ合う音とかたい靴底が鳴らす大理石の鈍い反響音だけがそれを破っていた。


ジュリアンは暗がりの中を進み続け、やがて「理事長室」と銀の美しいプレートが彫り込まれた、重厚な色の木製の威厳ある扉の前に立ち止まった。


ためらうことなく、彼はドアノブを回して足を踏み入れた。


理事長室は広大な空間であり、古い書物の詰まった棚、学術記録、そして金で縁取られた多数の卒業証書や貴族の称号の額縁で埋め尽くされていた。巨大なマホガニーの机の後ろに座っていたのは、このアカデミーの最高権力者である理事長だった。厳格な顔立ち、胸元まで垂れ下がる濃い白髭、鼻梁に乗せた丸眼鏡。彼の眼光は鋭く、権威の刻まれたシワに覆われた肌、そして微動だにしない圧倒的な古の力を放つ姿勢を崩していなかった。


扉の音を聞き、老人は書類から目を離し、若者を見据えた。


理事長:「やれやれ……こんな時間に何の用だ、ジュリアン。久しぶりだな、坊主」


ジュリアンは背筋を完全にまっすぐに伸ばし、無表情を貫いたまま立ち尽くし、冷徹な自然さをもってその要求を言い放った。


ジュリアン・ヴァンス:「頼みがあるんだ……祖父さん」


その言葉に続く静寂は絶対的であり、鉛の板のように重かった。孫と全く同じ、強烈な黄金色の瞳を持つ老人は、氷のような冷徹さで彼を分析した。


理事長:「何の頼みだ、正確には?」


ジュリアンは一歩前へ踏み出し、まばたき一つせずに視線を絡み合わせた。


ジュリアン・ヴァンス:「あの奨学生の雑用係、シドをクビにしてほしい。アカデミーから追放してくれ、正確に言えばね」


老人は眉間を寄せ、怒りの閃光が目を走る中、あからさまに表情を険しくした。


理事長:「明確な行政上の正当な理由もなしに、従業員や奨学生を解雇することはできん。子供の気まぐれだけでそんな真似はせんよ、たとえそれが自分の孫であってもな」


拒絶の言葉に対し、ジュリアンは少しも動揺しなかった。それどころか、さらに距離を詰め、一族の長である男の机の前に圧倒的な存在感で立ちはだかった。


ジュリアン・ヴァンス:「理由は、あいつが僕の婚約者に手を出しているからだ。私たちの血のルールでは、誰一人として私たちの女に近づくことを許してはならないと、祖父さんは完璧に知っているはずだ。それとも、もう忘れたのか? それとも、都合よく忘れ去りたい過去でもあるのか……?」


「――お前、本気でそれを口にするつもりか……!」


老人は低くうなり声を上げ、机上のインク壺を揺らすほどの勢いでガタリと立ち上がり、込み上げる抑えきれない怒りを剥き出しにして孫を睨みつけた。


ジュリアンは祖父が率いる一族の権威を前にしても臆することなく、わずかに顎を上げた。


ジュリアン・ヴァンス:「あなた自身の婚約者に裏切られ、昔別の男と駆け落ちされたという事実があるからといって、僕にも同じことが起きるのを黙って見過ごせとでも言うのか? そして、お前が我が一族の評判が再び泥をかぶるのを望んでいるとは思えないがね? あなたはこの家の当主だ。最優先の義務は私たちが立ち上がり繁栄し続けるように導くことであり、僕はあなたの直接の責任の一つだ」


ジュリアンの言葉は、老人の最も深い誇りに直接突き刺さる鋭い杭のように落ちた。それは厳しく、血縁への敬意を完全に欠いたものであったが、貴族社会の容赦なき論理の中では、紛れもないシニカルな真実を含んでいた。


理事長は奥歯を噛み締め、怒りの震えを鎮めるために深く息を吸い込み、忌々しげに腕を組みながら折れた。


理事長:「近頃の若い者は、年長者に対する最低限の礼儀すら完全に忘れ去ったらしい……いいだろう。その件は私が処理しよう。だが、よく覚えておけ:これが片付いた後、二度と私に別の頼み事を持ってくるな。将来的に自分で問題を起こしたなら、自分で始末しろ。お前の個人的な問題など、お前の管轄に過ぎん」


ジュリアンは乾いた形式的な一礼として、わずかに頭を下げた。


ジュリアン・ヴァンス:「一族全体の栄誉が脅かされる事態に介入してくれと頼んでいるだけだ。違うかい?」


理事長:「自分のやっていることが分かっているのだといいがな」


冷たく吐き捨てると、老人は重々しく身を翻し、茶色の革張りの椅子へと再び腰を下ろした。


それ以上の一言も加えず、ジュリアンは身を翻して出口へと歩み出した。しかし、ちょうどドアノブに手をかけ、まさに部屋の敷居をまたごうとした瞬間、彼はピタリと足を止めた。わずかに顔を後ろへと向け、薄暗い部屋の光が彼の黄金の片目を鮮やかに照らし出すようにした。


ジュリアン・ヴァンス:「なあ、祖父さん……可能なら、今すぐやってくれ。ゴミは溜まり出す前に素早く処分するに限るからね」


ドアを完全に開け放ち、ジュリアンは廊下へと出ると、背後で荒々しく扉を閉めた。老人は閉じられた木片の塊を数秒間じっと見つめたが、やがて倦怠感の滲むため息を吐き出し、自身の業務へと意識を戻した。


その頃、建物の出口へと向かう廊下を歩きながら、ジュリアンは窓ガラス越しに下の中庭を見下ろした。そこには、まだ木炭の残骸を片付け終えようとしているシドの姿があった。ジュリアンは絶対的な蔑みの表情を浮かべたまま、二秒の長い静寂の間にわたってその背中をじっと見つめ、やがて前へと視線を戻し、夜の闇の中へと歩を進めていった。


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