アクアスカイ女神の策略
ウォーガット領の城。
「ファーナ出来たよぉ」
「でっかいお風呂なのですぅぅ」
「男女別で百人は入れるかな」
「あっつい空気のお部屋
「サウナね」
「お水の池」
「水風呂ね」
「あっついお湯と冷たぁいお水を調節しながら
「混合水栓シャワーだよ」
「リットが作った各種しゃぼん
「しゃぼんって」
「人種の中では貴重品と言われる鏡まで」
「えへへぇ」
「あの扉の向こうのお外が火山水のお池」
「いやいやそれだと死んじゃうよ。露天温泉風呂ね」
「お城の四階のバルコニーで見晴らしも良いです。私も入れるです?」
「お湯に浸かっても大丈夫なの?溶けて消えない?」
「氷ではないですよ。暖かい水溜りに入っていたですよ。ボウフラと一緒に」
「それもどうかと思うけど。ライニー侍従長と入ってみて」
「リットは一緒に入らないですか?」
「入りません」
「イルリット様」
「ああ。ライニー侍従長」
「完成ですか?」
「はい」
「ミルカマイナ辺境伯様ご一行様のお食事が終わりました。
ウインドウエレベーターで最上階の各客間にご案内を終えました」
「ありがとうございます」
「それでリーナス様とハルーライ様が是非とも火山のお湯に入ってみたいと仰っていらっしゃいます」
「その前に、ルクイッドギルド長とメルナさん。ブレンドル様とラーライナ様と外交官たちは」
「イルリット様が大河の向こう岸にお造りになった転移紋小屋に続々とご到着とアセップ達から念話が来ております。
ルクイッドギルド長とメルナ様。ブレンドル様とラーライナ様は既にこちらにご到着で各客部屋へ。
外交官十三名は間もなくご到着です」
「そっちは僕が案内しておくから一緒に入ってお風呂の使い方を教えてあげて。
おば様とお婆様にメルナさんとラーライナ様がご一緒してもいいか確認後、お誘いしてみて」
「畏まりました」
「それとファーナを一緒にお願いできるかな?」
「溶けませんか」
「溶けないですぅぅ」
その後、ライニー侍従長とおば様、メルナさん達は一緒にお風呂に入ったようだ。
脱衣場でライニー侍従長の肩に乗るファーナにリーナスが。
「ファーナ様。このような場で失礼いたします」
「ファーナです。ですが私も早くお風呂に入ってみたいのです。
お風呂でのご挨拶は失礼ですか」
「御心のままに」
「では、ファーナ様、お体を洗い、洗髪してから湯船でごゆっくりご挨拶といたしましょう」
「自分で洗えるですよ」
「なりません。わたくしがいたします」
「えぇぇ」
「良いですねっ」
「お願いするです。あっ」
「どうされましたか?」
「創世の女神。アクアスカイ女神様が『一緒に入って良いか』と、仰っています」
「リーナス様」
「即ご返答を」
「いらっしゃいます。そちらの入り口前。傅いてお待ちくださいです」
「皆様。初めまして。創世の女神アクアスカイです。
皆様の事はイルリットを通して良く存じております。
皆様、よくイルリットに賛同してくれました。このアクアスカイ。心からの感謝を」
「「頭をお上げくださぁぁい」」
「リーナス。ハルーライ。わたくしを認めて下さるの」
「「はい」」
「ハルーライ。疑う訳ではありませんが根拠を」
「ライニー侍従長の肩におわしますファーナ様が頭を下げていらっしゃいます」
「そうでしたね。
ファーナ。良いお方達に巡り合えて良かったですね」
「はい。アクアスカイ女神様の眷属として嬉しく思います」
「一点。申し渡しておきます。ハルーライ達一部とリミットベイ隊長は知っていますが、暫くはここの者らの秘匿として欲しいのです。
イルリットはわたくしの使途です。勿論間違いなく あの野郎 とマーリレスの子です。
そしてイルリットとファーナにはわたくしから役目を言い渡しております。可能な限り、協力していただけるかしら」
「「「「はい」」」」
「あの野郎ですか?」
「ファーナも聞いていてそう思うでしょ」
「はい。あの野郎です」
「ハルーライ。失礼だったでしょうか?」
「紛れも無く あの野郎 で、ございます」
「創世のアクアスカイ女神様にその様に認めてもらい、姉としても少し救われた気分でございます」
「ありがとうリーナス。
それと今、こちらに赴いている十三外交官。この者らは心底イルリットを案じておりました。
イルリットが処刑されていれば後を追う者ばかりでした。
各国の陛下に陳情し、かの十三名がイルリットの元に付けるようにこちらのお方達で算段をして欲しいのです」
「「「「はい」」」」
「イルリットが受けた数々の暴行を見ては、あの者らも奥歯を噛みしめておりました。
イルリットが口出し無用と止めておりましたゆえに。
外交問題に繋がる可能性もございましたので。
ですが、もう遠慮は無用となりました」
「「「「はい」」」」
「ライニー侍従長。リリースを今暫く侍女として借りても良いでしょうか」
「仰せのままに」
「リリースです。よろしくお願いします」
「あなたは妖精が居ませんでしたね」
「はい」
「脳裏を確認して」
「あっ風と水」
「イルリットにうまく使ってください」
「ありがとうございます。ありがとうございます」
「それで、皆さん。一緒に入っても良いでしょうか?」
「「「「はい」」」」
「ありがとう。来ていいですよ」
「はい」
「マ マーリレス?
「お母様ぁぁぁお姉様ぁぁぁ
「マーリレスぅぅ「マーリレスぅぅ」
「「「マーリレス様ぁぁ」」」
「あぁぁマーリレスぅぅ温かいわぁぁ
「お母様ぁぁ
「温かくて奇麗な手よマーリレスぅぅ
「お姉様ぁぁ
「あぁぁマーリレス様ぁぁ」
「ライニー。苦労を掛けましたね」
「あぁぁマーリレス様ぁぁ」
「ハロマイネ。あの子をありがとう」
「いえ。いえ。何も。何も できず
「いいえ。感謝しているわ。ありがとう」
「マーリレス様ぁぁ」
「ゆっくり湯に浸かりながら確認すると良いですよ。一緒に入りましょう」
「「「「はいぃぃぃ」」」」
「こんなに心地良い湯に娘達と入れるようにしていただきありがとうございますアクアスカイ女神様」
「そこはイルリットに感謝するところですよ。この露天風呂も眺めが良くて気持ちが良いですねぇ」
「はい」
「それで、ハルーライ。十歳若返らさせました。レイジャックと同い年になりましたよ」
「よろしいのでしょうか」
「創世の女神のわたくしが許可致しました。何か不都合でも?」
「いえ。ありがとうございます」
「これからイルリットの側で活躍して頂くことになります。これぐらいはプレゼントしておかないと恨まれそうですわ」
「そのような事は微塵も思っておりません。あの子の為に尽くします。
それでマーリレスはこのまま?」
「いえ、申し訳ないのですが今はずっとと言う訳には行きません」
「今は?」
「はい。この先イルリットとあなた方の働き次第。そう言っておきますわね」
「理解致しました。あの子はマーリレスがここに居ることは知っているのでしょうか?」
「いいえ。ファーナ他皆さんの念話も止めてありますよ」
「何か問題が?」
「今はイルリットの為と言っておきます。
ですから暫くは内緒に」
「皆に伝えておきます」
「お願いしますね」
「ご夕食をご一緒に?」
「はい。それを楽しみに
「そうですね。ご一緒させていただきます」
「是非に。
メルナ。ラーライナ」
「「はい。アクアスカイ女神様」」
「先ずはメルナ。ここにギルドは作れますか」
「先程リット君。イルリット様が似たような事を言って・・仰っていましたよです」
「普通で構いませんよ」
「ですが。ありがとうございます。
ルクイッドギルド長も考えているようです。なにせ、獲物には困りませんからね」
「ありがとう。
ラーライナ。こちらに拠点を移す気は無い?」
「アクアスカイ女神様のご許可が有るのでしたら、ブレンドルを殴って引きずってでもここに来ます」
「何か問題でも?」
「ナメナット女王国の仕事ばかり選んで来るんです。鼻の下を伸ばして」
「ブレンドルの旦那もモテますからねぇ」
「困っちゃうのよ。メルナも楽しんでいたでしょう」
「何のことでしょうかぁ」
「あららぁ。許可しますよ」
「はい。決定いたしました」
「アクアスカイ女神様」
「いいですよメルナ。何か?」
「お胸に触れても良いでしょうか?」
「どうして?」
「リット君がとっても喜びそうな御利益がありそうで」
「そうなのかしら?」
「はいっ」
「あぁぁれぇぇ
「わたくしリリースにもイルリット様の為に御利益くださぁぁい」
「あぁぁもぉぉ
「ファーナもですぅぅ」
「あぁぁんこらぁぁ
「あらあら女神様になんてことを。
リット君が愛されていて良かったわね」
「はい。お母様。
色々有ったようですが、皆様に愛されていたようですね」
「ごめんなさいね。あの子を助けに行ってあげられなくて」
「お母様。もしそうしていたらあの子は甘えてしまい、今こうしてお母様やお姉様に再開できなかったかもしれません。
使徒としての試練を乗り越えた。
そう、思ってください」
「そうね。聞く限り相当な試練だったようね」
「マーリレスは何時戻るの?」
「今の所は今夜には」
「今度いつ会えるの?」
「イルリット次第ですね」
「お食事は?」
「許可は出ています。もう普通にお食事もできますので、イルリットも含めたここの城の全員と」
「十三人にも会うの?」
「はい。ご挨拶しなければ」
「世界に広まるわよ」
「お姉様。アクアスカイ女神様の狙いでもあるのですよ」
「「なるほどぉぉ」」
アクアスカイ。マーリレス。リーナス。ハルーライが待つ居間に事情を知らないイルリット。レイジャック。ミルカマイナがライニーに呼ばれた。
ライニーが。
「わたくしはこちらで控えておりますので、中へどうぞ」
「何じゃろうな」
「何でしょうか。入り
イルリットは走った。走ってマーリレスに抱き着き泣いた。
レイジャックとミルカマイナも駆け寄って、二人を包み込むように泣いた。
「「あなた」」
「あぁぁうん。温かい。温かいのだ。娘が。マーリレスが温かいのだ。あの時の冷たさは嘘 じゃった」
「マーリレス。お帰り」
「はい。お義兄様」
「あなた」
「ハルーライ。暫くはこのままで構いませんよ。野暮な事をしてはいけません」
「申し訳ございません」
(お母様がとっても温かい。お母様の香りが心地いい。お母様より大きくなっちゃったな)
「大きくなりましたね。イルリット」
「はい」
(物凄く沢山お話ししたいのに。沢山お伝えしたいのに。幸せ過ぎて)
「後から沢山お話ししましょ」
「私の考えている事が解かるのですか?」
「あなたの母ですよ。ちゃぁぁんと解かりますよ」
「お母様。
アクアスカイ女神様がお母様を」
「そうですよ。あなたのために
「なんですとぉ
「まさかぁぁ
「皆さん、座りませんか。事情をお話し致します」
「「「はい」」」
「お母様。隣に座っていいですか」
「いらっしゃい」
「はい」
「イルリット。皆は?」
「パーティー会場にお招きしています。今はお風呂です」
「では、早めに終わらせましょう」
「ライニー。入ってお茶をお願い」
「失礼いたします。畏まりましたマーリレス様。懐かしいですね」
「そうね。でも、きのうのような気もするわ」
「はい」




