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デュアルリバース 転生. (Dual Rebirth)   作者: 善悪 亮 (Ryo Zenaku)
「春日血統の影」ブロック5
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「影の下の出会い」第96話 ブロック5


魔法アカデミーの講師が、若い貴族の生徒たちの前でマナ循環の高度な基礎について説明を続けていた。


講師:「――ですから、もし魔力を適切な精度で核に集中させなければ……」


壇上の前で厳格にジェスチャーを交えながら、教師が話し始めた。


しかし、彼女は言葉を最後まで続けることができなかった。教室の重厚なオーク材の扉が、鈍い軋み音を立てながらゆっくりと開いた。一人の少年が、山のように積まれた古書の塔を抱えながら敷居を跨ごうとしていた。少なくとも十五冊もの、革で装丁された極めて厚い書物を不器用に抱えており、その積み重なった重みが彼の歩みをひどく困難にしていた。


シド:「うぐっ……あぁ……っ」


少年は肉体的な負担に喘ぎ、負荷に揺らめきながら顔を歪めていた。


山積みの文献のせいで顔がすっかり隠れてしまっている。足元をふらつかせながらも決意を込めた足取りで机の列を通り抜け、教師のメイン机にたどり着くと、インク壺を揺らすほどの鈍い音を立ててその山をドサリと下ろした。手の甲で額の汗を拭いながら、長いため息を吐き出して安堵した。


シド:「ふぅ……お待たせしました、先生。必要だった巻物です」


教師は感謝と、堪えきれない困惑の入り交じった複雑な表情で彼を見つめた。


講師:「ありがとう、シド」


まさにその瞬間、目の前の本が退けられたことで、彼の姿が教室の生徒たち全員の前に露わになった。


シドの見かけは十三歳ほどだった。厳格な鍛錬を積んだアスリート独自のはっきりと引き締まった肉体を持ち、一目で好奇心旺盛な生徒たちの目を引く目立つピンク色の短く尖った髪に、大きめで明るく表現豊かな薄茶色の目をしていた。


自分の席から、サユリは彼をじっと見つめていた。その少年は彼女の目にはかなり魅力的に映った。ジュリアン・ヴァンスのような冷たく磨き上げられた貴族的な優雅さは持ち合わせていなかったが、それとは全く異なる、野性的で自然な美しさを放っていた。さらに、自分によく似たそのピンク色の髪――色合いこそ違っていたが――が、彼女の心を完全にざわつかせていた。その後の理論の解説の間、サユリは彼から目を離すことができなかった。


シドは素朴に頭をかき、その場を取り繕った。


シド:「気にしないでください、先生。僕の仕事ですから。他にやるべきことがなければ、これで失礼します。良い午後を」


教師は、アカデミーの冷たい廊下では珍しいほどの温もりを込めて彼を見送った。呼吸をするだけで特権を要求する若い貴族たちとは異なり、シドは非常に穏やかな態度を崩さず、物質的な見返りを求めたり自慢したりすることもなかった。彼は心から謙虚な人間だった。


講師:「ありがとう、シド。授業が終わったらお礼をするわ」


シドはごく自然に身を翻して去ろうとした。


シド:「そんなの気にしないでください、先生」


しかし、まさにしっかりとした足取りで扉へ向かおうとした瞬間、運悪く彼のブーツが壇上のすり減った絨毯の縁に引っかかってしまった。シドは不意にバランスを崩し、大理石の床へと前のめりに倒れ込み、頭を鈍く打ちつけた。


シド:「うぐっ……!」


痛みに満ちた声が教室中に響き渡った。何人もの生徒がその光景を見て硬直し、一方で階級的な軽蔑を抑えきれない者たちは嘲笑の笑い声を漏らした。


「ははははは……」


教室内の一角から声が上がった。


床に突っ伏したまま、シドは片膝を立てて起き上がりながらゆっくりと頭を揉み、恥ずかしさのあまり顔から火が出るような思いをしていた。


シド:(なんて恥ずかしいんだ……こんなところをこんな人たちの前で見せるなんて。最悪だ……)


だが、完全に起き上がるより先に、一人の影が彼に覆い被さった。サユリは迷うことなく自分の席から立ち上がっていた。机の列の間を軽やかな足取りで歩み寄り、彼の傍らに膝をつくと、純粋な笑みを浮かべながら手袋をはめた手を差し出した。


カスガ・サユリ:「大丈夫?」


彼女は絶対的な優しさを込めて尋ねた。


シドはハッと顔を上げた。薄茶色の瞳が少女の深い青い瞳と捉え合った瞬間、世界が停止したかのように感じられた。彼女は信じられないほど美しく、自分のような者には到底手が届かないと思えるほど眩しい存在に見えた。圧倒された彼は、気まずさに耐えかねてすぐに視線を下へ落とした。


カスガ・サユリ:「ん?」


少年の突然の恥ずかしがりように、少女は戸惑いながらまばたきをした。


シド:(なんて美しい人だ……だが、なんて恥ずかしい。きっと高貴な身分の若いお嬢様なのに、こんな僕を助けてくれるなんて? こんな面倒をかけるべきじゃない……)


残されたわずかなプライドを保とうと、シドは素早く立ち上がり、ほとんど本能的に兵士のプロトコルを模倣して姿勢を硬くした。それでもなお彼女の目を直視する勇気はなく、強烈な赤面をごまかすために視線を頑なに天井へと固定した。


シド:「あ、ありがとうございます……大丈夫です、助けていただくほどでは……」


カスガ・サユリ:「そんなの気にしないで、本当に」


彼女は理解を示す表情を崩さず、柔らかい口調で答えた。


シドの顔はさらに赤らみ、彼のピンク色の髪とは対照的な激しい紅潮に染まった。


シド:「重ね重ね……ご親切にありがとうございます。で、失礼します」


それ以上一言も付け足すことなく、シドは身を翻し、急ぎ足で扉を乱暴に閉めながら教室を出て、廊下の奥へと遠ざかっていった。


サユリは壇の傍らに数秒間立ち尽くし、閉じられた扉をじっと見つめながら、強い戸惑いと、胸の内で波打つ奇妙な感覚を抱えたまま、何が起きたのか完全に理解しきれずにいた。


そのすぐ近く、エリートたちのために用意された上方の上級座席から、ジュリアン・ヴァンスがその光景の一部始終を観察していた。彼の顔は完全に無表情だったが、その黄金の瞳は冷酷で計算高い冷気を放ち、静かで危険な注意深さをもって小さなやり取りの細部を分析していた。


ジュリアン・ヴァンスはその些細な小競り合いを完全に冷徹な眼差しで見つめ、顎を引き締めたまま、教室の静寂の中で声を張り上げた。


ジュリアン・ヴァンス:「先生、あの少年は何者ですか?」


教師は羊皮紙から目を上げ、その割り込みに眉をひそめた。


講師:「あの子はアカデミーの用務とサポートスタッフよ、ヴァンス。どうしてそんなことを聞くの?」


サユリは居心地の悪さにチクリと胸を刺され、少しだけ首を巡らせてジュリアンを見た。彼が投げ返してきた氷のように鋭く見据える視線に、彼女はその場で凍り付いた。長い五秒間の間、ジュリアンは一言も発しないまま彼女を凝視し、所有欲すれすれの強烈な視線で値踏みしてから、侮蔑を込めて目をそらした。


ジュリアン・ヴァンス:「いえ……何でもありません、先生。忘れてください」


講師:「そう」


教師は頷くと、気を取られていた教え子へと視線を戻した。


講師:「サユリ、自分の席に戻りなさい。すぐに授業を再開するわ」


サユリは凝り固まったようにジュリアンを見つめ続けた。彼は不敵な笑みを浮かべるような深い挑戦的な表情のまま、彼女から目を離そうとしなかった。


サユリ:(あの視線……一体どうしちゃったのよ?)


講師:「――サユリ!」


教師が厳格に声を張り上げ、彼女を現実へと引き戻した。


サユリはその場で飛び上がり、加速する心臓とともに現実に引き戻された。


カスガ・サユリ:「はい、先生! 何でしょうか」


講師:「お願いだから自分の席に戻って。レッスンを続けるわ」


彼女は周囲の視線の重みを感じながら、慌てて一礼した。


カスガ・サユリ:「本当に申し訳ありません、先生。すぐに戻ります」


彼女は急いで自分の机へと戻り、すぐに腰掛けて席についた。教師は単調な理論の講義を再開したが、一階層上の貴族専用の座席から――サユリの姉であり保護者であるシオリが、不気味で、疑念と怒り、そして強い警戒心に満ちた暗い表情で、ジュリアンの後頭部をじっと睨みつけていた。


数時間後。


太陽が沈み始め、首都の空を灰みがかったオレンジ色に染め上げ、その光が大きな窓から斜めに差し込んでいた。大きな自習室は、一人の人間を除いてすでに完全に空っぽになっていた。


サユリは、授業中の不注意の罰として、その日の放課後の清掃当番に当たっていた。溜まった教材の量と他のグループが残していった散らかりようのせいで作業が遅れ、他のすべての生徒や教師たちが去った後まで残されることになっていた。


疲労のため息をつきながら最後の机の整頓を終えると、彼女は重い金属製のゴミ箱を持ち上げ、薄暗いカスガ家の邸宅へと帰路につく前に外のコンテナへ中身を捨てに行こうと廊下に出ることに決めた。


アーチ状の窓から差し込む夕暮れの弱々しい光だけが照らす、アカデミーの広い石造りの廊下を彼女は一人で歩いていた。


カスガ・サユリ:(早く家に帰りたい……どうして私なんかが居残りで掃除しなきゃいけないわけ?)


両手でゴミ箱を抱え、足を引きずるように歩きながら、空気中に舞い上がる微細な埃の中を進んでいく。廊下の暗い角の一つを前方を確認せずに急いで曲がった時、彼女の身体は別の誰かの身体と激しく衝突した。


その衝撃で彼女は瞬く間にバランスを崩した。サユリは石の床へと仰向けに倒れ込み、金属製のゴミ箱は完全にひっくり返り、くしゃくしゃになった紙くずや木くず、埃が二人の周囲に盛大に飛び散った。


カスガ・サユリ:「痛っ……! 何よこれ……」


彼女は顔をしかめながら額をさすり、低い声で不満を漏らした。


「――申し訳ありません! 僕のせいです、前を見ていませんでした!」


男性的で、聞き覚えのある声が慌ててそう言った。


サユリは力強くまばたきをして目を見開いた。すると、自分のすぐ傍らの床に倒れ込み、戸惑いながら頭をかいているシドの姿があった。彼女は一瞬で彼だと気づき、目を見張った。


カスガ・サユリ:「待って……あなた、あの時の本を運んでた子よね!」


シドは顔を上げ、高貴な少女の顔を認識した瞬間、紙のように青ざめた。圧倒的なパニックが彼を襲った。


シド:「お、お嬢様! 本当に申し訳ありません……!」


シド:(嘘だろ……また彼女にぶつかったのかよ! また迷惑をかけてしまった。こんなドジばかり踏んでたら、絶対にアカデミーの管理者たちにクビにされちまうぞ……)


深く考える間もなく、シドは素早く床から起き上がり、サユリに向けて力強く、そして荒々しい仕事ダコのある手を差し出した。


シド:「足元をちゃんと見ていなくて、本当に申し訳ありません。お手伝いします」


サユリはその手を躊躇うことなく受け入れ、柔らかな勢いを借りて床から立ち上がった。


カスガ・サユリ:「気にしないで……事故なんていつでも起きるものよ」


シドは床に散らばった小さな惨状を視線で指し示し、羞恥心で頬が焼けるように熱くなるのを感じた。


シド:「これ、全部拾いますから。僕の仕事ですからね」


一刻の猶予も置かず、シドは膝をつき、散らかったゴミを必死の速さでかき集めてゴミ箱へと戻し始めた。サユリは上から彼を見つめ、少年の純粋な謙虚さに深く驚いていた。貴族たちが平民を見下して平然と踏みにじる世界において、シドの態度は圧倒的な異彩を放っていた。


サユリ:(すごく優しくて働き者な人だ……平民ってみんなこうなの? それとも彼が特別なの……?)


その場の気まずい空気を破ろうと、彼女も彼の傍らに屈み込み、散らばった紙を拾うのを手伝い始めた。


カスガ・サユリ:「本当に手伝ってくれてありがとう。ねえ……名前はなんていうの?」


シドは片手に紙を持ったまま動きを止め、新たな赤面を頬に染めながらちらりと彼女を見上げた。


シド:「シドです、お嬢様……。お名前は……?」


シド:(一体どうして僕の名前なんて聞いてくるんだ? きっと下働きに対する同情心から聞いてるだけなんだろうな……)


カスガ・サユリ:「私は春日サユリよ」


その苗字を聞いた瞬間、シドは凍り付いた。彼の薄茶色の瞳が畏怖の念に満ちて見開かれた。バレロストラ国におけるその家族が持つ重みと暴虐さを、彼は嫌というほど知っていた。居心地の悪さに少しだけ後ずさりしながら、彼は消え入りそうな声で答えた。


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