29話 褒美
「どうぞ。」
彬壱さんが返事をするとゆっくりとドアが開いた。
「あ…彩ちゃ~ん…?」
恐る恐る開いたドアの隙間から、心配そうな女性が見えた。
「お母さん!」
彩が立ち上がった。
「お母さんか!」
「彩ちゃんのお母さんここにいたんだね!」
でも…イケてるおじさん、って感じの彬壱さんに対して、お母さんの方、だいぶ若くないかな…。
「お母さんはお父さんに比べて全然変わってないわねー!安心したわ!」
「彩ちゃんこそ!こんなに時が流れても、あの頃のまま小さくて可愛い!」
抱き合って再開を喜ぶ彩。
よかったね!
でも、やっぱりなんかおかしいな!
若すぎる気がする!
「そちらのお2人が彩ちゃんを見つけてくれたのね!」
「あ、はい…。どうも。麻刀です、、。」
「真結です!お母さんお若いですね!」
お、真結が切り込んで行ったな!
「そう?まあ、能力でなんだけどね。」
そんな能力もあるのか…。
結構レアな能力だな。
少し落ち着いてから彬壱さんが話始めた。
「みんな揃った所でなんだが、今回、彩を助けてくれた2人には何かお礼をしたいんだけれども、何か要望はあるかな?無ければお中元みたいなお菓子セットになるけど、今なら大体は受け付けるよ?」
俺達へのお礼として何かくれるのか…。
あんまりピンと来ないんだけどなー。
『麻刀君は何かある?』
お、真結のテレパシーだ。
首を降って答える。
『特に無いんだね。私達の結婚式場とかはどうかな?』
もう一度、今度は思いっ切り首を降る!
この場でそんな事が言えるわけもないだろう!
何を考えているんだ!
真結は怒ったような顔で俺を睨んでいる…。
「神崎君?どうしたんだい?」
あ!彬壱さんに怪しまれてしまった!
真結の方ばかりに気が向いてた!
「い、いえ!別に何も!」
「麻刀も真結も決まらないのね。」
「そう言っても真結、急には思いつかないもんだぞ?」
あまり図々しいのも駄目。しかし簡単すぎるのも駄目。
こういうものはこの境目が難しいんだよ…。
「じゃあこのSIZ本部に何時でも入れるっていうのはどうかしら?結構居心地のいい場所だと思うし、休憩場所もあるし、普通の人は入れないような場所よ?」
おお!
彩、いい事思いつくな!
「うん!俺はいいと思うぞ!真結はどう思う?」
「私もいいと思う!」
「じゃあ決まりだね。2人には何時でもこのSIZ本部に入れるように専用のカードキーを渡しておくよ。」
「「ありがとうございます!」」
「真結も麻刀も何時でも遊びに来るのよ?」
そして、俺と真結はSIZの本部に入れる許可を特別に貰えた。




