黒猫と狼とあの人
「んー!!」
久しぶりに寝た気がする。
「おはよ」
隣にはシキ。
あー幸せだなぁぁ…?
「し、シキ!?」
「んーナオ…うるさいよ?」
「あ、ごめ…じゃなくてっ!なんで?」
「ははっなんでって昨日のこと忘れたのか?」
あー…そっか
昨日シキに会って…
「思い出しました…」
「はい、ココア」
「ありがと」
差し出されたココアを一口飲む。
これだ…この味…懐かしい。
ホットココアが好きで
特にシキのいれるココアが好き。
なんか自分で入れてもこの味にならないんだよなー。
作り方教えてくれないし!
「あー熱い!冬なのに熱いなー!」
棒読みで愚痴ってくるハチ。
「あ、ナオそのリングつけててくれたんだ?」
「あ、うん。シキもつけててくれてるんだ?」
「あぁ」
「だーっから!甘ったるいつの!」
とうとう怒り出したハチに爆笑するわたしら。
「あのー…そろそろ入っても?」
少し遠慮気味に尋ねる晶。
忘れてた。
「お前らいつもそんなんなの?」
「まぁね」
「そういや、シキなにしに来たん?」
ハチがそう問う。
「なんとなく」
なんとなくって…。
「シキさんはどこから?」
奈美が問う。
「空とおなじとこ」
「え、飛行機で2時間半!?」
瑠伊が珍しく反応した。
「1時間半くらいじゃね?まぁ、久しぶりの連休だったからな」
「いつまでいるの?」
わたしが問う。
「決めてねぇ。オーナーが連休と長期休暇を繋げようとしてっけど」
「なんの仕事?」
晶が問う。
「バーテンだよ、こいつ」
何故か自慢気に話すハチ。
「女性にモテモテでいーですねー?」
少し嫌味っぽく言うと
「ははっ確かにモテてはいるな!オカマに!」
笑いながら話すハチ。
…オカマ!?
「ひゃっははははっ!こいつ、お、女ダメだからって、女を蹴散らしたら、何故か、オカマに好かれてんの!!」
思い出してツボにハマったのか、笑いながら話すハチ。
悲惨だ…。
「御愁傷様デス…」
「ナオ…おまえ…」
「あ、えっと…ほら、それで?いつまでいんの?」
「話そらしやがって…んまぁとりあえず年明けはこっちかな?」
「てか、ハチもシキも愛耶さんと龍牙さんとこ帰らないの?年越しくらい」
「愛耶さん?龍牙さん??」
「あーハチの両親」
「大丈夫、ナオのとこ行くって言ってきたら「帰ってくんな」言われた」
二人に知られたら…あの人は。
「大丈夫だ、あいつ居なかったし、二人には口止めしといた」
よかった…。
いや、本当は良くない…
会うこと自体許されてないのに。
「みーくん?顔色悪いよ?」
奈美が心配してくれた。
「大丈夫だよ」
ギュッ
シキが後ろから抱きしめてきた。
「大丈夫だから。俺が会いたかったんだ。それに会ったのも偶然だろ?俺は連休で来たらばったり会った。」
「うん…」
「年明けもしばらくいるから」
「わかった」
「ナオの学校も行ってみてぇし」
「こ、こなくていいっ!」
シキ来たら目立っちゃう!!!
久しぶりに笑った気がする。
時間はあっという間だった。




