男性恐怖症の女の子と狼
-nami side-
みーくんはどこかあの人に似ていた。
男性恐怖症のわたしの
唯一の好きな男性。
だから、なんだかみーくんをとられそうで…
わたしは、シキ…この人が苦手だ。
「んなに警戒すんなよ」
突然シキから声をかけられた。
シキの視線はいまだみーくんを見ている。
「け、警戒なんて…」
「男はみんな同じだとでも思ってんだろ」
……え?
「なにが原因で嫌いになったか知らねぇけど、おまえは男が嫌いで、全ての男がその原因のやつと同じように見える…違うか?」
「…あんたになにがわかるのよ!そうよ、男はみんな変態で、横暴で、気分屋で、暴力的!男なんて…「俺も…」…え?」
「俺も女が嫌だった」
じゃあ、みーくんは?
みーくんを見つめるシキの瞳からは信じられなかった。
「女なんて、めんどくせぇし、うるせぇし、泣き喚くし、すぐ媚売ろうとする…女だって充分自分勝手だ」
そう言うシキの瞳は少し怒りを感じ取れた。
「でも、こいつは違った」
「みーくん?」
「こいつも同じだと思ってた…けどこいつは素直で、不器用だから伝わりづらいけど真っ直ぐで、心が澄みきっていた」
さっきの怒りが嘘のように、愛おしい瞳に変わった。
「ま、こいつの心を汚しちまったのは俺なんだけどな」
「え…?」
小さく呟いてシキは立ち上がった。
「便所行ってくる。起きたら俺はちゃんと居るって言っといて」
「あ、はい…」
「あと、コイツも女が怖いからさ、そんなコイツが傍に置くだけでも珍しいんだ。あんたのことも少しは他の奴らとは違うって思うからナオを頼んだよ」
そう言って部屋を出たシキ。
”ま、こいつの心を汚しちまったのは俺なんだけどな”
その意味は?
「んん…っ?し…き?」
「みーくん、わたし。シキさんは今トイレ行ってるよ?ちゃんと戻ってくるって」
「んぅー…」
また眠りにつくみーくん。
あの愛おしそうな瞳は嘘じゃない。
まぁ、少しくらいなら
認めてあげなくもない。
私のことも頼ってくれてるし。
少しだけね?
-nami side end-




